2020.02.15更新

「新製品の特徴は何ですか?」この質問に対する答えとして、最も相手の興味を引く答えは次のうちどれだと思いますか?

(1)使い勝手の良さです 

(2)それはやはり使い勝手の良さだと思います

(3)今回の商品は使い勝手の良さを重視しており、もちろん機能性も向上しておりますが、お値段は据え置きでご提供させていただいております

 アメリカのある心理学者が学生に行った模擬裁判の実験によると、冗長な話し方の証言より、ひと言で言い切るような短い証言のほうが信頼度が高いという結果でした。

 つまり人間は、短く、ハッキリとした意見をより強く支持するようです。

 先ほどの答えを見ると、どれも「使い勝手の良さ」をアピールしている点では同じでも、肝心なのは訴求力の高さです。

 質問に対して(1)のように素早く、短く、明確に答えると、まずは相手の頭に「使い勝手の良さ」のひと言が刻まれます。

 料理に例えれば、ベースとなる出汁がほどよくしみこんだ状態。

 出汁の効いた料理は一口食べた瞬間に「うまい!」と感じるものです。

 そのうま味につられて相手が料理に興味を示したら、そこからが調理人の本領発揮です。

 具体的な使い勝手の良さ、自慢の機能性、据え置き価格などのアピールを存分に行って料理を堪能してもらいましょう。

 先日、行きつけの飲食店でラーメンを頼んだところ、どうもいつもと味が違う。

 どうやら出汁を入れ忘れたようでした。

 顔見知りなので「まぁいいか」とテーブルにあったしょうゆやコショウを入れてみたけれど、何をどうしてもぼんやりした味のままで最後まで食べた気のしない夕飯となりました。

 冗長な話というのは、出汁を入れ忘れたラーメンにしょうゆなどを入れ続けるようなものでしょう。

 どれだけそれらを入れてもおいしくならないように、長々と話しているうちに何が何だか分からなくなって相手も混乱してしまいます。

より詳しく、より多くアピールしたい気持ちを抑えながら、可能な限りまずは即答して相手の支持を得て、その上で交渉を進める人が商売上手なのではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.01.15更新

 お正月の恒例行事のひとつといえば駅伝でしょう。

 箱根駅伝を見ないと新年になった気がしないという声をよく聞きます。

 箱根駅伝誕生のきっかけを作ったのは「マラソンの父」と呼ばれた日本人初のオリンピック・マラソンランナーの金栗四三(かなくりしそう)氏です。

1912年、金栗氏はオリンピックのストックホルム大会に参加するも結果は惨敗。

 日本の陸上競技の遅れを痛感し「日本のマラソンが強くなるためには長距離やマラソン選手を養成することだ」と考え、選手を一度に養成するために思いついたのが「リレー種目」だったそうです。

 東京高等師範学校の野口源三郎氏、明治大学の学生ランナーの沢田英一氏とともに「将来はアメリカ大陸横断を」という壮大な計画を立て、まず選手の選抜をするために関東の多くの大学と専門学校などに参加を呼びかけて対抗駅伝を行いました。

 コースは東京から箱根までの往復。

 1校10人がたすきをつなぎ、2日間に分けて完走を目指す。これが箱根駅伝の原型となり、翌年の1920年2月14日に記念すべき第1回東京箱根間往復大学駅伝競走が開催されたそうです。

 参加した大学は明治、早稲田、慶應義塾、東京高等師範(現筑波大学)の4校。

 第1回の復路と総合優勝は東京高等師範学校。往路を制したのは7時間30分36秒の明治大学でした。

 結局、金栗氏たちのアメリカ大陸横断計画は実現しなかったそうです。

 しかし、マラソン普及に心血を注いだその思いは、箱根駅伝という形で今に受け継がれているのだと思います。

 金栗氏の情熱。母校の名誉。仲間への感謝。自分へのエール。

 金栗氏が手渡したたすきに込めた思いは計り知れません。

 「今までは商売をマラソンに例えていたけど、これからは駅伝でいきたい」と言った知人がいます。30代で起業して、商売という長い道のりを一人、黙々と走り続けてきた彼は、70歳を目前にした今、これからは次の世代に何を残していけるかを考えて商売をしたいそうです。

 何をやるかより、どうやるか。

 思いを込めた見えないたすきを手渡すために残りの人生をかけるそうです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.12.15更新

 人間の脳細胞の数は生後をピークにあとは徐々に減っていく――。

 ひと昔前まではこういわれていましたが、近年の研究では人間の脳にある神経細胞は、日々増減を繰り返していることが分かってきたそうです。

 脳は非常に可塑性の高い器官で、私たちの脳は毎日、新しく起こる環境の変化に対応しています。

 例えば、仕事で新しいプロジェクトを達成したとします。

 その過程では、新しい仕事に意欲を持って取り組み、情報収集や調査によって知識をインプットして、蓄積してきた知識をアウトプットします。

 時にはチームの仲間と議論を交わし、自分の判断基準を見直したり新しい価値観に触れたりして刺激を受け、プロジェクトが完了すると達成感と共に満足感や充実感を得るでしょう。

 私たちの脳内では、こうした行動を通じて常に神経細胞が生まれたり、記憶の回路が新しく組み変わったりしているようです。

 少し専門的な話になりますが「クリスタルインテリジェンス」と呼ばれる脳の結晶性知能と「白質」と呼ばれる統括的知能は40歳ぐらいから伸びると考えられており、この2つが俗にいう本当の意味での知恵や頭の良さや知能の高さに関わるのではないかといわれています。

 単純な記憶力は17~18歳をピークに年々低下していくものの、脳には逆に年齢を重ねることで成長する部分があるのです。

 チャレンジや失敗を恐れず一生懸命に知恵を絞って商売をしてきた人は、数字として表れない部分でも、しっかりと積み上げてきたものがあるのです。

 AIやロボットの浸透は加速度を増していき、色々な局面で今までの常識が通用しなくなっています。

 時代や環境のせいにしたくなることもありますが、そんなときは脳の可塑性を思い出してください。

 あなたが「ついていけないよ~」と弱音を吐きそうになっても、脳には変化に対応する性質があります。

 仕事を楽しみ、充実感を得ることで脳は成長するのです。

 変化を恐れず、新しい経験ができることに喜びを感じ、感謝と共にある商売をこれからも続けていきたいですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.11.15更新

 「人生でいちばん無駄なこと」は何だと思いますか。

 「○○すること」の○○を考えてみてください。

 ある人は「執着すること」だと答えました。

 「競争すること」と言った人もいます。

 どちらも一理あると思いますが、心理学的にいう「人生でいちばん無駄なこと」は「比較すること」だそうです。

 実際、私たちは何かにつけて比較しています。

 人の持ち物と自分の持ち物。

 人の意見と自分の意見。

 人の幸せと自分の幸せ。

 つまり「他人」と「自分」を比べているわけです。

 なぜ比較することが無駄なのか。

 それは、他人と自分を比較すると自分の感情が揺れるからです。

 何かを比較するとき、私たちは無意識のうちに優劣をつけています。

 それだけでなく、自分が決めた優劣で安心したり落ち込んだりします。

 けれど、比べる相手が代われば安心が心配になったり、今まで良いと思っていたことが揺らいだりするのは皆さんも体験的にご存じでしょう。

 つまり、他人と比べて手に入れた(と思っている)安心や成功や幸せは、とても不安定なのです。

 商売において不安定な要素はできるだけなくしたいと思っているのに、そう考えている自分自身がいちばん不安定な要素だというのは皮肉なものです。

 周りに気を取られ、他人を気にしすぎている状況は、主導権を他人に渡しているのと同じことです。

 商売に集中しているつもりが、実は大事な商売の主導権を他人に渡しているとしたらどうでしょう。

 禅の教えに「明珠在掌(みょうじゅたなごころにあり)」という言葉があります。

 「明珠」とは光り輝いている玉のこと。計り知れないほど価値がある宝物のたとえです。

 「在掌」とは「その手の中にある」ということ。

 つまり「かけがえのない宝物はすでにあなたの手の中にありますよ」という意味です。

 成功や幸せを考えるとき、私たちはつい「他人の手の中」を見てしまいがちです。

 でも、無駄な時間を過ごしたくなければ「自分の手の中」を見ることです。

 自分が本当にやりたいことは何か。

 それが周囲と調和していれば、商売はおのずと良い流れに乗っていくのではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.10.15更新

 優れた経営者の中には、ひそかに茶道の心得のある人が少なくないと聞きます。

 400年以上も続く究極のおもてなしの心として世界にも知られている茶道。

 その本質は、亭主(主催する人)が一期一会の精神で正客をおもてなしすることです。

 茶道の世界観に経営者としての道を求めるのは、ごく自然なことかもしれません。

 茶道の創始者ともいえる千利休が説いた茶道の在り方に「利休七則」があります。

 一則、茶は服のよきように点(た)て(相手の状況や気持ちを考えながら心を込めて茶を点て) 

 二則、炭は湯のわくように置き(的確に誠実に準備を行い)

 三則、夏は涼しく冬は暖かに(相手が心地良いと感じるようにもてなし)

 四則、花は野にあるように(本質を見極め) 

 五則、刻限は早めに(心にゆとりを持ち) 

 六則、降らずとも雨の用意(万全に備え) 

 七則、相客に心せよ(お互いを尊重しあう)つまり利休七則とは人をもてなすときの心得です。

 今さらと思った人もいるでしょうか。

 まさにそんな逸話があります。

 ある日、弟子が茶の湯の極意を求めてきたので、千利休はこの七則で答えたそうです。

 すると弟子は「それくらいのことなら私もよく知っています」と言ったそうですが、それに対して千利休は「七則ができるなら、私はあなたの弟子になりましょう」と返したそうです。

 日本人は古来より「和の心」を大切にしてきました。

 けれど「相手のため」や「尊重しあう」といったことは、ただ自分を相手に合わせていればいいというものではありません。

 例えば、炊きたての白いご飯、おみそ汁、お漬け物の組み合わせはシンプルにしてある意味、最高のごちそうです。

 とはいえ、この3つを全て混ぜてしまったら、それぞれの味も組み合わせのバランスも台無しです。

 ご飯はお茶わんに、おみそ汁はおわんに、お漬け物は小鉢に入れて、それぞれの器がひとつのお膳に収まってこその「ごちそう」です。大上段に構えなくても、身の回りに今すぐできる小さなことはありませんか。

 商売は「シンプルなごちそう」でありたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.09.15更新

 私たちは色々な選択をしながら生きています。

 何時に起きて、何を食べて、どこで、誰と、何をするか。

 歯を磨くという日課も習慣化された無意識の選択です。

 そうした選択のひとつひとつがすべて商売の礎(いしずえ)となっていることを、今日は少しだけ真剣に考えてみませんか。

 例えば、ある家族を想像してください。

 朝から子どもが大騒ぎ。妻はイライラして夫であるあなたにも八つ当たり。

 気分良く目が覚めたのに一気にテンションが下がりました。

 そこであなたは、どんよりした気分を引きずったまま暗い声で「行ってくるよ」と家を出ることもできます。

 もしくは気分を切り替えて「行ってらっしゃい!」と元気良く子どもを学校に送り出した後に、妻にも「行ってくるよ!」と明るく声をかけることもできます。

 どんな態度で家族に接してもあなたの自由です。

 笑ってもいいし、怒ってもいい。

 やってもいいし、やらなくてもいい。

 感じ良く振る舞ってもいいし、不機嫌さをまき散らしてもいい。

 面倒臭いからと後回しにしてもいいし、今やっておくと楽だからと多少無理をしてもいい。

 相手に反撃してもいいし、自分が引くことで丸く収めてもいい。

 人を悪く言ってもいいし、お互いさまだからと許してもいい。

 自分を貫く「イエス」でも、自分を曲げる「ノー」でも、あなたはどちらも選べます。

 裏を返せば、あなたの態度はあなたが自分で選んだ結果なのです。

 人に優しくありたいと思いながら嫌みな態度になってしまうのは、自分で「嫌みな態度」を選んでいるからです。

 選択は常に4つあります。

 自分にも周りにも良い選択。

 自分にも周りにも良くない選択。

 自分には良くても周りには良くない選択。

 自分には良くないけれど周りには良い選択。

 どれを選んでも自由ですが、どの選択が一番良いか、あなたはちゃんと分かっています。

 楽しく商売したいなら商売が楽しくなる考え方を選びたいものですし、お客さまに喜んでほしいなら「ありがとう!」と言われる態度を選びたいものです。

 「選択が変われば人生は変わる。人生が変われば商売も変わる」。

 ひとつひとつ大切に選んでいきたいですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.08.15更新

 その会社にいつもやってくる宅配便の青年は、女性社員たちのアイドル的存在だといいます。

 青年が「こんにちは!○○急便です」と会社のドアを開けるとオフィスにいる女性社員たちが寄ってきて、あれこれ青年に話しかけるのだそうです。

 そして夏なら冷たい飲み物を、冬なら温かい飲み物をすすめ、お茶の時間用にと用意してあるお菓子を持たせてあげるのだとか。

 この様子を見ていた男性営業マンが「別にカッコイイわけでもないのに、なんで彼ばっかりモテるのかねぇ」とすねてみせると、1人の女性社員はこう言ったそうです。

 「あんなにニコニコされたら、もっと喜ぶ顔が見たいって思うじゃない」。

 お釈迦(しゃか)様の教えのひとつに「布施行」があります。

 施しをして、執着を捨て、こだわりを減らしましょうということだそうです。

 お布施と聞くと、お金や財物を施す「財施」を思い浮かべる人が多いように思いますが、だとしたらお金や財産がない人はお布施ができないのでしょうか。

 もちろんそうではなく、誰でも、いつでも、その場で、簡単にできるお布施があります。

 お釈迦様はそれを「和顔施(わがんせ)」、または「顔施(がんせ)」と言っています。

 和顔施は仏教用語の「無財の七施(むざいのしちせ)」のひとつで、人に対して笑顔で優しく接することです。

 いつもニコニコしていれば、それだけで施しになるようです。

 宅配便の青年が多くの人から愛されているのは、自然と和顔施をしていたからなのでしょう。

 商売をうまく軌道に乗せたいならば、今すぐニコニコしてみましょう。

 和やかな笑顔で人に接していれば、きっと周りの人を幸せにできます。

 うれしいことや楽しいことがあったら素直に顔や態度に出して、できれば相手の幸せも笑顔で一緒に喜びたいものです。

 悲しいことや辛いことが起きても、とりあえず鏡の前でニコニコの練習をしてみる。

 お客さまのために、従業員のために、会社のために、あなたが今すぐできることが和顔施なのです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.07.15更新

 ある製品の売り上げがガタ落ちしたので急いで直近の顧客アンケートを見直したところ、なんと8割もの人が「満足」「とても満足」と答えていた――。

 まるでホラー映画のような現象が実際に起こっています。

 これは、お客さまに悪意があったわけではなく、質問の仕方を工夫する必要があったのだと思います。

A:「あなたは、この製品(サービス)に満足しましたか?」

B:「あなたは、この製品(サービス)を友人や同僚に勧めたいと思いますか?」

 一見すると似たような質問で、どちらも顧客のニーズを問うことに変わりはありませんが、実は質問から得られる結果に大きな違いがあります。

 Aは「顧客満足度」を調べるための典型的な質問で、いわゆる「CS」と呼ばれる手法です。

 対するBは「顧客推奨度」を調べるための質問で「NPS(ネット・プロモーター・スコア)」と呼ばれる手法です。

 NPSとは、企業やブランド(製品・サービス)に対する顧客の信頼度・愛着度(顧客ロイヤルティー)を数値化する指標のこと。

 測定方法はシンプルで、顧客は「勧めたいですか?」という質問に0~10点の11段階評価で答えます。

 9~10点は満足度も再購入率も高く、他者にも勧めたいという「推奨者」。

 7~8点はそれなりに満足しているけれど他人に勧めるほどでもない「中立者」。

 0~6点は製品やサービスに不満を持っていて、悪評を広める可能性もある「批判者」。

 推奨者の割合から批判者の割合を引いた値がNPSの数値となります。

 要するに「他者への推奨度」を点数で評価するので、これまで数値化が難しいとされていた、製品やサービスに対する「愛着度」を見える化できることが大きな特徴です。

 CSが過去から現時点での満足度評価なのに比べ、NPSは「勧めたいと思いますか?」という未来の予測行動を点数化します。

 そのため今後の売り上げや成長率に直結すると考えられ、近年はNPSを導入する企業が増えています。

 「顧客の言葉を信用するな」とは言いません。

 「顧客の本音が拾える問いかけ」も先を読む商売のコツというわけです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.06.15更新

 東京スカイツリーのオープンから7年が経ちました。

 昭和を代表する東京タワーに比べて近未来を感じさせる東京スカイツリーのカラーデザインは、日本の伝統色である「藍白(あいじろ)」をベースにしたオリジナルカラーの「スカイツリーホワイト」です。

 藍白とは、藍染めの際に最初の過程で現れる極めて薄い藍色のこと。

 ほとんど白に近い色味ながら純白よりわずかに青みがかった白で、別名「白殺し」と呼ばれるそうです。

 白磁のような白いタワーは青い空に映え、東京タワーとは異なった趣きを放っています。

 日本特有の文化や四季折々の生活の中で育まれてきた伝統色は1000色あまりといわれ現在、再現できる色だけでも300色以上あるそうです。

 しかも一色一色すべてに名前があり、その多くが植物の色に起因しているのは、日本ならではの四季の移り変わりによるものでしょう。

 例えば、東京スカイツリーのロゴマークにも使われている「刈安(かりやす)色」の「刈安」とは、山野に自生するススキに似た植物です。

 刈り取りが簡単だったのでこの名が付いたそうです。

 その刈安を使って染めた、やや緑がかった淡い黄色を刈安色と呼びますが、今では「薄い黄色」などと大雑把な表現をされています。

 トキの羽の色に似た薄いオレンジがかった桃色には「朱鷺(とき)色」という美しい名前が付いています。

 しかし、トキが絶滅種であるように朱鷺色も絶滅状態で、今や「ピンク色」が一般的となりました。

 価値の多様化、価値の最大化などといわれ、いかに違いを出すかに誰もが躍起になっています。

 商売も「違い」の競い合い。「少しの違い」を「大きな違い」に見せるための演出が派手になる一方で、肝心の商売の中身が大雑把になってはいないでしょうか。

 日本人はもともと四季に移ろう色彩を生活に取り入れ、ほんのわずかに明度が違う色を敏感に見分ける力を持っていました。

 自分も同業者も、商売の色は一見「黄色」に見えたとしても実は、菜の花色、レモン色、山吹色と黄色にも色々あります。

 その微妙な色合いの違いが、それぞれの商売の価値を最大化するヒントかもしれませんね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.05.15更新

 ぬくぬくとした日だまり。心がとろけそうになるやわらかな風。

 あたりの緑は色濃くなり、いっせいに花が咲き始める。

 春は、四季のある国に暮らす喜びを全身で感じられる季節です。

 陰陽五行で春の色といえば「青」。

 これが「青春」の語源だとされています。

 俳句の世界では、春先の野原で青草を踏んで遊ぶことを「青き踏む」、または「踏青(とうせい)」といいます。

 もとは古代中国の行事に由来する言葉で、旧暦3月に青草がもえる中でうたげをする春の恒例行事だったそうです。

 ところで、春から夏に向かう頃になるとイソップ童話の『北風と太陽』を思い出すという知人がいます。

 旅人の外套(がいとう)を脱がせるために北風と太陽が勝負をするお話です。

 北風は思い切り寒い風を吹かせて旅人の外套を吹き飛ばそうとしますが、風が吹けば吹くほど旅人は外套の前をしっかり押さえます。

 一方の太陽は、暖かな日差しを旅人に浴びせ続けました。

 するとそのうち旅人は暑くなり、自ら外套を脱ぎました。

 勝負は太陽の勝ちです。

 乱暴なやり方ではうまくいかない。

 優しい言葉をかけたり温かい態度を示したりすると、人は自分から行動する。

 一般的な教訓では、こうして北風が悪者になっています。

 ところが、実は2回勝負したという説もあるようです。

 まずは旅人の帽子を脱がせる勝負をしました。

 太陽が燦々(さんさん)と旅人を照らすと、あまりのまぶしさに旅人は帽子をしっかりかぶってしまいます。

 次に北風が力一杯に風を起こすと、旅人の帽子はいとも簡単に吹き飛んでいきました。

 勝負は北風の勝ちです。

 そこでもうひと勝負というわけで、外套を脱がせる2回戦が始まったのだとか。

 このストーリー教訓は「何事にも適切なやり方というものがあり、一方でうまくいっても他方でうまくいくとは限らない」というものです。

 押してもダメなら引いてみる。

 商売の信念がコロコロ変わってはなりませんが、商売のやり方や考え方はひとつではないでしょう。

 煮詰まったときは昔の人にならって「青き踏む」を楽しみ、一度しか巡って来ないこの春を喜びと共に過ごしたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

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