2020.07.15更新

 僧侶であり歌人でもあった良寛は「老い」と白髪を結びつけた歌を多く残しました。

「白雪は降ればかつ消ぬしかはあれど頭に降れば消えずぞありける」は、自らの老いを自覚した良寛が「白雪は降るそばから消えてしまうが、髪の毛に降った白いものは消えてくれないことよ」と詠嘆した一句です。

 良寛でなくとも「髪の毛に降った白いもの」は嫌でも老いを感じさせます。

 年齢を考えれば自然なことでも、鏡を見るたびに「また増えたかも・・・」と気になります。

 仕方ないと思いつつも気になってしまうのは白髪ばかりではありません。

 例えば人のクセ。

 特に同じ屋根の下で暮らす夫婦の場合、仲が良いときは黙って見逃せる相手のクセが、ひとたび雲行きが怪しくなると途端に気に障るようになり、つい相手を責めるような物言いをしてしまうことはありませんか?

 髪の毛に降った白いものが消えないように、人の性格もそうそう変わりません。

 アンチエイジングもこだわりすぎれば息苦しくなり、人のことも「こうあるべき」と言い出したら人間関係がぎくしゃくします。

 冒頭の歌は、良寛が自分の老いを自覚して詠んだと書きましたが、良寛は白髪自体を嘆いたのではありません。

 自分の白髪頭に苦笑して、老いを笑い飛ばしているのだと思います。

 このご時世、気になることは山ほどあるでしょう。

 けれど「白髪を気にして抜くと白髪が増える」と言われるように、心配事を数え始めたら、心配が心配を呼んで不安ばかりが大きくなってしまいそうです。

 自分のことも人のことも、商売の先行きも、肝心なのは気にしすぎないことではないでしょうか。

 答えのないことを考え続けても、いたずらに時間が過ぎていくだけです。

 自然の摂理を詠んだ良寛の句に「花無心にして蝶を招き、蝶無心にして花を尋ぬ」があります。

 花は無心で咲き、蝶も無心で花を尋ねる。仕事も同じく、無心でする仕事こそが美しく、長続きして、世のためになるという意味です。

 心は熱く、頭は冷静に、今できることに集中して、今日も心穏やかにいきたいですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.06.15更新

 紫陽花(アジサイ)の季節になりました。

 あっという間に世界が変わり、新たな価値観に塗り替わっていく様子を目の当たりにしていると「七変化」と呼ばれる紫陽花の、花の色の移り変わりに今年は一層、目を奪われます。

 世の中が騒がしくても季節は巡り、今年も美しい花を咲かせてくれる自然のありがたみが身にしみる日々。

 花には癒し効果があるとされます。

 指先の心拍変動性と気分プロフィール検査というもので実験したところ、実際に花がストレスを緩和してリラックス効果を高めることが明らかになったそうです。

 能の大成者である世阿弥は、著書『風姿花伝(ふうしかでん)』で、観客に感動を与える力を「花」にたとえています。

 若い演者は美しい声と姿をもつが、それは「時分(じぶん)の花」に過ぎず、いずれ失われていく。

 しかし工夫を重ねて精進すれば、やがては能の奥義である「真(まこと)の花」が現れ、それは決して失われることはない――。

 「時分の花」とは、若さによって現れる芸以前の一時的な面白さ。

 「真の花」とは、稽古と工夫を究めた本当の芸のうまさ。

 その間に咲くのが「工夫の花」です。

 「時分の花」に慢心して努力を怠ると、花はすぐに色あせます。

 人は人生の大半を「工夫の花」として過ごしていくのでしょう。

 「少年よ大志を抱け」で知られたクラーク博士の全文は「少年よ大志を抱け。金や私欲のためではなく、名声などと呼ばれる空しいものでもなく、人間として当然持つべきもののために大志を抱け」とされています。

 皆さんの心に宿る少年は、どんな大志を抱いているでしょうか。

 その大志は、咲く時期を待っている「真の花」と重なるように思います。

 「ピンチはチャンス」という聞き飽きた言葉が今、これほど心に響く理由を改めて考えてみるときかもしれません。

 ちなみに、紫陽花の代表的な花言葉は「移り気」でしたが、最近は「辛抱強い愛」「家族の結びつき」なども広がっているようです。

 辛抱強く、助け合って、ピンチをチャンスに変えていきたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.05.15更新

 460年前のちょうど今頃、日本の歴史を動かすドラマチックな合戦が起こりました。

 織田信長が、兵力差約10倍の今川軍を奇襲戦法で打ち破った桶狭間の戦いです。

 勝利の決め手は信長が見せた驚異の決断力でしょう。

 リーダーの最大の仕事は「決断」に尽きるといわれます。

 優れたリーダーほど決断が早いともいわれます。

 三英傑の信長、秀吉、家康は三者三様でも、決断力に長けている点は共通しています。

 経営者もしかり。経営は決断の連続です。

 商売をしていれば決断を迫られる場面が多々あります。

 決断ひとつが会社の将来を左右しかねませんし、タイミングを逃すと決断の意味がなくなってしまうこともあります。

 新型コロナウイルスの影響で、前例のない選択決断を求められている経営者が少なくないようです。

 熊本市長がツイートした「コロナのバカ―――っ!(泣)」も他人事ではありません。

 今までは過去の事例を参考に、その延長線上で考えることもできましたが、前例通りにやっても間に合わない事態が起こることもあります。

 そんな状況で思うのは「日頃から何を大事にしているか」が問われているのではないかということです。

 商売に限らずとも、何かを決めるときは自分なりの大事にしているものがあるでしょう。カッコよく言えば哲学です。

 素早く決断できる人は、哲学を持ってゆるぎない気持ちで物事に取り組んでいるのだろうと想像します。

 決断には正解がありません。これでいいのか悪いのか、いくら考えても分かりません。

 であればシンプルに、自分の哲学を最優先して、最速で決断するのはトップの役割といえそうです。

 商売で、人生で、あなたが大事にしている哲学は何ですか?

 旅人が北極星をガイドにして道なき道を行くように、自分の哲学を北極星にして「哲学に合う・合わない」とシンプルに判断する。

 この訓練を積むことで、いざというときにも素早い決断ができるのではないかと思います。

 大きな決断の経験は人を成長させます。人間万事塞翁が馬。今、ひとつの決断で逆境が好機となるかもしれません。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.04.15更新

 「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」。

 これは発明家トーマス・エジソンの有名な言葉です。

 コップに水が半分入っているとき「まだ半分もある」と考えるか「もう半分しかない」と考えるかという「コップの水理論」も有名です。

 どちらにも共通しているのは、物事は捉え方によって意味合いが変わるということ。

 つまり、プラス思考かマイナス思考か。ポジティブかネガティブか――。

 このような話はよくご存じだと思います。

 でも、実際はどうなのか。

 そこで、あるユニークな実験結果をご紹介しましょう。

 実験によれば、ひとつのグループを半分に分け、片方は物事をポジティブに捉えるように誘導し、もう片方は常にネガティブな捉え方をするように誘導したそうです。

 こうして「ポジティブ」「ネガティブ」のベースを作った上で、少し遠い場所の喫茶店まで歩いて行ってもらいました。

 実験のキモはここからです。

 喫茶店までの途中、道にお札(お金)を置いておくという仕掛けをしたところ、ネガティブグループはほとんどの人がお札を見逃したのに対して、ポジティブグループの人は、ほぼ全員がお札に気付いたというのです。

 ポジティブな人は自然と運が良くなるのでしょうか。

 ネガティブな人はチャンスに気付けないのでしょうか。

 事の真相は分かりません。

 けれど、物事の捉え方と出来事に相関関係があるのは確かなようです。

 心理学者リチャード・ワイズマンが行った「運・不運」の実験によれば、運がいい人には「自分は運がいいから、いつかチャンスがめぐってくる」と考えて行動する共通点があるそうです。

 良い結果が出たら「自分は運がいい」と感じて、ますます「運がいい自分」を信じるようになる。

 失敗しても「運がいいからこの程度で済んだ」と考えるそうです。

 とはいえ、無理やりのポジティブはかえってストレスになりかねません。

 日頃からできるだけ物事の良い面に目を向けるように心掛けて、お札に気付く側になりたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.03.15更新

 ネット環境の普及は、商売における既存の競争ルールを根底から変えてしまうようなビジネスモデルを生み出しています。

 例えば、モノを持たないという価値観に共感する人が増え、消費者の行動は「所有」から「レンタル」、さらには定額制サービスの「サブスクリプション」へと変化しているといわれます。

 かつて車は「買う」ものでしたが、必要なときだけレンタカーを「借りる」ことができるようになり、今では「定額サービスで毎年、新しい車に乗る」という選択肢もあります。

 つまり、これまでと同じ製品やサービスでも、提供方法を変えることで新たな価値を生み出しているのです。

 それだけ消費者の価値観が多様化しているのでしょう。

 非常識な発想で差別化をはかることはできますが、奇をてらった突拍子もない「非常識」よりも、常識を疑って新たな価値を創出する「破常識」な視点のほうが、多様性の時代にはマッチしているように思います。

 こんなことを考えるようになったのは、ある主婦の話がきっかけでした。

 食品はできるだけ新しい日付を選んで買う。

 これは主婦の知恵であり、一種の常識ともいえます。

 ところがその人は、今日明日のうちに食べるものなら古い日付を選んで買うと言います。

 「新しい日付から買えば残り期間の少ないものが取り残されて、いずれは期限切れで廃棄処分される。古い日付から買えば処分品が減るかもしれないし、次の人は新しいのを買える」。

 彼女の考え方に目の覚める思いでした。

 日々の何気ない行動を振り返ってみたら「そのやり方じゃなくてもいいのでは?」と思うことがいくつかあり、そのひとつが古い日付を選んで買うことだったそうです。

 古い日付といっても1日か2日。

 それを買うくらいで大げさなと思うかもしれませんが、あえて古い日付を選んで買う理由に、その人なりの新たな価値の創出を感じたのです。

 常識を疑う背景には、個人の発意や情熱、勇気ある決断といった「内側の発想」があります。

 多様性の時代の商売は、内側の発想に共鳴してもらえることが不可欠ではないかと思うのです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.02.15更新

「新製品の特徴は何ですか?」この質問に対する答えとして、最も相手の興味を引く答えは次のうちどれだと思いますか?

(1)使い勝手の良さです 

(2)それはやはり使い勝手の良さだと思います

(3)今回の商品は使い勝手の良さを重視しており、もちろん機能性も向上しておりますが、お値段は据え置きでご提供させていただいております

 アメリカのある心理学者が学生に行った模擬裁判の実験によると、冗長な話し方の証言より、ひと言で言い切るような短い証言のほうが信頼度が高いという結果でした。

 つまり人間は、短く、ハッキリとした意見をより強く支持するようです。

 先ほどの答えを見ると、どれも「使い勝手の良さ」をアピールしている点では同じでも、肝心なのは訴求力の高さです。

 質問に対して(1)のように素早く、短く、明確に答えると、まずは相手の頭に「使い勝手の良さ」のひと言が刻まれます。

 料理に例えれば、ベースとなる出汁がほどよくしみこんだ状態。

 出汁の効いた料理は一口食べた瞬間に「うまい!」と感じるものです。

 そのうま味につられて相手が料理に興味を示したら、そこからが調理人の本領発揮です。

 具体的な使い勝手の良さ、自慢の機能性、据え置き価格などのアピールを存分に行って料理を堪能してもらいましょう。

 先日、行きつけの飲食店でラーメンを頼んだところ、どうもいつもと味が違う。

 どうやら出汁を入れ忘れたようでした。

 顔見知りなので「まぁいいか」とテーブルにあったしょうゆやコショウを入れてみたけれど、何をどうしてもぼんやりした味のままで最後まで食べた気のしない夕飯となりました。

 冗長な話というのは、出汁を入れ忘れたラーメンにしょうゆなどを入れ続けるようなものでしょう。

 どれだけそれらを入れてもおいしくならないように、長々と話しているうちに何が何だか分からなくなって相手も混乱してしまいます。

より詳しく、より多くアピールしたい気持ちを抑えながら、可能な限りまずは即答して相手の支持を得て、その上で交渉を進める人が商売上手なのではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2020.01.15更新

 お正月の恒例行事のひとつといえば駅伝でしょう。

 箱根駅伝を見ないと新年になった気がしないという声をよく聞きます。

 箱根駅伝誕生のきっかけを作ったのは「マラソンの父」と呼ばれた日本人初のオリンピック・マラソンランナーの金栗四三(かなくりしそう)氏です。

1912年、金栗氏はオリンピックのストックホルム大会に参加するも結果は惨敗。

 日本の陸上競技の遅れを痛感し「日本のマラソンが強くなるためには長距離やマラソン選手を養成することだ」と考え、選手を一度に養成するために思いついたのが「リレー種目」だったそうです。

 東京高等師範学校の野口源三郎氏、明治大学の学生ランナーの沢田英一氏とともに「将来はアメリカ大陸横断を」という壮大な計画を立て、まず選手の選抜をするために関東の多くの大学と専門学校などに参加を呼びかけて対抗駅伝を行いました。

 コースは東京から箱根までの往復。

 1校10人がたすきをつなぎ、2日間に分けて完走を目指す。これが箱根駅伝の原型となり、翌年の1920年2月14日に記念すべき第1回東京箱根間往復大学駅伝競走が開催されたそうです。

 参加した大学は明治、早稲田、慶應義塾、東京高等師範(現筑波大学)の4校。

 第1回の復路と総合優勝は東京高等師範学校。往路を制したのは7時間30分36秒の明治大学でした。

 結局、金栗氏たちのアメリカ大陸横断計画は実現しなかったそうです。

 しかし、マラソン普及に心血を注いだその思いは、箱根駅伝という形で今に受け継がれているのだと思います。

 金栗氏の情熱。母校の名誉。仲間への感謝。自分へのエール。

 金栗氏が手渡したたすきに込めた思いは計り知れません。

 「今までは商売をマラソンに例えていたけど、これからは駅伝でいきたい」と言った知人がいます。30代で起業して、商売という長い道のりを一人、黙々と走り続けてきた彼は、70歳を目前にした今、これからは次の世代に何を残していけるかを考えて商売をしたいそうです。

 何をやるかより、どうやるか。

 思いを込めた見えないたすきを手渡すために残りの人生をかけるそうです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.12.15更新

 人間の脳細胞の数は生後をピークにあとは徐々に減っていく――。

 ひと昔前まではこういわれていましたが、近年の研究では人間の脳にある神経細胞は、日々増減を繰り返していることが分かってきたそうです。

 脳は非常に可塑性の高い器官で、私たちの脳は毎日、新しく起こる環境の変化に対応しています。

 例えば、仕事で新しいプロジェクトを達成したとします。

 その過程では、新しい仕事に意欲を持って取り組み、情報収集や調査によって知識をインプットして、蓄積してきた知識をアウトプットします。

 時にはチームの仲間と議論を交わし、自分の判断基準を見直したり新しい価値観に触れたりして刺激を受け、プロジェクトが完了すると達成感と共に満足感や充実感を得るでしょう。

 私たちの脳内では、こうした行動を通じて常に神経細胞が生まれたり、記憶の回路が新しく組み変わったりしているようです。

 少し専門的な話になりますが「クリスタルインテリジェンス」と呼ばれる脳の結晶性知能と「白質」と呼ばれる統括的知能は40歳ぐらいから伸びると考えられており、この2つが俗にいう本当の意味での知恵や頭の良さや知能の高さに関わるのではないかといわれています。

 単純な記憶力は17~18歳をピークに年々低下していくものの、脳には逆に年齢を重ねることで成長する部分があるのです。

 チャレンジや失敗を恐れず一生懸命に知恵を絞って商売をしてきた人は、数字として表れない部分でも、しっかりと積み上げてきたものがあるのです。

 AIやロボットの浸透は加速度を増していき、色々な局面で今までの常識が通用しなくなっています。

 時代や環境のせいにしたくなることもありますが、そんなときは脳の可塑性を思い出してください。

 あなたが「ついていけないよ~」と弱音を吐きそうになっても、脳には変化に対応する性質があります。

 仕事を楽しみ、充実感を得ることで脳は成長するのです。

 変化を恐れず、新しい経験ができることに喜びを感じ、感謝と共にある商売をこれからも続けていきたいですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.11.15更新

 「人生でいちばん無駄なこと」は何だと思いますか。

 「○○すること」の○○を考えてみてください。

 ある人は「執着すること」だと答えました。

 「競争すること」と言った人もいます。

 どちらも一理あると思いますが、心理学的にいう「人生でいちばん無駄なこと」は「比較すること」だそうです。

 実際、私たちは何かにつけて比較しています。

 人の持ち物と自分の持ち物。

 人の意見と自分の意見。

 人の幸せと自分の幸せ。

 つまり「他人」と「自分」を比べているわけです。

 なぜ比較することが無駄なのか。

 それは、他人と自分を比較すると自分の感情が揺れるからです。

 何かを比較するとき、私たちは無意識のうちに優劣をつけています。

 それだけでなく、自分が決めた優劣で安心したり落ち込んだりします。

 けれど、比べる相手が代われば安心が心配になったり、今まで良いと思っていたことが揺らいだりするのは皆さんも体験的にご存じでしょう。

 つまり、他人と比べて手に入れた(と思っている)安心や成功や幸せは、とても不安定なのです。

 商売において不安定な要素はできるだけなくしたいと思っているのに、そう考えている自分自身がいちばん不安定な要素だというのは皮肉なものです。

 周りに気を取られ、他人を気にしすぎている状況は、主導権を他人に渡しているのと同じことです。

 商売に集中しているつもりが、実は大事な商売の主導権を他人に渡しているとしたらどうでしょう。

 禅の教えに「明珠在掌(みょうじゅたなごころにあり)」という言葉があります。

 「明珠」とは光り輝いている玉のこと。計り知れないほど価値がある宝物のたとえです。

 「在掌」とは「その手の中にある」ということ。

 つまり「かけがえのない宝物はすでにあなたの手の中にありますよ」という意味です。

 成功や幸せを考えるとき、私たちはつい「他人の手の中」を見てしまいがちです。

 でも、無駄な時間を過ごしたくなければ「自分の手の中」を見ることです。

 自分が本当にやりたいことは何か。

 それが周囲と調和していれば、商売はおのずと良い流れに乗っていくのではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2019.10.15更新

 優れた経営者の中には、ひそかに茶道の心得のある人が少なくないと聞きます。

 400年以上も続く究極のおもてなしの心として世界にも知られている茶道。

 その本質は、亭主(主催する人)が一期一会の精神で正客をおもてなしすることです。

 茶道の世界観に経営者としての道を求めるのは、ごく自然なことかもしれません。

 茶道の創始者ともいえる千利休が説いた茶道の在り方に「利休七則」があります。

 一則、茶は服のよきように点(た)て(相手の状況や気持ちを考えながら心を込めて茶を点て) 

 二則、炭は湯のわくように置き(的確に誠実に準備を行い)

 三則、夏は涼しく冬は暖かに(相手が心地良いと感じるようにもてなし)

 四則、花は野にあるように(本質を見極め) 

 五則、刻限は早めに(心にゆとりを持ち) 

 六則、降らずとも雨の用意(万全に備え) 

 七則、相客に心せよ(お互いを尊重しあう)つまり利休七則とは人をもてなすときの心得です。

 今さらと思った人もいるでしょうか。

 まさにそんな逸話があります。

 ある日、弟子が茶の湯の極意を求めてきたので、千利休はこの七則で答えたそうです。

 すると弟子は「それくらいのことなら私もよく知っています」と言ったそうですが、それに対して千利休は「七則ができるなら、私はあなたの弟子になりましょう」と返したそうです。

 日本人は古来より「和の心」を大切にしてきました。

 けれど「相手のため」や「尊重しあう」といったことは、ただ自分を相手に合わせていればいいというものではありません。

 例えば、炊きたての白いご飯、おみそ汁、お漬け物の組み合わせはシンプルにしてある意味、最高のごちそうです。

 とはいえ、この3つを全て混ぜてしまったら、それぞれの味も組み合わせのバランスも台無しです。

 ご飯はお茶わんに、おみそ汁はおわんに、お漬け物は小鉢に入れて、それぞれの器がひとつのお膳に収まってこその「ごちそう」です。大上段に構えなくても、身の回りに今すぐできる小さなことはありませんか。

 商売は「シンプルなごちそう」でありたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

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