2018.12.01更新

 中小企業の経営者の高齢化が急速に進む中、円滑な代替わりを促すため10年間の特例措置として「事業承継税制」が拡充されました。

 現行制度では非上場の自社株式を後継者が引き継いだ際に発生する贈与税や相続税が、その後継者や相続人には大きな負担となっていました。

 そこでその問題を解決し、できるだけスムーズな事業承継を後押しするために、一定の要件のもとで贈与税や相続税の納税が猶予される制度が、2018年度の税制改正によって大きく変わりました。

 中でも重要なポイントは2つあります。1つ目は、2023年3月31日までに「特例承継計画」を都道府県庁に提出すると2027年12月31日までに限り、自社株式の贈与や相続の際にかかる贈与税と相続税が一切かからない仕組みになったことです。

 2つ目は、雇用の要件が実質的に撤廃されたことです。

 改正前の制度では納税を猶予されても5年間平均で雇用者数の8割を維持することが義務付けられていました。

 それができなければ猶予された贈与税と相続税の全額を納付しなければなりませんでした。

 しかし、今回の改正により実質的にこの要件が撤廃され、リスクが大幅に軽減されたのです。

 わずか10年という限られた期間ですが、中小企業の経営者にとっては事業承継について考える絶好のタイミングではないでしょうか。 

投稿者: 伯税務会計事務所

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