2022.05.01更新

 2022年度の税制改正により住宅ローン控除が改正されました。

 住宅ローン控除の制度は条件によって複雑になっているため、ここでは今回の改正の大きなポイントをご説明します。

 それは「控除率」「控除期間」「住宅の性能による借入限度額の違い」「適用対象者の所得要件の引き下げ」「中古住宅の築年数要件」です。

 控除率は、ローンを組んだ人が得する逆ざやを是正するため一律0.7%に縮小されます。

 控除期間は、2023年までは世の中の経済状況が厳しいことを鑑みて13年間のまま据え置かれます。

 住宅の性能による借入限度額の違いは、今後はカーボンニュートラル実現の観点から認定住宅、ZEH水準省エネ住宅など環境に優しい住宅には上乗せがある一方、省エネ基準に適合しない他の住宅については、住宅ローン控除が受けられないようになっていきます。

 適用対象者の所得要件の引き下げは、所得金額が3000万円以下であったのが2000万円以下に引き下げられます。

 中古住宅の築年数要件は、木造20年・耐火構造25年以下の住宅しか控除が適用されなかったのが、1982年以降に建築された新耐震基準適合住宅であれば要件を満たすことになります。

 今回の改正のポイントとしては、環境に配慮した性能の高い住宅のほうが、より減税の恩恵を受けられる方向になったといえるでしょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.04.01更新

 2021年度の税制改正でデジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制が創設されました。

 これはデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものにしたり、革新的なイノベーションをもたらせるためのものです。

 クラウド活用やサイバーセキュリティーなどのデジタル関連投資を行うことにより企業に産業競争力をつけてもらう。

 それを後押しすべく、DXの実現に必要な投資を行った場合、特別償却または税額控除を受けられる制度です。

 具体的には2023年3月31日までに改正産業競争力強化法に定める事業適応計画の認定を受けた青色申告法人が、その計画に従って投資を行った際に、その取得価額の30%の特別償却または3%(グループ外の事業者との連携は5%)の税額控除を受けることができます。

 この制度を受けるためにはデジタル要件と企業変革要件の2つを満たす必要があります。

 デジタル要件はデータの連携やクラウド技術の活用などで、企業変革要件は生産性の向上または売り上げの上昇が見込まれることなどです。

 手続きの流れとしては、2023年3月31日までに事業適応計画の認定などの確認を受け、対象となる設備を取得し事業の用に供する必要があります。

 またこの後も計画の実施期間中は、報告書を提出し最終事業年度には成果目標の達成が求められます。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.03.01更新

 ある会社の社長から「自宅を購入する場合、個人名義と会社名義のどちらが良いでしょうか」という質問がありました。

 このような場合、自宅を会社名義にすることで土地建物に関する不動産取得税や登記にかかる登録免許税などの費用が経費として処理できます。

 また購入資金を借入した場合は、その利息についても経費として処理できます。

 さらに建物の減価償却費や、所有している間にかかる修繕費についても同様に経費とすることができます。

 しかし会社は、社長から社宅利用料として家賃を徴収し収入に計上する必要があります。

 とはいえ、その金額については世間相場より安く設定することができます。このように税金などの面で考えると、自宅を個人名義より会社名義にしたほうが、経費としての処理方法や安い家賃など多くのメリットがあります。

 デメリットとしては借入をする場合、会社名義では住宅ローンを組むことができないので、一般的には毎月の返済や利息の支払いが個人名義の場合より増えることが多いでしょう。

 さらに住宅ローンを利用すれば万一、返済中に亡くなったとしても団体信用生命保険により残金を返済する必要はなくなりますが、このような恩恵も受けられません。

 不動産の名義を変更することは容易ではないため自身の置かれた状況を踏まえた上で慎重に判断しましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.02.01更新

 「ワーケーション」「ブレジャー」という言葉をご存じでしょうか。

 ワーケーションとは「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、テレワークなどを活用しながら普段の職場とは異なる場所で、余暇を楽しみつつ仕事を行うことです。

 ブレジャーとは「ビジネス」と「レジャー」を組み合わせた造語で、出張先などで滞在を延長して余暇を楽しむことです。

 観光庁ではテレワークが浸透し、働き方が多様化しているなかで仕事と休暇を組み合わせた新たな旅のスタイルとして普及を促進しています。

 とはいえ、会社側からすれば税務処理などの実務面が気になることでしょう。

 これは何を主たる目的としているかによって取り扱いが変わります。例えば、従業員が私的な旅行で空き時間にテレワークを行うようなケースについて往復の交通費を会社が負担した場合は、原則として従業員に対する給与となります。

 また業務の遂行上必要な研修旅行などに併せてその旅行先で私的な観光を行う際に会社が負担した往復の交通費については、会社の経費として認められ従業員の給与として課税する必要はありません。

 ただし、研修施設など業務に関する場所までの交通費に限られます。

 会社の業務と私的な余暇を兼ねているため取り扱いは複雑になります

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.01.04更新

 開催の可否はあったものの終わってみれば「感動をありがとう」の東京2020オリンピック・パラリンピック。日本選手が獲得したメダルは金が27個、銀が14個、銅が17個で合計58個。

 パラリンピックでは金が13個、銀が15個、銅が23個で合計51個という見事な結果でした。

 オリンピック・パラリンピック競技のメダリストに対しては、それぞれ日本オリンピック委員会(JOC)、日本障がい者スポーツ協会(JPSA)から報奨金が支給されます。

 その内訳はオリンピック競技では金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円。パラリンピック競技では金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円が支給されます。

 国としてはメダリストの栄誉を称える観点から、上記の報奨金については所得税と住民税を非課税としています。

 これに加えて指定された団体から交付される報奨金についても上限付きで非課税措置の対象となっています。

 競技団体やスポンサーからの報奨金はさまざまであり、ある競技では所属企業から1億円の報奨金が支給されたり、協会から1000万円の報奨金が支給される選手もいれば「報奨金は出さない」という競技団体もあるようです。

 私たちに夢と感動を与えてくれた選手にはそれ相応の見返りがあってもいいとは思うのですが、こればかりは何とも言えませんね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2021.12.01更新

 市場で取り引きされている不動産の価格を「実勢価格」といいますが、この他にも「公示価格」「基準地価」「路線価」などがあります。

 これらの価格は公的機関が発表している土地の値段です。

 公示価格は国土交通省、基準地価は各都道府県、路線価は国税庁から公表されます。

 国税庁の路線価は、毎年7月1日に最新年分が公表されます。2021年分においては8都市で上昇、17都市で横ばい、22都市で下落しました。

 全国で一番高い路線価は1986年から36年連続で東京都中央区銀座5丁目銀座中央通りで、今回も1平方メートルあたり4272万円と高額でしたが、それでも前年に比べると減少しているようです。

 コロナ禍の影響で外国人観光客などが激減し、飲食店や各種物販店舗などの収益性が低下したことが主な原因と思われます。

 このように昨今の世界情勢は土地の価格にも少なからず影響を及ぼしているのです。

 実際の土地の売買は、売り手と買い手の間で合意した価格により取り引きされますが、その価格の大体の目安を他の価格から算出することもできます。

 一般的に実勢価格は公示価格の1.1~1.2倍が目安といわれており、路線価は公示価格の80%くらいの価値水準となるように設定されています。

 これらの価格が分かれば自分が所有する土地の大体の実勢価格を知る参考となりますね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2021.11.01更新

 2023年10月1日より消費税の「インボイス制度」が導入されます。

 これは売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額などを伝える制度です。

 事業者は、商品やサービスを提供し消費者から消費税を受け取ります。

 また事業者も仕入れを行ったりするため他の事業者に消費税を支払います。

 この事業者に支払う消費税を控除することを仕入税額控除といいますが、これまでは法定事項が記載された帳簿や請求書などを保存していればそれをすることができました。

 しかし、この制度が始まると適格請求書(インボイス)を発行できる事業者からの分に限られることになります。

 そこには現行の項目に、さらに「登録番号」「適用税率」「消費税額」などの記載が追加されます。

 登録番号は、適格請求書発行事業者(登録事業者)のみに与えられます。

 この登録申請が2021年10月1日から始まりました。

 基準期間の課税売上高が1000万円を超える事業者は消費税の課税事業者なので原則、2023年3月31日までに登録申請を行えばよいですが、1000万円以下等の免税事業者については登録事業者になるかどうか、つまり消費税の課税事業者になるかどうかを事前に判断しなければなりません。

 また各種端末ソフトのバージョンアップなど準備が必要になってくるため早めに対処しておきましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2021.10.01更新

 「タックスヘイブン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 タックスヘイブンとは「租税回避地」のことであり、課税が完全に免除されたり著しく軽減されている国や地域を指します。

 つまり税制が優遇されている場所のことです。

 その中でも特に有名なのはケイマン諸島やバージン諸島などが挙げられます。

 多国籍企業や富裕層が税金から逃れるために、これらの国や地域に多額の資産を移しているのが現状です。

 極端な場合では、脱税行為やマネーロンダリング、テロなどの犯罪の資金に悪用されるケースもあるようです。

 このように以前より問題視されてきたタックスヘイブンですが、2021年に開催された先進7カ国の財務大臣による会合(G7)で、課税逃れに対する国際ルールが合意されました。

 この会合では法人税率の引き下げ競争に歯止めをかける共同声明が出され「最低税率15%以上」を目指す方針で一致しました。

 とはいえ、色々な利権や思惑が錯綜(さくそう)する中、今後は先進国のみならず新興国も交えた交渉で、どのような国際的な結束を見せられるかが問われてくるでしょう。

 しかし今回の会合で合意されたタックスヘイブン対策は、大きな時代の変革であることは間違いなさそうです。

 ちなみに、ときどきタックスヘブン(税金天国)と勘違いしている人もいるようですが、それは間違いです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2021.09.01更新

 「脱サラして個人で事業を始めようと考えています。その際、資金を調達する先としてはどこが理想的なのでしょうか」という質問がありました。

 開業資金を調達する場合、一般的には親族から借りたり、銀行から融資を受けるケースが多いと思います。

 友人などから借りるという方法もありますが、お金のトラブルは後々、大変なことになるためできるだけ避けたほうがよいでしょう。

 そこで、親族からお金を借りる場合は税務上、気を付けなければならない点がいくつかあります。

 例えば、きちんと契約書を作成して毎月、通常の金利で利息や元本の返済を行っていても、生計を共にしている親族への利息は必要経費とはなりません。

 また契約書を作成せずに返済もしていない状況であれば、借りたお金は「贈与ではないか」と税務署から指摘を受ける可能性もあります。

 そうならないためにも、親族から借りる場合であってもきちんと契約書を作成し、その契約書に則って返済しましょう。

 とはいえ、長い時間をかけて商売をしていくわけですから、やはり銀行との関係は大切になります。

 実績と信用を作って将来のチャンスやピンチのときにも融資が受けられるように、早いうちから銀行とのパイプを作っておいたほうがよいかもしれませんね。

 新たな人生のスタートでつまづかないように気を付けましょう!

投稿者: 伯税務会計事務所

2021.08.01更新

 フリーマーケットなどで不要となった日用品や古本などを売って、家の中の整理整頓とお小遣い稼ぎの一挙両得を楽しんでいる人も多いでしょう。

 最近ではスマートフォンのアプリを利用して簡単に売ったり買ったりすることができるようになり、ますます便利になっています。

 さらに不要品を売ったら思ってもみなかった値段がついて、多額の利益を得るというケースもあるようです。

 では、このような場合に税金はどうなるのでしょうか。

 家具・自家用車・衣類など生活に通常必要な「生活用動産」の譲渡による利益に対しては、税金はかかりません。

 ただし貴金属や宝石・書画・骨とうなどについては例外もあり、1個または1組の価額が30万円を超えるような高級な品を売って得た利益に対しては税金がかかります。

 とはいえ、すべての利益に対して税金がかかるというわけではありません。

 このような譲渡による場合には特別控除(最高50万円)が認められており、50万円までの利益に関しては課税の対象外なので税金はかかりません。

 この制度があるため自宅にある生活用動産を売っても、ほとんどのケースで税金は発生しないのではないでしょうか。

 しかしながら、何度も反復的に売買を行って利益を得ているような場合には、その行為が営利目的とみなされて課税の対象となるので注意しましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

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