2014.08.15更新

 経済は感情で動くといわれます。また、世界情勢も感情で動くといわれます。なぜなら人が感情で動くからです。

 商売にもやはり感情が入り込みます。例えば同じ失敗をしても許される人と責められる人がいるのは、受け取る側の「好き嫌い」や「たまたまの気分」によるところも大きいでしょう。

 取引相手の気分によって商売に不利益がもたらされるのは残念な話ですが、あなたの感情も商売相手に影響を及ぼしているかもしれません。仕事に私情は禁物だという意見はごもっともです。しかし、実際は商売の様々な場面で多少なりとも感情が影響を及ぼし、しかもその割合は決して小さくないようです。

 たとえ無意識でも感情に左右されるのはお互い様。それを理解した上で商売のやり方を見直すと、自分だけで決着する事柄は思いのほか少ないことに気付くでしょう。つまり商売では、相手にゆだねなくてはならない部分がけっこう多いということです。

 経営者の中には、何から何まで自分でコントロールしないと気が済まないタイプの人がいますが、相手にゆだねる部分がある以上、すべてをコントロールするのはなかなか難しいものです。なぜなら人の感情をコントロールするのは、売上げを伸ばすこととはまた別の能力だからです。

 また、すべてに全力投球する姿勢は素晴らしいことだと思いますが、自分の「感情」というボールを常に相手に全力投球することが必ずしもよい仕事につながるとは限らないでしょう。

 相手の真意を探るためにおどけたふりをしたり、相手に花を持たせるためにあえて7割のところでやめたりといったことが必要な場面も多々あります。相手の感情をコントロールするより、感情の影響力を最小限にとどめる工夫をする。

 常に最強で行こうとするより、「今」に最善を尽くす。それがよい仕事につながっていくのではないでしょうか。目の前の仕事や出来事に意識を向けて、今の状況に最も適した判断と行動をすることで、移ろいやすい感情に振り回されることなく、自分自身のブレない軸をしっかり持ち続けていきましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

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