2024.07.15更新

 今では当たり前のことにも、たどれば原点があります。

 例えば宅配の「時間指定」というサービス。もとは1985年にヤマト運輸が始めた「在宅時配達制度」が原点でした。

 配達先が留守の場合は不在連絡票を入れ、夜は20時までに配達し、不在の場合は翌日の午前中に再配達するなどのルールを決めて、徹底的に顧客の立場に立つことでサービスレベルを向上させたそうです。

 それから40年。「置き配(おきはい)」の登場で、物流業界の常識が変わろうとしています。

 お客さまがあらかじめ指定した場所に、荷物を置いていく非対面の置き配サービスは、人から人への対面商売を大事にしてきた日本人にとって、機械的で盗難の心配もあり、そもそもサービスレベルが低いとみられていました。

 ところが、サービスの一環として「置き配」を指定できるようにしたところ、配達方法を自分で選択できることが価値になり「むしろ置き配はサービスレベルが高い」という認識に変わってきたのです。

 常識も情報もソフトウエアも、あらゆるものが日進月歩でアップデートされていきます。

 そんな中、いちばんアップデートしておきたいのは「モノの見方や考え方」といった感覚ではないかと思います。

 今、世の中で何が起こっているのか。それを自分はどう捉え、どう行動するのか。これは商売に直結する重要な感覚です。

 最近、何かとケチをつけたくなるとしたら、自分の感覚が「こだわり」という頑固さでさびついているのかもしれません。

 それに気づくことがアップデートの第一歩。つまり自分自身のアップデートこそが今後の商売に大きな影響を与えていくのでしょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.06.13更新

 会社の衰退の要因は色々ありますが、その中でも「社員の姿勢」は重要な役割を果たします。

 特に「素直さ」や「誠実さ」に欠ける姿勢は結果的に顧客軽視となり、会社の命運を左右することがあります。

 素直さとは、新しい知識や技術を学び、自己改善を図る基盤です。

 素直でない社員は批判を受け入れられず、成長の機会を逃します。

 これは組織全体の進歩を妨げる要因となり得ます。

 誠実さは、信頼関係の構築に不可欠です。誠実でない社員は、同僚や顧客との信頼を築くことができず、結果としてチームワークや顧客満足度の低下を招きます。

 ここまで読んで、特定の社員の顔が浮かんだ人もいるかもしれません。「だからあいつは顧客のウケが悪いし、そのせいで会社の評判が下がっている」といった感じでしょうか。

 けれど周囲や世間の人は、あなたと違った見方をしているかもしれません。すなわち、社員の姿勢は経営者の姿勢。一番見られているのは経営者自身というわけです。

 では、経営者にとっての素直さ、誠実さとは何でしょうか。

 まず素直さは、自分の意見や考えに固執せず、他者の意見や新しい情報を受け入れる柔軟性だと思います。

 こうした姿勢の経営者は、常に学び、自己改善に励み、組織の成長に貢献しているのではないでしょうか。

 次に誠実さは、言動が一致して、正直で公正な行動を取ることだと思います。

 誠実な経営者は、社員のみならず、顧客やビジネスパートナーとも三方よしの関係を築いているように思います。

 キャリアが長くなればなるほど失われがちな素直さ、誠実さですが「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」の姿勢でありたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.05.15更新

 「あと1時間あれば・・・」と思うことはありませんか。

 これは、ある大学での話です。

 世界的なベストセラー『7つの習慣』を取り上げた講義の中で、教授が生徒に聞いたそうです。

 「1日が25時間になったら、あなたは増えた1時間を何に使いますか?」。

 この質問は『7つの習慣』で提唱している「時間管理のマトリックス」という時間の使い方を意図したものでした。

 多くの人は日常の大半を、期限のあることや差し迫った問題など「緊急かつ重要」なことに使っているが、人生を豊かにしたければ「緊急ではないけれど重要」なことに取り組んでいくとよいという提案です。

 「緊急ではないけれど重要」とは、心身のリラックス・新しいことへのチャレンジ・運動・家族との時間など、自分を成長させる学びやワクワクする喜びなどのことであり、その最たるものは「自分が本来やりたかったこと」です。

 やったほうがいいと思っているけれど、つい後回しにしていること。

 そのうちやろうと思っているけれど、なんとなく先送りにしていること。

 商売でも思い当たる節はありませんか。

 とはいえ、いくらワクワクする時間の使い方を想像しても、実際に1日が25時間になるわけではありません。

 だからこそ、この架空の1時間を24時間の中で意識的に作り出せたら、商売も人生もより充実するでしょう。

 「意識が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人生が変わる」といわれます。

 時間を増やせば解決すると思っているうちは、いつまで経っても「あと1時間あれば・・・」のまま。

 時間の使い方で商売も人生も激変する可能性があるのです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.04.15更新

 人には色々な能力があります。「お金を稼ぐ力」もひとつの能力でしょう。

 お金を稼ぐ力とは、単なる儲け方のノウハウなどではありません。

 例えば、付加価値を生み出す力。さらにはお金を稼ごうとする意欲や貪欲な姿勢も「稼ぐ力」ではないでしょうか。

 商売をする上でもお金を稼ぐ力はとても重要です。

 ところが世の中には、お金を稼ぐ力はあるのに商売がうまくいっていない人たちもいます。

 つまり大成功している人たちは「お金を稼ぐ力」のほかにも商売における大事な能力を持っているのでしょう。

 それは「お金を生かす力」ではないかと思います。

 お金を稼ぐのが上手な人は、お金の生かし方も上手かと思いきや「稼ぐ力」と「生かす力」は別物で、稼いだお金を生かせない人は少なくありません。

 ではお金を生かすとはどういうことでしょうか。

 「お金を生かす=お金を増やす」と思っている人は、稼いだお金を投資などで運用して増やそうとするかもしれません。

 それもひとつの生かし方ではありますが、商売を続けていくには守りの姿勢が大事なときもあります。

 「増やす」より「減らさない」で維持しておく。次の展開のために稼いだお金をしっかり蓄えておくことも、お金を生かす大事な一面だと思います。

 現に大きく稼いでいないのに商売が順調に続いている人たちは、大勢います。

 稼ぐ力と生かす力。どちらも商売に欠かせない大事な能力ですが、稼ぐ力があると、うっかり調子に乗ってしまうのが人間のかわいいところです。

 億単位のお金を稼いでも、その稼いだお金で何をするかが肝心なのは言うまでもありません。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.03.15更新

 「兆」を含んだ漢字の「挑」と「逃」がインターネットで話題になっているようです。

 「兆」を前にしたとき「挑む」か「逃げる」か。

 ダジャレのような言葉遊びですが、これを読んだときパウロ・コエーリョの『アルケミスト 夢を旅した少年』という小説を思い出しました。

 羊飼いの少年が「前兆」に従って自分の夢を追いかけていく冒険を描いた世界的なベストセラーです。

 著者のパウロ・コエーリョは「未来の前兆は、今にある」と言っています。

 つまり未来に起こることは必ず今に兆しがあり、今に集中することで私たちは、未来の変化に対応できるようになるというのです。

 私たちは未来に不安を覚えたり恐れたりしがちですが、未来は「今」の延長線上にしかありません。

 言い換えれば、今の決断や行動が自分の未来を作っているわけです。

 「兆」を前にしたとき「挑む」か「逃げる」か。夢があれば挑み続けようという考え方は正論ですが「挑む」は少し重い気がするので「挑む」を「行動」に変えて考えてみましょう。

 成し遂げたいことがあれば、小さなことでもいいからとにかく行動する。

 後回しにしたり失敗を恐れて何もしなかったりすると、貴重な「今」を失ってしまう。

 それは自分の未来を無駄にしているのと同じこと。

 だから自分が良いと思ったら、とにかく何でもやってみる。

 人生がうまくいっている人は、体験や出会いがチャンスを運んでくることを知っているので行動を惜しまないのでしょう。

 何が起こっても不思議ではない世の中です。

 今に集中して、兆しを見逃さず、次の行動を起こす。

 そこには未来へのヒントやチャンスがきっとあるはずです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.02.15更新

 時間に対する考え方や習慣と年収の関係を調べた調査結果があります。

 年収400万円台の人たちと1500万円以上の人たちに「人生の目的や目標を常に意識している」「仕事の目的や意味を常に考えている」「やりたいことリストを作っている」などの質問をしたところ、どの設問に対しても「○」と答えた率が高かったのは年収1500万円以上の人たちでした。

 つまり年収の差を生む要因のひとつは「時間」に対する考え方で「時間」の意識が高い人ほど、成功の確率が上がるのかもしれません。

 際限なく増やしたり貯めたりできて、しかも貸し借りまでできるお金に対して、増やすことも貯めることも貸し借りもできず、一度失うと二度と取り戻せない時間のほうがはるかに大切な資源だというのは、商売をしている人なら常々感じていることでしょう。

 しかし「多くの経営者は、その時間の大半を“昨日”の諸問題に費やしている」(ピーター・ドラッカー)。

 これが現実かもしれません。

 西洋のことわざは「時は“金”なり」ですが、商売上手で知られる華僑の人たちは「時は“命”なり」というそうです。

 これは相手の時間に対しても同じでしょう。

 例えば商談のために1時間作ってもらうのであれば、商談相手の命の中の1時間分を分けてもらっていると考えるのです。

 商談に15分遅れたら相手の命を15分間ムダにしたことになります。

 何の準備もなしに商談をしたら、相手の命はもちろん自分の命も無駄遣いです。

 改めて時間の重要性に意識を向けてみたいですね。

 濃密で意義のある時間を過ごせるかどうかは、商売の成功と共に豊かな人生のためのテーマではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.01.15更新

 人生のたとえ話は色々ありますが、コカ・コーラの元CEOであるブライアン・ダイソンは「人生は5つのボールでする“お手玉”の
ようなもの」と言っています。

 5つのボールとは「仕事」「家庭」「健康」「友情」そして「自分の心」です。

 さらに「仕事はゴムのボール。たとえ落としたとしても、また戻ってくる。

 けれど、あとの4つはガラスのボール。仕事に気を取られて落としたなら、もろくも壊れてしまう」。

 この言葉は、人生におけるバランスの重要性と優先順位について、特に仕事との関係をどう考えるかの参考になります。

 仕事と他のボールとのバランスを取ることで、人生がより豊かになれば、仕事はさらにうまくいくようになるでしょう。

 肝心なのはバランスを取る方法です。

 ひとつは時間の使い方。仕事とプライベートで時間を明確に分け、仕事に集中するのと同じようにプライベートの楽しみにも集中する。

 特に、自分の心のケアに時間を割くことでストレスの解消になります。

 そのため心のバランスを取ることが、これからますます大事になる気がします。

 もうひとつは自分の価値観を見直すこと。自分にとって本当に大切なものは何かを改めて考えてみるのは、商売の重要性を考えることにもつながります。

 商売の目的は人それぞれ。生活のため、自己実現のため、自己成長のため、社会貢献のため、生きることそのもの、何でもありですが、どれも仕事だけでは実現できません。

 仕事はゴムのボールでも、他の4つはもろく壊れやすいガラスのボール。

 商売で成功するには、人生の優先順位を見失わないようにしたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2023.12.15更新

 イギリスのことわざに「馬を水辺に連れて行けても水を飲ませることはできない」があります。

 他人に対してチャンスを与えることはできても、それを実行するかどうかは本人のやる気次第という意味です。

 しかしやる気を高めることは、不可能ではありません。

 例えば、社員にかける言葉を変えるだけで驚くほど効果が上がることもあります。

 その言葉とは「なら」と「しか」。

 この仕事は○○さん「なら」できる。この仕事は○○さん「しか」できない。

 この2つの言葉は相手に信頼感や期待感を与えます。

 言われた人は「自分の能力や責任を認められた」と感じて、やりがいや自信を持ちます。

 また自分だけができる仕事だと思えば、他人に負けたくないという競争心も芽生えます。

 これらの感情は、やる気を高める強力なモチベーターとなるでしょう。

 社員に対して「なら」と「しか」を徹底して使うようにした結果、みるみる業績が回復したというウソのような本当の話があります。

 ほかにも「△△といえば○○さん」も人を動かす強力な言葉です。

 これは相手の専門性や独自性を認めたことになり、言われた人は「自分の特徴や強みをいかせる」と感じて、仕事に情熱や創造性を持つことでしょう。

 このように言葉を変えるだけで人をやる気にさせることができるのです。お金も時間もかかりません。

 ただし相手をよく観察する必要があります。社員の良いところをノートに記している経営者を知っていますが、それには1人につき20個以上の長所や強み、得意なことが書かれていました。

 彼の会社は業績も人材もトップクラス。人をやる気にさせる名人というわけですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2023.11.15更新

 商売において大事な資質とは何でしょうか。

 答えは十人十色だと思いますが「新・経営の神様」の異名を取る稲盛和夫さんは、苦難続きだった実体験をもとに「何事も誠実であれば踏み越えられないこともないし、誠実であれば一目置かれる」というメッセージを若い世代に残しました。

 社会貢献の先駆者でもある稲盛さんの人生が、誠実さと利他主義の二本柱に支えられていたことはご存じの方も多いでしょう。

 「人のため世のためを思い仕事をすること」が経営の原点だと、繰り返し語っていました。

 また日本の将来についても思慮深い洞察を持っていました。

 日本伝統の芸事が持つ「礼」の精神を尊び、経済力よりも品性や礼儀を重んじ、周囲の国々から尊敬される国になることを望んでいました。

 誠実さ、利他心、品性、礼儀。どれも利益に直結したものではありません。

 誠実で利他心にあふれ、品性と礼儀が備わっていても、自社の商品やサービスでお金を生み出す力がなければ、ただの良い人になってしまうかもしれません。

 けれど今はお金を生み出す力が乏しくても、人柄の良い人は周囲から愛されて応援されるでしょう。

 逆に、お金を稼ぐ力はあっても性格の悪い人の行く末は、皆さんが想像するとおりです。

 もちろん何事においてもバランスは大事です。

 しかし5年後、10年後、20年後にどうなっていたいのか、そこを見て商売をしている人は、目先の損得に一喜一憂することより大事なものがあることを、よくお分かりだと思います。

 精神性が上がると、今までと同じ出来事でも見え方や捉え方が変わってくるものです。

 自己成長の目安にしたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2023.10.15更新

 「お金は人間の性格を映し出す鏡だ」と言ったのは「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一です。

 この言葉が示唆するのは「お金は人間の本質を反映する」ということでしょう。

 決してお金のある・なしで良い人になったり悪い人になったりするわけではありません。

 お金はただの道具であり、それをどう使うかは人間の性格や価値観によって決まるものです。

 商売がうまくいっている人には、お金と上手に付き合っているという共通点があるように思います。

 お金に対する価値観、つまりお金に対する感情や思い込み、または信念は人によって違います。

 例えば「お金は悪だ」と思っている人もいれば「お金は喜びだ」と思っている人もいるでしょう。

 「お金は自分に流れてくる」と信じている人もいれば「お金は自分から離れていく」と恐れている人もいるでしょう。

 こうした話にピンとこない人もいると思いますが、思考は現実化するといわれます。

 お金に対する価値観が商売の成果に影響しているとしても、何も不思議ではありません。

 今一度、お金に対する自分の価値観を改めて考えてみましょう。

 お金を楽しく使ったり貯めたり投資したりできる人は、お金とポジティブに向き合っているといえます。

 お金を使うことに罪悪感があったり苦手意識があったり、お金を稼いでいる人に批判的になりがちな人は、お金との向き合い方がネガティブなのかもしれません。

 お金が人間の性格を映し出す鏡だとしたら、自分の性格や価値観を見直すことで、お金に対してポジティブな考え方や姿勢を持つことができそうです。

 キーワードはおそらく「感謝」ではないかと思います。

投稿者: 伯税務会計事務所

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