2020.07.01更新

 最近では多くの企業がテレワーク(在宅勤務)制度を導入するようになりました。

 しかし、自宅で通常の業務を行おうとすれば電気代やインターネットの通信費など「それまで発生していなかった費用」が新たに発生する事態となります。

 そこで今回は、本来ならば負担しなくてもよい経費を従業員に負担してもらった場合、それを在宅手当として支給する際の税金の取り扱いを考えてみましょう。

 原則的には会社が従業員に支給する金品は、給与や賞与といった名目に関係なく給与課税の対象となります。

 ただし、業務の遂行上必要なものであり、本来は会社が負担すべき費用の実費を支払うのであれば「通常必要とされる範囲内」で課税されません。

 つまり従業員が業務の使用量に応じて通信費や光熱費などの明細を提示し、実費を精算するような場合は非課税となります。

 一方、会社が業務に必要な費用の補助として一律に従業員に在宅手当を支給する場合は給与課税の対象となります。

 実際にはなかなか難しいとは思いますが、従業員それぞれに実費を精算してもらったほうが給与として課税されないので社会保険料などの負担も軽くなります。

 そのためこれを機に実費精算のルールを作ってもいいかもしれませんね。

 何よりテレワークは自己管理がとても大切です。

 くれぐれも体調管理には十分に気を付けましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.06.01更新

 昨今、オフィスや小売店など多くの場面で欠かせない存在となっている外国人労働者。

 そこで今回は「外国人の雇用」に関して、日本人の場合との相違点をお話しします。

 大きな違いは3つあります。

 1つ目は行政に届出が必要な書類が格段に多いこと。

 2つ目は言葉の壁もあるため丁寧に説明したり理解してもらうことが多いこと。

 3つ目は文化などの違いにより日本人と同じような接し方ではうまくいかないこと。

 税金や社会保険の取り扱いについては基本的には同じですが、租税条約や社会保障協定によって一部異なる場合もあります。

 例えば、外国人労働者の家族が国外にいる場合、その家族が外国人労働者本人の配偶者または親族であること、日常の生活費などを家族に送金していること、年間の所得金額が38万円以下であることなどの条件を満たせば税金を計算する上で扶養に入れることはできます。

 ただ、そのためには親族関係書類や送金関係書類などを準備する必要があります。

 また短期のアルバイトを雇い入れる際、それが中国から来た留学生であれば、アルバイト収入については日中租税協定の届出をすることにより免税となる可能性が高いです。

 このように日本人を雇用する場合と比べて留意すべき点もありますが、重要な戦力として活躍している外国人労働者は多いので一度、検討してみてはいかがでしょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.05.01更新

 2020年度の税制改正の概要が昨年末に決まりました。

 「オープンイノベーション(企業が研究開発を行う際に組織の枠組みを越え、広く知識・技術の結集を図ること)の促進などを促す措置」「連結納税の抜本的な見直し」「全てのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制の実現」「NISA(少額投資非課税)制度の見直し」などが行われます。

 具体的には個人所得課税については、未婚のひとり親に寡婦(夫のいない女性)寡夫(妻のいない男性)控除が適用されます。

 男性のひとり親と女性のひとり親について不公平を解消する目的で所得制限(500万円以下)を統一したり、子どもがいる寡婦と寡夫の控除額(35万円)も同額となります。

 NISA制度では20年間、積み立て可能な「つみたてNISA」が5年延長されるため、2023年までに始めれば20年間の積立期間が確保されます。

 また法人課税については、一定の要件を満たしたベンチャー企業に対して大企業は1億円以上、中小企業は1000万円以上の出資を行った場合、その25%に相当する額が所得控除できます。

 この他にも持続的な経済成長の実現に向けた決定事項はたくさんありますが、この度の新型コロナウイルスによる世界規模の景気低迷により、税制に限らず経済活性化の一助となるような新たな策が臨機応変に講じられるかもしれません。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.04.01更新

 個人事業主の確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。

 この違いを簡潔にいえば、きちんと帳簿を作成して申告するのが青色申告で、簡易な帳簿で収支を計算したものが白色申告です。

 当然のことながら、青色申告を利用する人には税制上のさまざまなメリットを受けることができます。

 そのひとつに「青色申告特別控除」がありますが、これは所得の種類や記帳のレベルなどによって「65万円・10万円」のどちらかを所得から控除できるものです。

 ところが、これが2020年分の確定申告より「65万円・55万円・10万円」の3種類に分かれます。

 「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」に定められた電磁的記録の備付けおよび保存を行っている場合、またはe-Taxにより電子申告をする場合は65万円の控除が受けられます。

 しかし、そのような保存をせず、また紙で申告を行う人は控除の額が55万円になります。

 そのためこれまで10万円の控除を受けていた人は変わりませんが、65万円の控除を受けていた人は上記のいずれかの条件を満たさなければ55万円に減額となります。

 いざ始めようとしても事前に税務署長への承認が必要であったり、電子申告をする際にはマイナンバーカードなどが必要となるので早い段階での準備をおすすめします。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.03.01更新

 2016年度の税制改正により「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設されました。

 いわゆる「相続空き家」を売却したときの特例です。

 人口の減少が進みつつある日本では、将来的に空き家が増えていく恐れがあります。

 また近年では全国で自然災害が多発しており、そのような状況下において旧耐震基準(1981年5月31日以前の耐震基準)の下で建築された空き家の増加を抑制することを目的にこの特例が創設されました。

 具体的には、被相続人(亡くなった方)が1人で住んでいた家屋や土地を相続などにより取得した人が売却したとき、特定の要件を満たせばその利益から3000万円を控除することができます。

 つまり3000万円までのプラスの財産であれば税金はかからないということです。

 対象となる家屋や適用要件など、この特例を受けるためには詳細な規定がありますが、大まかにいえば「家屋が旧耐震基準で建築されていること」「相続や遺贈などにより取得した、被相続人が住んでいた家屋などを売却すること」「相続の開始があった日から3年目の12月31日までに売却すること」「売却代金が1億円以下であること」などの要件を満たす必要があります。

 なお、この特例の適用期間は2023年12月31日までなので、対象となる方は早めに取り組みましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.02.01更新

 「小学生の子ども1人と夫婦の3人で暮らしています。共働きですが、子どもが大学に進学するまでに上手に貯めていけたらと思っています。できれば税金の負担を軽くしたいのですが、何か良い方法はあるでしょうか」という質問がありました。

 最初に節税の基本について2つご紹介します。

 1つ目は「所得控除」と「税額控除」です。

 所得控除は税金を算出する前の所得を下げる方法です。

 一方、税額控除は算出された所得税から税金そのものを控除する方法です。

 そして2つ目は収入の多い人から優先して所得を減らすという方法です。

 所得税は所得に税率を掛けて算出されますが、日本の課税制度では所得が高ければ高いほど税率は上がります。

 そのためより節税になる方法としては、夫婦のうち収入の多いほうから先に所得を下げるのが得策です。

 上記のような点から共働き世帯に効果的な節税方法としては「住宅ローンを夫婦で活用する」「医療費控除を受ける」などが代表的でしょう。

 住宅ローン控除はそれぞれがローンを活用して税額控除を受けることができます。

 医療費控除は生計を共にしている家族であれば、その世帯の医療費の合計額について所得の高い人がまとめて所得控除を受けるほうが効果的です。

 この他にも「親を扶養に入れる」など節税方法は多いので上手に活用して将来設計をしましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.01.01更新

 人手不足が叫ばれる中、できるだけ働きやすい環境を整えて社員を少しでも長く健康に勤められるようにと、工夫を凝らした福利厚生に力を入れる企業も多くなりました。

 インターネット関連サービス大手のヤフー株式会社では、社員の健康増進に役立てるために独自の税を導入したそうです。

 その名も「揚げ物税」。

 これは社員食堂で提供する揚げ物料理の一部について100円値上げするというものです。

 一方、魚料理については「お魚還元」として150円値下げしました。

 例えば、チキン南蛮定食は591円から691円に、サバのみそ煮定食は693円から543円に。

 ヤフーの社内調査によれば、社員が昼食で脂質を取りすぎる傾向にあるという実態が判明し、それが多く含まれる揚げ物料理を控え、よりヘルシーな魚料理を食べてもらおうという社員の食生活の改善を狙うことを目的にこの制度を設けました。

 ヤフーでは以前から「社員の健康は生産性の向上につながる」という「健康経営」に取り組んでおり「社員の健康は企業の繁栄にもつながる」という発想をもっていたそうです。

 値上げするだけでなく健康に良いメニューをお値打ちに提供することにより、社員の体と懐の負担を軽くして元気に長く働くことができる仕組み。

 このようなユニークな税制度は今後、多くの企業で導入されていくかもしれませんね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.12.01更新

 日本に訪れる外国人観光客の数は年々増加の一途をたどっています。

 そのためホテルの客室数が足りず、一般の住宅(戸建やマンションなど)の全部や一部を活用して宿泊サービスを行う「民泊」が急増しています。

 2018年6月に住宅宿泊事業法が施行されてから民泊は「旅館業法の許可を得る」「国家戦略特別区域法の認定を得る」「住宅宿泊事業法の届出をする」のいずれかの方法で行います。

 中でも個人の住宅を利用して民泊を行う場合は、住宅宿泊事業法の届出をして行いますが当然、その際に発生する宿泊料などの収入は税務申告が必要です。

 これは原則として「雑所得」に区分されますが、民泊が事業的規模で行われていることが客観的に明らかであれば「事業所得」として申告することになります。

 また不動産賃貸業を営んでいる人が、空き物件を一時的に民泊として貸した場合は「不動産所得」に含めて申告しても差し支えありません。

 いずれにしてもきちんと税務申告をすることは大切です。

 その際に収入から差し引くことができる経費としては仲介事業者への手数料、管理費、広告宣伝費、通信費、家屋の減価償却費などがあります。

 水道光熱費や固定資産税など、費用が業務用と生活用の両方に含まれるものについては、例えば宿泊させた日数など合理的な方法によりあん分して計算します。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.11.01更新

 国税庁から2018年度の査察の概要が発表されました。

 査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追求し、その者を罰することで他の人々が同じような過ちを犯さぬよう戒め、適正で公平な課税の実現と申告納税制度を維持することを目的としています。

 今回、発表された査察による告発件数は121件でしたが、中でも消費税の還付制度を悪用した「消費税受還付事案」、故意に申告しない「無申告ほ脱事案」、海外取引を悪用した「国際事案」など重点事案と呼ばれるもので全体の半数近くを占めていました。

 消費税受還付事案は、2014年の告発件数は5件で約1億円の不正還付額だったものが、今回は16件で約19億円と急激に増加しており、未遂犯についても過去最多の告発件数でした。

 また無申告ほ脱事案の告発件数は18件、国際事案の告発件数は20件で、これらを含む脱税総額は112億円でした。

 そして2018年度中に一審判決が言い渡された件数は122件で、その全てに有罪判決が出され7人に実刑判決が下されました。

 中でも最も重い実刑判決は懲役4年6カ月でした。

 売り上げの除外や架空経費を計上するなど告発とまではならないものの所得隠しを行えば本来、納めるべき税金の他に重加算税や延滞税などが課されます。

 それこそ割に合いません。

 適正な納税による健全な経営が最強ですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.10.01更新

 2019年度の税制改正において個人版事業承継税制が創設されました。

 この制度は、事業で使用している宅地や建物などの資産に対する贈与税・相続税の全額の納税が猶予されるものです。

 また後継者の死亡など一定の事由が生じた場合には、猶予されている贈与税・相続税の納税の全部または一部が免除されます。

 具体的には青色申告に係る事業(不動産貸付業などを除く)を行っていた事業者の後継者が、2019年1月1日から2028年12月31日までに贈与や相続などにより特定事業用資産を取得した場合に適用されます。

 特定事業用資産とは、先代の事業者が事業に使用していた400平方メートルまでの宅地や床面積が800平方メートルまでの建物、自動車などの資産で、贈与や相続などが発生した年の前年分の事業所得に関する青色申告書の貸借対照表に計上されていたものです。

 税金の負担を軽くする事業承継税制はすでにありますが、従来の制度は法人の自社株に対するものであり、個人事業主を優遇する制度ではありませんでした。

 今回の創設により個人の事業承継が円滑に進むことが期待されます。

 ただし、この制度を活用するためには年齢制限などの条件や、事前に「個人事業承継計画の提出」「経営承継円滑化法による認定」などが必要となりますので詳細についてはご相談ください。

投稿者: 伯税務会計事務所

前へ

entryの検索

月別ブログ記事一覧

カテゴリ