2012.06.15更新

そのお鮨屋さんの繊細な仕事ぶりは、海外の食通さえもうならせると評判でした。

うわさを聞きつけたKさんは友人と足を運び、至福の2時間を過ごしたそうです。

味の良さはもちろん、にぎりの一つひとつに施さ れた丁寧な仕事はまるで芸術品のようで、普通なら目玉が飛び出るほどのお会計も「これだけ払う価値は十分にあるとお客に思わせるのは大したものだ」と、大満足で店を出たそうです。

ところがその半年後、再びその店を訪ねたKさんは非常にがっかりしたそうです。

「人が代わったな」。そう思ったKさんはさりげなく板前に訊いてみると、案の定、前の大将は辞めてしまったのだとか。

ただ闇雲にコスト削減を進めるオーナーに大将が嫌気をさしたのだろうというのがKさんの推測です。


その日が初めてのお客様なら「立派な店だ」と感心するレベルでも、以前を知っているお客様は騙せません。

海外からのお客様を「和」の心で感動させたいというコンセプトでしつらえた店内も、ネタや味の手抜きを感じた途端に薄っぺらく感じてしまったそうです。

「この店にはもう来ないだろう」とKさんが思ったのは間違いないでしょう。

この一件でKさんは、「100引く1はゼロ」という商売の基本を改めて実感したそうです。

商売というのは「100引く1が99」にはなりません。

100人の社員が頑張っても、たった1人が気を抜けば、それまで築いた信用が泡のように消えてしまいます。

昨日まで100点でも、ひとつの手抜きで全体の点数が一気に下がってしまうのです。

商売は常に「100%」しかありません。ひとつでも欠けたらゼロになってしまいます。

お客様は手抜きに敏感で、口に出さなくてもしっかり見抜いているもの。だから「100引く1はゼロ」なのです。

裏を返せば、お客様のためにできることを全力で考え、100%の誠意と努力で商売に勤しめば、お客様はちゃんと感じ取ってくれます。

そして、きっとそのお客様が新しいお客様を連れてきてくれることでしょう。

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投稿者: 伯税務会計事務所

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