2024.03.15更新

 「兆」を含んだ漢字の「挑」と「逃」がインターネットで話題になっているようです。

 「兆」を前にしたとき「挑む」か「逃げる」か。

 ダジャレのような言葉遊びですが、これを読んだときパウロ・コエーリョの『アルケミスト 夢を旅した少年』という小説を思い出しました。

 羊飼いの少年が「前兆」に従って自分の夢を追いかけていく冒険を描いた世界的なベストセラーです。

 著者のパウロ・コエーリョは「未来の前兆は、今にある」と言っています。

 つまり未来に起こることは必ず今に兆しがあり、今に集中することで私たちは、未来の変化に対応できるようになるというのです。

 私たちは未来に不安を覚えたり恐れたりしがちですが、未来は「今」の延長線上にしかありません。

 言い換えれば、今の決断や行動が自分の未来を作っているわけです。

 「兆」を前にしたとき「挑む」か「逃げる」か。夢があれば挑み続けようという考え方は正論ですが「挑む」は少し重い気がするので「挑む」を「行動」に変えて考えてみましょう。

 成し遂げたいことがあれば、小さなことでもいいからとにかく行動する。

 後回しにしたり失敗を恐れて何もしなかったりすると、貴重な「今」を失ってしまう。

 それは自分の未来を無駄にしているのと同じこと。

 だから自分が良いと思ったら、とにかく何でもやってみる。

 人生がうまくいっている人は、体験や出会いがチャンスを運んでくることを知っているので行動を惜しまないのでしょう。

 何が起こっても不思議ではない世の中です。

 今に集中して、兆しを見逃さず、次の行動を起こす。

 そこには未来へのヒントやチャンスがきっとあるはずです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.02.15更新

 時間に対する考え方や習慣と年収の関係を調べた調査結果があります。

 年収400万円台の人たちと1500万円以上の人たちに「人生の目的や目標を常に意識している」「仕事の目的や意味を常に考えている」「やりたいことリストを作っている」などの質問をしたところ、どの設問に対しても「○」と答えた率が高かったのは年収1500万円以上の人たちでした。

 つまり年収の差を生む要因のひとつは「時間」に対する考え方で「時間」の意識が高い人ほど、成功の確率が上がるのかもしれません。

 際限なく増やしたり貯めたりできて、しかも貸し借りまでできるお金に対して、増やすことも貯めることも貸し借りもできず、一度失うと二度と取り戻せない時間のほうがはるかに大切な資源だというのは、商売をしている人なら常々感じていることでしょう。

 しかし「多くの経営者は、その時間の大半を“昨日”の諸問題に費やしている」(ピーター・ドラッカー)。

 これが現実かもしれません。

 西洋のことわざは「時は“金”なり」ですが、商売上手で知られる華僑の人たちは「時は“命”なり」というそうです。

 これは相手の時間に対しても同じでしょう。

 例えば商談のために1時間作ってもらうのであれば、商談相手の命の中の1時間分を分けてもらっていると考えるのです。

 商談に15分遅れたら相手の命を15分間ムダにしたことになります。

 何の準備もなしに商談をしたら、相手の命はもちろん自分の命も無駄遣いです。

 改めて時間の重要性に意識を向けてみたいですね。

 濃密で意義のある時間を過ごせるかどうかは、商売の成功と共に豊かな人生のためのテーマではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2024.01.15更新

 人生のたとえ話は色々ありますが、コカ・コーラの元CEOであるブライアン・ダイソンは「人生は5つのボールでする“お手玉”の
ようなもの」と言っています。

 5つのボールとは「仕事」「家庭」「健康」「友情」そして「自分の心」です。

 さらに「仕事はゴムのボール。たとえ落としたとしても、また戻ってくる。

 けれど、あとの4つはガラスのボール。仕事に気を取られて落としたなら、もろくも壊れてしまう」。

 この言葉は、人生におけるバランスの重要性と優先順位について、特に仕事との関係をどう考えるかの参考になります。

 仕事と他のボールとのバランスを取ることで、人生がより豊かになれば、仕事はさらにうまくいくようになるでしょう。

 肝心なのはバランスを取る方法です。

 ひとつは時間の使い方。仕事とプライベートで時間を明確に分け、仕事に集中するのと同じようにプライベートの楽しみにも集中する。

 特に、自分の心のケアに時間を割くことでストレスの解消になります。

 そのため心のバランスを取ることが、これからますます大事になる気がします。

 もうひとつは自分の価値観を見直すこと。自分にとって本当に大切なものは何かを改めて考えてみるのは、商売の重要性を考えることにもつながります。

 商売の目的は人それぞれ。生活のため、自己実現のため、自己成長のため、社会貢献のため、生きることそのもの、何でもありですが、どれも仕事だけでは実現できません。

 仕事はゴムのボールでも、他の4つはもろく壊れやすいガラスのボール。

 商売で成功するには、人生の優先順位を見失わないようにしたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2023.12.15更新

 イギリスのことわざに「馬を水辺に連れて行けても水を飲ませることはできない」があります。

 他人に対してチャンスを与えることはできても、それを実行するかどうかは本人のやる気次第という意味です。

 しかしやる気を高めることは、不可能ではありません。

 例えば、社員にかける言葉を変えるだけで驚くほど効果が上がることもあります。

 その言葉とは「なら」と「しか」。

 この仕事は○○さん「なら」できる。この仕事は○○さん「しか」できない。

 この2つの言葉は相手に信頼感や期待感を与えます。

 言われた人は「自分の能力や責任を認められた」と感じて、やりがいや自信を持ちます。

 また自分だけができる仕事だと思えば、他人に負けたくないという競争心も芽生えます。

 これらの感情は、やる気を高める強力なモチベーターとなるでしょう。

 社員に対して「なら」と「しか」を徹底して使うようにした結果、みるみる業績が回復したというウソのような本当の話があります。

 ほかにも「△△といえば○○さん」も人を動かす強力な言葉です。

 これは相手の専門性や独自性を認めたことになり、言われた人は「自分の特徴や強みをいかせる」と感じて、仕事に情熱や創造性を持つことでしょう。

 このように言葉を変えるだけで人をやる気にさせることができるのです。お金も時間もかかりません。

 ただし相手をよく観察する必要があります。社員の良いところをノートに記している経営者を知っていますが、それには1人につき20個以上の長所や強み、得意なことが書かれていました。

 彼の会社は業績も人材もトップクラス。人をやる気にさせる名人というわけですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2023.11.15更新

 商売において大事な資質とは何でしょうか。

 答えは十人十色だと思いますが「新・経営の神様」の異名を取る稲盛和夫さんは、苦難続きだった実体験をもとに「何事も誠実であれば踏み越えられないこともないし、誠実であれば一目置かれる」というメッセージを若い世代に残しました。

 社会貢献の先駆者でもある稲盛さんの人生が、誠実さと利他主義の二本柱に支えられていたことはご存じの方も多いでしょう。

 「人のため世のためを思い仕事をすること」が経営の原点だと、繰り返し語っていました。

 また日本の将来についても思慮深い洞察を持っていました。

 日本伝統の芸事が持つ「礼」の精神を尊び、経済力よりも品性や礼儀を重んじ、周囲の国々から尊敬される国になることを望んでいました。

 誠実さ、利他心、品性、礼儀。どれも利益に直結したものではありません。

 誠実で利他心にあふれ、品性と礼儀が備わっていても、自社の商品やサービスでお金を生み出す力がなければ、ただの良い人になってしまうかもしれません。

 けれど今はお金を生み出す力が乏しくても、人柄の良い人は周囲から愛されて応援されるでしょう。

 逆に、お金を稼ぐ力はあっても性格の悪い人の行く末は、皆さんが想像するとおりです。

 もちろん何事においてもバランスは大事です。

 しかし5年後、10年後、20年後にどうなっていたいのか、そこを見て商売をしている人は、目先の損得に一喜一憂することより大事なものがあることを、よくお分かりだと思います。

 精神性が上がると、今までと同じ出来事でも見え方や捉え方が変わってくるものです。

 自己成長の目安にしたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2023.10.15更新

 「お金は人間の性格を映し出す鏡だ」と言ったのは「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一です。

 この言葉が示唆するのは「お金は人間の本質を反映する」ということでしょう。

 決してお金のある・なしで良い人になったり悪い人になったりするわけではありません。

 お金はただの道具であり、それをどう使うかは人間の性格や価値観によって決まるものです。

 商売がうまくいっている人には、お金と上手に付き合っているという共通点があるように思います。

 お金に対する価値観、つまりお金に対する感情や思い込み、または信念は人によって違います。

 例えば「お金は悪だ」と思っている人もいれば「お金は喜びだ」と思っている人もいるでしょう。

 「お金は自分に流れてくる」と信じている人もいれば「お金は自分から離れていく」と恐れている人もいるでしょう。

 こうした話にピンとこない人もいると思いますが、思考は現実化するといわれます。

 お金に対する価値観が商売の成果に影響しているとしても、何も不思議ではありません。

 今一度、お金に対する自分の価値観を改めて考えてみましょう。

 お金を楽しく使ったり貯めたり投資したりできる人は、お金とポジティブに向き合っているといえます。

 お金を使うことに罪悪感があったり苦手意識があったり、お金を稼いでいる人に批判的になりがちな人は、お金との向き合い方がネガティブなのかもしれません。

 お金が人間の性格を映し出す鏡だとしたら、自分の性格や価値観を見直すことで、お金に対してポジティブな考え方や姿勢を持つことができそうです。

 キーワードはおそらく「感謝」ではないかと思います。

投稿者: 伯税務会計事務所

2023.09.15更新

 ある経営者が、リーダーの役割として常に自分に言い聞かせていることのひとつに「面倒だと思ったら“ハイ”と言う」があるそうです。

 何百人という社員を抱えた社長が、面倒な事柄を前に「ハイ」と素直に返事をしている姿を想像しながら、その理由を聞いてみたところ、思わず「師」と仰ぎたくなるような話を聞くことができました。

 「肩書」とは「役割」だと思っている。リーダーの役割は「何をしたいか」ではなく「何をすべきか」を考えること。

 「何をすべきか」を最優先にするためには、面倒だと思うことも必要であれば「ハイ」と言って受け入れる。

 私利私欲を捨て、仕事にも人にも好き嫌いを持ち込まない、とのことでした。

 それでも仕事で問題が起きたときには「気は長く、心は丸く、腹を立てず、人は大きく、己は小さく」の言葉を心の中でつぶやくそうです。

 すると、相手に対する不満やいら立ちが消え去って「今すべきこと」を考えられるようになるのだとか。

 「師」と呼べる人物に出会えた人はとても幸運だと思います。

 今どきは「ロールモデル」という言い方もしますが、迷ったとき、行き詰ったときに「尊敬するあの人ならどうするだろう?」と考えて行動するのは自己成長のきっかけであり、人間性を磨く機会にもなります。

 余談ですが、ChatGPTに「世界中で最も好まれている座右の銘」を尋ねたところ「Carpe Diem(カルペ・ディエム)」と返ってきました。

 これはラテン語で「今を生きよ」という意味合いの言葉であり、人生の短さを感じつつ、今を大切にすることを示唆するものだそうです。

 「心に師を持つ」とは、今を生きることに通じるように思います。

投稿者: 伯税務会計事務所

2023.08.15更新

 昭和という時代は、松下幸之助、本田宗一郎、稲盛和夫といった名経営者が活躍した一方、もう昭和の商売の常識はなかなか通用しないともいわれます。

 明暗を分けるのは時代ではなく、個々の人間性であるのは言うまでもありません。

 「ボス」と「リーダー」の違いを端的に言語化した、イギリスの高級百貨店チェーン「セルフリッジズ」の創業者ハリー・ゴードン・セルフリッジの言葉を引用してみましょう。

 ボスは「私」と言うが、リーダーは「私たち」と言う。

 ボスは失敗の責任を追及するが、リーダーは失敗の後始末をする(失敗から学ばせる)。

 ボスはやり方を知っているが、リーダーはやり方を教える(人を育てる)。

 ボスは恐怖をあおるが、リーダーは熱意を持たせる。

 ボスは時間通りに来いと言うが、リーダーは自ら時間前にやってくる。

 ボスは仕事を苦役に変えるが、リーダーは仕事をゲームに変える。

 ボスは間違いを非難するが、リーダーは間違いを改善する。

 ボスは権威に頼るが、リーダーは志をより所にする。

 ボスは「やれ」と命令するが、リーダーは「やろう」と言う(導く)。

 言われてみれば納得のことばかり。

 襟を正すことはあっても、そこに新しい発見はありません。

 しかしこれらの言葉が、今から100年前に言われたものだとしたら、身に染み方が少し変わってくる気がします。

 100年前から言われていることが今の時代でも通用して、現代人にも響くということは、人間に進歩がないのか、それとも普遍的な教示なのか。

 本質は常にシンプルで、シンプルがゆえに忘れがちです。果たして自分はボスかリーダーか。改めて問いかけてみたいものです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2023.07.15更新

 朝、元気に「行ってきます!」と出かけた人が事故に巻き込まれ、その日の夕方には全身を包帯に巻かれた姿で病院のベッドに寝ていた、という話を聞きました。

 その場にいた全員が「なんて不幸な出来事なんだ」「かわいそうに」と同情する中で、当事者の妻は「彼が生きていてくれて本当によかったです」と満面の笑みだったそうです。

 私はこのとき、とても大事なことを学びました。

 人を不幸にするのは「出来事」ではない。

 その出来事をどう「解釈」するかで自分にとっての現実がまったく違ってくる、ということです。

 自分の身にトラブルが起きたとき、あなたはそのトラブルをどう解釈しているでしょうか。

 自分に非があれば謙虚な気持ちで反省し、迷惑をかけた相手には思いやりの心で接するかもしれません。

 また自分に非がなければ「相手が悪い」「タイミングや状況が悪かった」など、原因となった要素を責めることもあるでしょう。

 けれど例えば石につまずいて転んだとして、果たしてそこに石があったからなのか。

 「こんな所に石があるのが悪いんだ」と解釈することもできますが「足元の石に気づかなかったのは自分の不注意だ。転んだおかげで、次からは足元に気をつけようと思えてよかった」と解釈できたらどうでしょうか。

 そうすることにより今まで苦難だ、逆境だと嘆いていた出来事すべてが逆転して、結果「よかったじゃないか」となるのではないでしょうか。

 「すべての出来事は自分にも原因がある」と解釈して、現実を感謝の気持ちで受け止めてみる。

 これは一種の訓練です。繰り返し解釈力を磨くプロセスで、私たちは多くを学べるだろうと思います。

投稿者: 伯税務会計事務所

2023.06.15更新

 日本中が大いに沸いたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の名場面をYouTubeなどで見返して自分を奮い立たせている、という話をよく聞きます。

 確かにあの大舞台でもひるまないスーパー選手たちの圧巻のプレーは、何度見ても胸が熱くなります。

 数ある名場面の中でも特に印象的だったのは、誰もが不意をつかれた大谷選手のセーフティーバントです。

 見せ場を作る十分な実力を持った選手があの決断をしたのは、自分の活躍よりチームの勝利、さらにWBCでの優勝という「目的」がはっきりしていたからだろうと想像します。

 「目的と手段を間違えるな」とよくいわれます。

 実際、気がつけば手段が目的に入れ替わっていたということはよく起こります。

 お客さまに喜んでもらおうと新商品を考えていたら、いつの間にか商品開発自体に熱が入りすぎて「お客さまのニーズそっちのけで自分たちが作りたいものを作っていた」なんてことになったりするわけです。

 いわゆる「こだわり」は大事なことですが「こだわり」にこだわりすぎると、視野が狭くなります。

 目的が明確であれば手段は多種多様。ゴールにたどり着くための道はひとつではなく、目的地さえ見失わなければ、どの道を、どう行っても間違いではありません。

 マネジメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカーは『断絶の時代』で「組織は、自らのために存在するのではない。組織は手段である。組織の目的は、人と社会に対する貢献である。

 あらゆる組織が、自らの目的とするものを明確にするほど力を持つ」と述べています。

 「組織」を「商売」に替えてみると、商売の本質が見えてくる気がします。

投稿者: 伯税務会計事務所

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