2023.01.01更新

 経済協力開発機構の調査によると、日本の平均賃金は1990年からほとんど上がっていない状況です。

 ところが欧米では1.5倍近く上がっています。

 政府は成長と分配の好循環による新しい資本主義を実現するため企業による賃上げを考えており、民間企業の賃上げを支援すべく2022年4月1日より開始する事業年度を対象に「賃上げ促進税制」がスタートしました。

 中でも中小企業向けでは、青色申告書を提出する中小企業等については2022年4月1日から2024年3月31日までの間に開始する各事業年度(個人事業主は2023年および2024年の各年)において、前年度比で給与等を1.5%以上増加させた場合は15%の税額が、2.5%以上増加させた場合は30%の税額が控除されます。

 さらに教育訓練費を前年度比で10%以上増加させると10%の控除が上乗せされます。

 ただし税額控除額の上限は税額の20%です。

 企業の節税と従業員のモチベーションアップの相乗効果が期待できそうですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.12.01更新

 今回は「誤って税金を多く納めていたり、もしくは少なく納めていたことに気がついた場合の対処方法」についてお話しします。

 計算間違いなどで税金が正しく納められていなかった場合には当然、訂正をすることになります。

 しかし「多く納めていた場合」と「少なく納めていた場合」とでは訂正の仕方が異なります。

 まず「多く納めていた場合」は「更正の請求書」という書類に訂正事項を記載して提出します。

 その際の注意点は、原則として法定申告期限から5年以内に行わなければならないということです。

 一方で「少なく納めていた場合」は「修正申告書」を提出します。

 こちらも法定申告期限から5年以内ですが、悪質な行為が発覚した場合は7年以内まで延長されます。

 この場合、追加の税金を納めるとともに、過少申告加算税(悪質な行為の場合は、過少申告加算税に代えて重加算税)や延滞税などの附帯税を納付する必要があります。

 なおこの附帯税は損金(いわゆる経費)には算入することができません。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.11.01更新

 今回は「8年前に購入した金地金を売却したら110万円の儲けが出た」というケースでの「譲渡所得」についてお話しします。

 譲渡所得とは資産の譲渡による所得をいいます。

 対象となる資産には土地、建物、ゴルフ会員権などが含まれます。

 営利を目的として継続的に金地金の売買をしている場合は譲渡所得ではなく「事業所得」や「雑所得」となりますが、会社員などが持っている金地金を売却した場合は原則、総合課税の譲渡所得となります。

 これは所有期間が「5年以内である短期」と「5年超である長期」とに分けられます。

 計算方法は「金地金の譲渡益」と「その年の金地金以外の総合課税の譲渡益」を足したものから「譲渡所得の特別控除」の50万円を引きます。

 また「短期」の場合は全額が課税の対象になり「長期」はその2分の1が課税の対象となるという違いもあります。

 今回のケースは長期なので、110万円から特別控除額の50万円を引いた60万円の2分の1である30万円が譲渡所得の金額となります。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.10.01更新

 税金は決められた期限までに納める必要があります。

 例えば法人税は決算日の翌日から2カ月以内に納付しなければなりません。

 期限までに納付しなかった場合、納期限の翌日から2カ月を経過する日までは「年7.3%」か「延滞税特例基準割合+1%」の低いほうを、納期限から2カ月を経過する日の翌日以後については「年14.6%」か「延滞税特例基準割合+7.3%」のどちらか低い割合で計算した延滞税というものが本来の税金以外にかかってきます。

 ちなみに延滞税特例基準割合とは、財務大臣が告示する平均貸付割合に、年1.0%の割合を加算した割合のことです。

 また延滞税以外にも過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税といった多くの加算税もあります。

 これらの税金は、法人税を計算する上では損金不算入となり経費として認められません。

 一方で社会保険料や労働保険料についても、納期限までに保険料を納めなかった場合、同様に延滞金を支払わなければなりません。

 ただしこの延滞金については、法人税を計算する上では損金に算入することができます。

 同じ罰則的な意味合いの延滞金を支払っても、処理の仕方はまったく異なります。

 いずれにしても本来は支払う必要のないお金です。

 税金や社会保険料などは、しっかり資金繰りをして期限までに納めるように心掛けましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.09.01更新

 法人企業統計調査をご存知でしょうか。

 これは営利法人などの企業活動の実態を把握するために、標本調査として実施されている統計法に基づく基幹統計調査のひとつです。

 財務省の財務総合政策研究所が1948年以降、毎年行っている調査です。

 この統計調査の中には、業種別・資本金階級別の役員賞与や役員給与の額があります。

 2022年2月に最新年度である2020度の統計年報が発表されました。

 金融・保険業を除いた全産業の平均役員給与は約466万円、平均役員賞与は約13万円でした。

 全体による平均役員給与の上位5業種は、1位から純粋持株会社(約1220万円)、化学工業(約897万円)、非鉄金属製造業(約835万円)、自動車・同付属品製造業(約797万円)、鉄鋼業(約758万円)でした。

 ちなみに純粋持株会社とは、自らは事業活動を行わず、主に子会社の指揮監督を目的とした会社のことです。

 やはり資本金が大きいほど報酬の額も多くなる傾向にあり、全産業において資本金1000万円未満企業の平均役員給与が約358万円に対し、資本金10億円以上企業になると約1771万円となっています。

 金融・保険業以外では58業種、金融・保険業については10業種でそれぞれの資本金階級別に集計されているため、ご覧いただければ自身の業種の状況がよく把握できるのではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.08.01更新

 取引先の不測の事態は、できることなら避けて通りたいものです。

 しかし商売を営む上では、あらゆるリスクを想定しておかなければなりません。回収困難となった売掛金が少額であれば、それが事業継続に及ぼす影響は小さいでしょう。

 しかしもしも多額の売掛金が回収できない状況になったら、事業継続は難しくなり連鎖倒産という最悪の事態に陥るかもしれません。

 このような「もしも」のときの資金調達として「中小企業倒産防止共済」という制度があります。

 これは国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構という機関が運営をしています。毎月5000円から20万円の範囲で積み立てを行い、現状では800万円(掛金の40倍で掛け止めも可)まで積み立てることができます。

 またメリットとして、掛金は税法上、法人の場合は損金、個人の場合は必要経費に算入することができます。

 そして一番気になる「もしも」のときには、積み立てた掛金総額の10倍の範囲内(最高8000万円)で、回収が困難となった売掛金債権等の額以内の「貸付け」が受けられます。

 しかも「無担保」「無保証人」「無利子」で借り入れることができるのです。財務状況や返済能力などによる金融審査での借り入れではないため「もしも」のときに役立つ制度です。

 何事も用心するに越したことはないですね。

 

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.07.01更新

 昨今ではリモートワークが導入されるなど、これまでの働き方が大きく変わりつつあります。

 通勤せずに働けるようになると、会社との距離を考える必要もなく、自分の好きな場所に居を構えることができます。

 多くの会社では、自宅から通う社員に通勤手当を支給しています。

 通勤には公共交通機関やマイカーなどを利用するケースが多いでしょう。

 会社から支給される通勤手当に関しては、所得税では一定額まで非課税となります。

 公共交通機関を利用する場合には1カ月あたり15万円まで、マイカーなどの場合には自宅から会社までの通勤距離に応じて最大31600円までが非課税となります。

 そんな中、ヤフー株式会社はリモートワーク制度である「どこでもオフィス」の改定を発表しました。

 これにより居住地と通勤手段の制限を撤廃し、日本国内であればどこでも勤務が可能となったのです。

 さらに電車や新幹線、バスのみとしていた通勤手段も、特急列車や飛行機の使用も可能にしました。

 常識範囲内であれば、ほぼ全ての公共交通機関で出社できるそうです。

 この制度の対象になるのは全社員に加え、契約社員と嘱託社員を含む約8000人。

 ヤフーは、社員自身が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境や場所を選ぶことで、より生産性を高め、さらに創造性を発揮することを期待しているようです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.06.01更新

 例えば、個人が土地建物を譲渡して利益が出たときは譲渡所得税が発生します。

 しかし一定の要件を満たす場合は、この利益の一部を将来に繰り延べることができます。

 つまり今、納税すべき税金を先延ばしすることができるのです。

 これを「事業用資産の買い換えの特例」といいます。

 当然のことながら、決して税金がゼロになるということではありません。

 この特例が適用されるための要件はかなり複雑で、組み合わせも多いため概要をつかむことが肝要です。

 まず譲渡する資産については、譲渡の日の属する年の1月1日現在に所有期間が10年を超える、国内にある事業用の土地や建物などであること。

 一方、買い換える資産については、国内にある土地や建物などで、土地の場合には300平方メートル以上であること。買い換える土地が売る土地の面積の5倍以内であること。購入してから1年以内に事業に使うことなどです。

 この特例の適用を受けると、売った金額に20%の割合を掛けた額を収入金額として譲渡所得の計算を行います。

 例えば、仮に1000万円の利益が出る譲渡があった場合、80%の800万円分の税金は将来に繰り延べされて、残りの200万円にのみ税金がかかることになります。

 この特例は要件が複雑なため、色々な点で事前に検討が必要になります。詳細についてはお気軽にご相談ください。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.05.01更新

 2022年度の税制改正により住宅ローン控除が改正されました。

 住宅ローン控除の制度は条件によって複雑になっているため、ここでは今回の改正の大きなポイントをご説明します。

 それは「控除率」「控除期間」「住宅の性能による借入限度額の違い」「適用対象者の所得要件の引き下げ」「中古住宅の築年数要件」です。

 控除率は、ローンを組んだ人が得する逆ざやを是正するため一律0.7%に縮小されます。

 控除期間は、2023年までは世の中の経済状況が厳しいことを鑑みて13年間のまま据え置かれます。

 住宅の性能による借入限度額の違いは、今後はカーボンニュートラル実現の観点から認定住宅、ZEH水準省エネ住宅など環境に優しい住宅には上乗せがある一方、省エネ基準に適合しない他の住宅については、住宅ローン控除が受けられないようになっていきます。

 適用対象者の所得要件の引き下げは、所得金額が3000万円以下であったのが2000万円以下に引き下げられます。

 中古住宅の築年数要件は、木造20年・耐火構造25年以下の住宅しか控除が適用されなかったのが、1982年以降に建築された新耐震基準適合住宅であれば要件を満たすことになります。

 今回の改正のポイントとしては、環境に配慮した性能の高い住宅のほうが、より減税の恩恵を受けられる方向になったといえるでしょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.04.01更新

 2021年度の税制改正でデジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制が創設されました。

 これはデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものにしたり、革新的なイノベーションをもたらせるためのものです。

 クラウド活用やサイバーセキュリティーなどのデジタル関連投資を行うことにより企業に産業競争力をつけてもらう。

 それを後押しすべく、DXの実現に必要な投資を行った場合、特別償却または税額控除を受けられる制度です。

 具体的には2023年3月31日までに改正産業競争力強化法に定める事業適応計画の認定を受けた青色申告法人が、その計画に従って投資を行った際に、その取得価額の30%の特別償却または3%(グループ外の事業者との連携は5%)の税額控除を受けることができます。

 この制度を受けるためにはデジタル要件と企業変革要件の2つを満たす必要があります。

 デジタル要件はデータの連携やクラウド技術の活用などで、企業変革要件は生産性の向上または売り上げの上昇が見込まれることなどです。

 手続きの流れとしては、2023年3月31日までに事業適応計画の認定などの確認を受け、対象となる設備を取得し事業の用に供する必要があります。

 またこの後も計画の実施期間中は、報告書を提出し最終事業年度には成果目標の達成が求められます。

投稿者: 伯税務会計事務所

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