2019.04.01更新

 日本に入国する外国人旅行者が増えれば当然、その分だけ出国する旅行者の数も増えます。

 そこで世界の多くの国が導入している「出国税」が2019年1月7日から日本でも導入されました。

 正式には「国際観光旅客税」といいます。

 これは国籍に関係なく1人につき一律1000円の税金が、原則として航空券やツアー代金などに上乗せされるものです。

 出国時に別途税金を納めるというわけではないため気が付かない人も多いでしょう。

 ただし、日本の空港で乗り継ぎする場合など日本に入国して24時間以内に出国する人や2歳未満の子どもなどは対象外となります。

 政府はこの出国税によって年間約400億円の税収を見込んでいるようですが、その使い道は「ストレスフリーで快適な旅行ができる環境の整備」「日本の多様な魅力に関する情報の入手の容易化」「地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上」となっています。

 ところで世界に目を向けてみると、すでにアメリカ、オーストラリア、イギリス、タイ、カンボジア、韓国など多くの国で導入されており、中でもオーストラリアでは日本円で約5000円とかなり高額です。

 いずれにしても導入されたからには観光先進国の実現に向けてきちんとした取り組みを実施し、有意義に活用してもらいたいですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.03.01更新

 2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを念頭に、社会全体がさまざまな分野でキャッシュレス化に向かっています。

 これは訪日外国人のニーズに応えるためもありますが、世界の流れに取り残されないようにという焦りでもあるのでしょう。

 そして、納税にもキャッシュレス化の波は押し寄せています。

 納税方法の中で一般的に知られているのは金融機関や税務署の窓口で納めるやり方ですが、税金の種類によっては指定した銀行口座より自動振替で納める方法もあります。

 これは「振替納税」といいます。

 また税金が30万円以下であれば、専用のバーコード付納付書を使って手数料不要で最寄りのコンビニで納めることもできます。

 この他にも事前の届出等は必要となりますが「ペイジー」を利用して金融機関のATMやインターネットバンキングで支払うことも可能です。

 さらに国税庁の専用サイトを介してクレジットカードも利用できます。

 この場合、1円~10000円までは82円(税込み)、それ以降は10000円を超えるごとに82円を加算した決済手数料が別途かかります。

 とはいえ、各カード会社によるポイント還元などの特典もあるため手数料を支払ってでも利用する価値はあるかもしれませんね。

 このように一昔前に比べて今の時代に合った納税方法の選択肢も随分と増えてきました。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.02.01更新

 一攫千金は夢があって魅力ですが、その後の適正な処理も大切です。

 競馬や競輪などの公営ギャンブルで得た一定以上の所得は「一時所得」や「雑所得」として申告する義務があります。

 例えば競馬で馬券を自動的に購入するソフトウェアを利用して独自の条件設定などでその年のほぼ全てのレースに挑戦し、年間を通しての収支で利益を得られるようにした場合は雑所得に該当します。

 その際の外れ馬券の購入費用は必要経費となります。

 一方、一般の競馬愛好家については一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費として控除することはできません。

 このように特殊な場合を除いては、年間50万円までの競馬の払戻金には税金はかからず申告する必要はありません。

 税金がかかるとしてもその対象は50万円を超えた金額の半分です。

 国の行政機関である会計検査院の発表によると、2015年に公営ギャンブルで1回の払戻金が1050万円以上だったケースは約530口で127億円の払戻金があったそうです。

 このうち一時所得や雑所得で適正に申告されたのは50数件、約20億円にとどまったとか。

 現在、窓口での購入や払戻金の受け取りに本人確認は不要で、主催者側が税務当局に通知する仕組みもありません。

 そのため適正な申告を促す取り組みが課題となっています。

 ちなみに宝くじの当選金は非課税です。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.01.04更新

 会社を経営する上で避けては通れないのが税金の問題です。

 納税は義務とはいえ、できる範囲の適切な節税は心掛けたいものですね。

 一言に節税といっても「支出を伴わないもの・支出を伴うもの」「普段から取り組めるもの・決算間際でも間に合うもの」など、いくつかに分類することができます。

 多くの場合、決算の直前に慌てて行うようなイメージもありますが、普段から計画的に取り組むことが望ましいでしょう。

 例えば、会社の利益と役員報酬のバランスだったり、省エネ設備の導入など将来に向けて行う投資により特別償却や税額控除などの優遇措置も活用することができます。

 これらは普段から計画的に取り組めるものです。

 一方で決算間際でも間に合うものとしては、当期に発生した費用ではあるものの支払いが次の期に確定している通信費や広告宣伝費、社会保険料、給与などの未払費用や未払金を当期の経費として計上する方法です。

 これは支出を伴わない節税なのできちんと計上することが大切です。

 また支出は伴いますが、決算間際にできるものとしては中小企業倒産防止共済や法人保険への加入などがあります。

 このように節税には色々な手段や方法がありますが、この先の会社の業績に大きな影響を及ぼすため、あらかじめ自社に合った最適なプランを整理しておきたいですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2018.12.01更新

 中小企業の経営者の高齢化が急速に進む中、円滑な代替わりを促すため10年間の特例措置として「事業承継税制」が拡充されました。

 現行制度では非上場の自社株式を後継者が引き継いだ際に発生する贈与税や相続税が、その後継者や相続人には大きな負担となっていました。

 そこでその問題を解決し、できるだけスムーズな事業承継を後押しするために、一定の要件のもとで贈与税や相続税の納税が猶予される制度が、2018年度の税制改正によって大きく変わりました。

 中でも重要なポイントは2つあります。1つ目は、2023年3月31日までに「特例承継計画」を都道府県庁に提出すると2027年12月31日までに限り、自社株式の贈与や相続の際にかかる贈与税と相続税が一切かからない仕組みになったことです。

 2つ目は、雇用の要件が実質的に撤廃されたことです。

 改正前の制度では納税を猶予されても5年間平均で雇用者数の8割を維持することが義務付けられていました。

 それができなければ猶予された贈与税と相続税の全額を納付しなければなりませんでした。

 しかし、今回の改正により実質的にこの要件が撤廃され、リスクが大幅に軽減されたのです。

 わずか10年という限られた期間ですが、中小企業の経営者にとっては事業承継について考える絶好のタイミングではないでしょうか。 

投稿者: 伯税務会計事務所

2018.11.01更新

 1989年4月1日に導入され今ではすっかり定着した消費税は、商品の販売やサービスの提供などの取り引きにかかる税です。

 現在の消費税率は8%ですが、その内訳は国税の消費税(6.3%)と地方税の地方消費税(1.7%)となっています。

 このように消費税は日本国内において行われる商行為に対して課税されますが、一定の取り引きについては消費税の性格や社会政策的な配慮などから非課税となっています。

 その代表的な取り引きのひとつに土地の譲渡や貸し付け(一時的なものを除く)などがあります。

 土地は建物と異なり劣化しないため「消費」という概念にそぐわないので課税はされません。

 また同じような観点から利子、保証料、保険料や印紙などの譲渡、住民票や戸籍抄本等の行政手数料などについても非課税とされています。

 さらに国民の健康・社会福祉・教育分野においては社会政策的な配慮から社会保険医療、介護保険サービス、一定の要件を満たす各種学校の授業料、住宅の貸し付け(一時的なものを除く)などについても非課税とされています。

 このように一見すると全ての取り引きやサービスについて課税されるイメージの消費税にもいくつかの例外があるのです。

 2019年10月1日から税率が10%になる予定の消費税ですが、私たちの生活にはどのような影響を及ぼすのでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2018.10.15更新

 その出来事をどう捉えるか――。これは本人の性格や状況、もっと高い視点でいえば、その人の哲学によって出来事の受け止め方は変わってきます。

 例えば、1万円を失くしてしまったら、多くの人は「もったいない。どうして気付かなかったんだ」と悔しがって嘆くでしょう。

 ところが、ある社長は1万円を失くしたことに気付いた瞬間こそ「あぁ・・・」としょんぼりしたものの、そのすぐあとに「だけど私の1万円は拾った人の役に立つだろうから、それでいい」と笑っていたそうです。

 彼は普段から何かにつけてそんな調子だとか。

 思うように事が運ばなくても「そんなこともあるよね」と笑い飛ばし、アクシデントに見舞われても「こんなこと、めったに体験できないから」とアクシデント自体を楽しんでしまう。

 良くも悪くもあまり物事にこだわらず、執着しないたちなのでしょう。

 その楽観主義が周囲を和ませるのか、彼の周りにはいつも人が集まってきます。

 人が集まるところにはお金も集まってくるので、彼の商売が順調なのも自然の成り行きなのでしょう。

 よく言われる例えですが、失敗を「失敗」だと思わずに「経験」だと捉えれば、クヨクヨ悩まずにすみます。

 こんな楽観主義を「能天気」だ「お気楽」だと批判する人もいますが、脳科学者の茂木健一郎氏の著書『脳を活かす仕事術』によれば、「脳は楽観主義でちょうどいい」そうです。

 脳がうまく働くにはある程度、楽観主義なほうがいいという意見には経験的に思い当たる節もあり、何でも捉え方次第だと改めて痛感しました。

 早いもので今年もあと2カ月となりました。

 残りの日々を横目で見ながら1年のまとめに入っている気の早い人もいるでしょう。

 節目のタイミングでは、出来事を「良かった」「悪かった」の二分法で考えがちですが、「良い」「悪い」の判断より、色々あったけれど何とかやっていることに目を向けてみるのも悪くありません。

 思い悩んでもすべて過ぎてしまったこと。

 やり直せない過去にこだわれば、執着する分だけ未来に暗い影が差します。

 バランスのよい楽観主義でいきたいものですね。

 

投稿者: 伯税務会計事務所

2018.10.15更新

 「新たな人材が欲しいところですが、業界全体が人手不足で今すぐに人を増やすことは難しい状況です。

 そのため会社としては、従業員教育に力を入れて生産性を向上させつつ、徐々に新たな人材を確保していけたらと考えています。

 そこで、このような経営強化を支援してくれる税制などがあれば活用を検討したいため教えていただけないでしょうか」というご質問がありましたので、改正のあった所得拡大促進税制をご紹介いたします。

 中小企業者等では「給与総額が前年度以上」で「継続雇用者給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加」した場合、給与等支給総額の前年度増価額の15%の税額が控除されます。

 また継続雇用者給与等支給額が対前年度比で2.5%以上増加しており「当期の教育訓練費が対前年度比10%以上増加」または「中小企業等経営強化法による経営力向上の認定を受け経営力向上が確実になされている」といった要件のいずれかを満たす場合には、25%の税額が控除されます。

 ただし税額控除の上限はいずれも法人税額の20%になります。

 例えば25%の税額控除の要件を満し今期の給与等支給総額が1500万円、前期が1200万円で法人税が250万円の場合、対前年増加額300万円の25%である75万円が税額控除の対象となりますが、上限が法人税額の20%になるため税額控除額は50万円になります。

投稿者: 伯税務会計事務所

2018.09.01更新

 個人の確定申告は、前年分を翌年2月16日から3月15日までに申告します。では確定申告を忘れて、この期間内に申告をしなかった場合はどうなるのでしょうか。

 期間内の申告忘れには「還付申告」と「期限後申告」の2つがあります。

 サラリーマンのように会社が年末調整を行い、医療費控除などのように年末調整の処理ができない税金を還付してもらう「還付申告」であれば、5年さかのぼって申告ができます。

 一方、個人事業主が確定申告を忘れたといったケースは「期限後申告」になります。

 この場合は本来納めなければならない税金の他に無申告加算税や延滞税がかかります。

 無申告加算税は原則として納付すべき税の15%(一定以上は20%)が課されます。

 なお、自主的に期限後申告をした場合は、無申告加算税が5%に軽減されます。

 また何かの手違いなどで申告を忘れていたような場合には、無申告加算税が課されないこともあります。

 そのためには、期限後1カ月以内に自主的に申告が行われていること。

 納付すべき税金を法定納期限までに納付(口座振替の場合は期限後申告を提出した日まで)していること。

 過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されていないこと。

 さらに過去5年以内に無申告加算税が免除になるこの制度を使っていないこと。などの要件を満す必要があります。

投稿者: 伯税務会計事務所

2018.08.01更新

 印紙税は経済取引に際して作成される文書に課される税です。

 課税されるものには色々あります。

 所得税や法人税のように生み出される所得に課税されるもの、贈与税や相続税のように財産に対して課税されるもの、消費税や酒税のように消費などに対して課税されるものなどがあります。

 平成28年度の国の税収は約55兆円でした。

 そのうち印紙収入は約1兆円で1.8%を占めています。

 印紙税は私たちが持っている通帳においても課税されています。

 金融業界は近年の低金利によって収益が悪化しているため、一層の経費削減を目指さなければなりません。

 そのため年間約700億円かかる印紙税を、ペーパーレス化することによって削減するという動きがあるようです。

 銀行などにとって、ITと金融サービスを融合したフィンテックの発展によりペーパーレス化などがすすむことは、印紙税や発行コストなどの削減と事務作業の軽減といったメリットがあります。

 一方、利用者は通帳を持ち歩く必要がなくなったり、スマホなどから入出金情報をリアルタイムで確認することができるといったメリットがあります。

 しかし、将来は紙の通帳の発行を希望すると手数料が発生することになるかもしれません。

 今後、ITやAIなどの発展によりさまざまなことが変化し、それに伴い税制も変化していくことになるでしょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

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