2022.08.15更新

 コロナによって大きく変わった状況を表す言葉として思い浮かぶのは「不易流行(ふえきりゅうこう)」です。

 「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」。

 江戸前期の俳人、松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅をしながら会得した概念だといわれ、その示唆に富んだ教えは現在でも多方面で支持されています。

 「不易」とは変わらないもの。時代を経ても世の中が変化しても、決して変わらないもの、もしくは変えてはいけないもの。

 「流行」とは世の中の変化に伴って変わっていくもの、もしくは変えていく必要があるものです。

 商売でいえば、理念やミッションが「不易」に当たるでしょう。

 その志をどう実現していくか。

 時代や社会の変化を見据えた取り組みが「流行」だと思います。

 コロナ禍で急速に発展したテクノロジーはイノベーションを促し、常識を大きく変えました。出社しなくても仕事ができ、オンラインで顧客とコミュニケーションをとれます。

 大金を払って大々的に広告宣伝しなくても、無料のデジタルツールを活用して集客することも可能です。

 しかしこうした「流行」は、時代に合わせて新しいことをやってみるという単純な話ではありません。

 芭蕉はさらに「その本は一つなり」、すなわち「両者(不易と流行)の根本は一つ」とも述べています。

 つまり「流行」は「不易」という原理原則があってこそ。

 原理原則に立ち返って物事の本質を問い、その上で新たなことを冷静に判断できる情報・知識・マインドセットを持っていなければ、ただ「流行」に惑わされるだけです。

 コロナで「流行」は加速しましたが「不易」は変わりません。

 商売にとっての「不易」は何か。

 「不易」の何たるかを知っているからこそ逆風でも歩みを止めず、常識に捉われないで変化に対応し、新しい展開を作っていけます。

 おくのほそ道は全工程2400キロ。約150日間の旅でした。

 旅路で詠んだ俳句の数を思えば、思索の旅だったともいえるでしょう。これから先も何が起こるか分かりません。

 その時々で最適な「流行」を捉えるために、原理原則を洞察する努力を惜しんではいけないと思うこの頃です。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.07.15更新

 社員は人材ではなく「人財」です。

 「最幸」の出会いが「成幸」を引き寄せます。

 難があるから「有り難う」。辛いときこそ爽やかに笑い、前を向いて「顔晴ろう」。

 ビジネス本やインターネット上などで、独自の意味を込めた当て字をよく見かけます。

 こうした当て字を皆さんはどう思いますか?

 あるアンケートでは約47%の人が「気持ち悪い」と答えていました。

 気が利いていると感じる人がいる一方、違和感を覚える人も同程度いるようです。

 確かに度が過ぎると気持ち悪い感じもしますが、当て字はともかく、意味はその通りだと思ったのは「4つのシゴト」です。

 シゴトには4つの種類がある。

 1つ目は、自分自身を押し殺して嫌々働く「死事」。

 2つ目は、自分のやりたいことだけやって周りのことはどうでもいい「私事」。

 3つ目は、人に仕えて、その指示に従う「仕事」。

 お客さまに仕え、会社に仕え、上司に仕え、誰かに仕える働き方を「仕事」というなら、志や信念を持って、自分のためではなく人のために行う仕事が「志事」。

 「仕事」が進化しすると「志事」になるというわけです。

 単なる言葉遊びと片づけるのは簡単ですが「志事」をもう少し掘り下げてみたいと思います。志や信念を持つとはどういうことでしょうか。

 それは「覚悟すること」ではないかと考えます。

 覚悟にはいくつかの意味がありますが、一般的には困難を予想してそれを受け止める心構えを指します。つまり覚悟とは、不安や面倒なことに立ち向かう勇気ではないかと思います。

 多くの人は、経験を積むほど体より口のほうがよく動くようになり、理屈や言い訳が増えます。

 しかし頭で考えているだけでは、何も起こらないのはご存知の通りです。とにかく動く。小さな事でも何かやってみる。まずは試してみる。

 モノやサービスを売る商売では製品化する前に試作しますが、それと同じ発想で、何でも実験だと思ってプロトタイピング(試す)してみるくらいの軽やかさが、今の時代に必要な能力ではないかと思います。行動は「幸道」。幸せへの道です。

 というオチはさておき、覚悟を決めて事を成していきたいものです。

 

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.06.15更新

 お店や会社などのトイレに名言が貼ってあると、つい読んでしまいます。

 聞いたことのある言葉でも、一人の空間でリラックスしているせいか、妙に心にしみたりします。

 ここ最近は、困難を乗り越えるための心構えを説いた言葉に出会うことが増えました。

 印象に残っているのは『安岡正篤 活学一日一言』の言葉です。

 「世に知者は多いが、時を知ること。難を知ること。命を知ること。退を知ること。足るを知ること。五知を養い得て、始めて能(よ)く難局に当ることができる」。

 宋(そう)の賢人・李繹(りえき)の『五知先生伝』からの引用だそうです。

 SBIホールディングスの北尾吉孝社長も、自著の中で「能(よ)く難局を乗り越えるために」と題して「五知」について書かれていました。

 「時を知る」とは、タイミングを逃さず、時には時流を捉え、臨機応変に対応することが大事であるということ。

 「難を知る」とは、難局を乗り切るための策を常に考えて行動し、最悪の状況に備えておくこと。

 「命を知る」とは、日頃の仕事の中で自分の能力や強みを知り、自分の生かし方を模索して自らを開拓していくこと。

 「退を知る」とは、退くべきときに退く勇気を持つこと。前向きに攻めることも大事ですし、守りを固めることも同じくらい大事であるという意味です。

 「足るを知る」とは、今の自分にないものを探すより、今あるもの、与えられているものを探し、それらを生かし、感謝しながら歩んでいくこと。単に知識を得るのではなく、この「五知」を養い得て、はじめて難局に立ち向かえるというわけです。

 この貼り紙を見かけたのは何度か行ったことのある飲食店でした。

 コロナの前にはなかったと記憶しているので、ここ2年ほどの間に貼ったのでしょう。

 このお店が直面した難局はどれほどのものだったのか。どんな気持ちでこれをトイレに貼ったのか。そんなことを思いながら、ポケットからスマホを取り出して貼り紙を写真に収めました。

 そして席に戻るとメニューの中から一番高い料理を注文しました。同じく商売を営む身として、見ず知らずのオーナーにエールを送りたいと思ったのです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.05.15更新

 鎖国を続けていた日本にペリーが来航した19世紀。世界ではイギリスを中心とした欧米諸国で産業革命が急速に進み、個人の生産効率を最大限に発揮することが重要だと考えられていました。

 いつの時代でも、個人の生産効率が商売を左右する状況は変わらないようです。では個人の生産効率は何に左右されるのか。今も昔も、会社の業績を支えている要素のひとつは社員のモチベーションではないでしょうか。

 ある調査によれば「やる気にあふれる」社員の生産性は、単に「満足している」社員と比べて約2.3倍高いという結果も出ています。

 話を19世紀に戻して当時、フレデリック・ハーズバーグというアメリカの臨床心理学者が「何が人をやる気にさせるのか」という研究をして「モチベーション理論」を提唱しました。

 その理論によれば、人に「満足をもたらす要因」と「不満足をもたらす要因」は必ずしも同じではない。

 しかも満足をもたらす要因が満たされるとモチベーションは上がるけれど、不満足をもたらす要因を満たしても、不満足の解消になるだけで満足感やモチベーションが上がるとは限らないことを明らかにしたのです。

 気になるのは「満足をもたらす要因」の内容です。お金か、肩書か、休みか、人間関係か。実はこのどれでもありません。

 人に満足をもたらすのは、達成感、評価、責任ある立場、昇進、成長などで、つまり仕事そのものや仕事から得られる精神的な成長が満足につながり、やる気を引き出すそうです。

 一方、不満足をもたらす要因は、給与、福利厚生、経営方針や管理体制、同僚や上司との関係など。ここから分かるのは、給与が低ければ不満になるけれど、給与を上げても不満が解消されるだけで社員のやる気にはつながらないという、経営者をガックリさせる話です。

 これをご自身の商売に当てはめてみてください。コロナ禍で大変なときは売り上げが上がればすべてうまくいくと思いがちですが、状況はそれほど単純ではなさそうです。

 コロナは一種の産業革命だという見方もあります。何が自分のやる気になるか。中長期的な視点で考えてみたいものです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.04.15更新

 アップルの創業者スティーブ・ジョブズが残した名言のひとつに「好きなことを仕事にしよう」があります。

 ジョブズのこの言葉に背中を押され、自分の好きなことをして生きていきたいと、多くの人が考えるようになりました。

 しかし似たような発想は古来からありました。紀元前5世紀には、孔子が「汝の愛するものを仕事に選べ、そうすれば生涯一日たりとも働かなくて済むであろう」と述べています。

 さて現代の日本人はどうでしょうか。

 アメリカのギャラップ社が世界139カ国の企業に行った調査によれば「熱意を持って仕事に取り組んでいる」と答えた日本人は全体のわずか6%。逆に「やる気がない」と回答した人は実に70%にのぼり、この数字は世界で132位の最下位クラスでした。

 ここで考えてみたいのは、好きなことを仕事にすれば熱意をもって取り組めるのか?ということです。

 「愛するものを仕事に選べ」と説いた孔子は『論語』の一節でこうも言っています。

 「これを知る者はこれを好む者にしかず、これを好む者はこれを楽しむ者にしかず」。つまり「物事を理解して知っている人は、それを好んでいる人には及ばない。物事を好んでいる人は、それを心から楽しんでいる人には及ばない」という意味です。

 好きこそものの上手なれ、ではありますが、物事の上達や達成には「好き」より「楽しむ」のほうが原動力となるのでしょう。

 さらには「楽しむ」が働き甲斐や生き甲斐になっていくのだと思います。

 うまくいかないとき、目の前に困難が立ちはだかったとき、考えに考え抜いて、もがいてもがいて、できることは何でもやった。

 そんな経験をお持ちでしょうか。その経験を経て今があるとしたら、あなたは苦しみも楽しみの一部と捉えて逆境を乗り越えられたのではと想像します。

 苦しいものはどうしたって苦しいし、大変なことは大変です。

 それでも、すべては成長のための経験だと楽しめる人は、折に触れて「何のために」に立ち返っているように思います。

 志あるところに道あり。逆境も楽しめるようになれば、本当の意味で一人前だと自負してもよいのではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.03.15更新

 鍋料理を囲むとき、頼まれてもいないのにその場を仕切る人のことを「鍋奉行」と呼びます。

 最初から最後まで全て自分で作ってしまうタイプ。食材の切り方や入れる順番、さらには食べるタイミングまで事細かに指示するタイプ。色々な鍋奉行がいますが、必ずしも鍋料理にたけているわけではありません。

 仕切りたがりな人に対する皮肉を込めて「鍋奉行」と呼ぶこともあります。

 鍋奉行だけを集めて鍋パーティーをやったらどうなるか?そんな実験をした人がいます。

 結果からいうと「めちゃくちゃうるさい!」の一言だったそうです。

 全員にこだわりがあり、それを譲らない人たちの集まりなので当然と言えば当然のこと。実験の主催者は「これが職場だったら・・・」と苦笑いしていましたが、確かに仕切りたい人ばかりの職場を想像するとげんなりしますね。

 経営者でも鍋奉行タイプの人がいます。人に指図ばかりしたり、逆に何でも自分でやらないと気が済まなかったり。

 経営者の仕事は「決断」だといわれます。

 決断とは、心をはっきりと決め、きっぱりと断を下すこと。ところが鍋奉行タイプの経営者は、決断を「仕切ること」だと勘違いしているようです。

 仕切りたがりな人は人に指図をします。

 リーダーシップのある人は人との対話を大事にします。

 「俺についてこい!」と部下をグイグイ引っ張っていくリーダー像が輝いた時代もありましたが、今は人を巻き込んでチーム力をいかす力が求められているようです。

 平時のときは「After you(みんなを見守っているよ)」。

 有事のときは「Follow me(私についてきなさい)」。そんな姿勢が支持されそうです。

 古典から読み解けば『論語』の中庸という教えからもリーダー論を学ぶことができます。A案とB案がある場合、双方に良いようにするわけではなく、間を取るわけでもなく、両方の話をよく聞いて、その上で全く新しいC案を出す。

 偏りのない「中」をもって道をなす概念でリーダーシップを捉えると、全く新しいC案という決断に至るのでしょう。

 中庸には及ばずとも、鍋も商売も指図より対話で進めて、みんなで分かち合いたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.02.15更新

 皆さんは「運」について、どんな考えをお持ちですか。

 昨年、現役を引退した元横綱白鵬の間垣親方は「私は決して強い人間ではありません。

 ただ運があった。

 その運は努力をしている人間にしか来ない」と言い、サッカー界のレジェンド三浦知良選手は「コツコツやってきたことが実って結果となる。その積み重ねが運をも呼び込む」と言っています。

 意思や努力ではどうにもならない巡り合わせを「運」という人もいますが、先の二人は「運も実力のうち」「運は自分で良くできる」と考えているようです。

 昨年、MVPに輝いた大谷翔平選手も「運」を大事にしている一人です。

 大谷選手は花巻東高校時代に「プロ野球8球団からドラフト1位指名を受ける」という最終目標を達成するために、マンダラチャートという目標達成シートを作ったことはご存じの方も多いでしょう。

 マンダラチャートでは、9×9の81マスの中心に最終目標を書き、その周囲には目標達成に必要な8つの要素を書きますが、高校生だった大谷選手は8要素のひとつに「運」をあげました。

 注目すべきはここからです。

 マンダラチャートではさらに、運を良くする要素を8つに細分化していきます。

 皆さんなら運を良くするために何をしますか。

 当時の大谷選手が考えた運を良くする8つの行動とは次のとおりです。「挨拶」「道具を大切に使う」「プラス思考」「ゴミ拾い」「応援される人間になる」「部屋掃除」「審判さんへの態度」「本を読む」。

 ここから見えてくるのは「感謝の心」でしょうか。

 周囲の人たちへの感謝。物への感謝。大好きな野球ができることへの感謝。また高校時代の佐々木監督からは「ゴミは人が落とした運。ゴミを拾うことで運を拾うんだ。そして自分自身にツキを呼ぶ。

 そういう発想をしなさい」と言われ、それ以来、ゴミ拾いを続けているそうです。

 何事にも感謝を忘れず、コツコツと努力を重ね、意図して行動する。実力とはその結果であるならば「運も実力のうち」という言葉の重みが身にしみます。

 つまりは志を持って目の前の仕事に集中していると、おのずと運に恵まれるということなのでしょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2022.01.15更新

 「竹に節がなければズンベラボーで、とりとめがなくて風雪に耐えるあの強さも生まれてこないであろう。竹にはやはりフシがいるのである。同様に、流れる歳月にもやはりフシがいる。ともすれば、とりとめもなく過ぎていきがちな日々である。せめて年に一回はフシを作って、身辺を整理し、長い人生に耐える力を養いたい。そういう意味では、お正月は意義深くて、おめでたくて、心もあらたまる」。

 これは「経営の神様」といわれた松下幸之助の言葉です。

 今でも名言として多くの人の心に響くのは、新しい年の始まりを「フシ」と捉えて襟を正す感性が、日本人の普遍だからでしょうか。

 物事をどう捉えるか、どう解釈するかで、人生の重みや深みはまったく違ってきます。

 特に商売で風雪に耐えた経験が多い人には、松下幸之助の言葉がじわじわとくるのではないかと思います。

 ところで竹は不思議な植物です。中身は空っぽで節があり、木でもなければ草でもない。「竹、節ありて強し」の言葉どおり、節のおかげで上に上にと高く伸びても強度が保たれるそうです。

 また一節目が割れると一気に割れていきますが、その一方で簡単には折れないしなやかさも持ち合わせています。

 高さ何メートルにもなる竹が風雪に耐えられるのは、節が作り出す「強さ」と「しなやかさ」の剛柔併せ持った性質によるものなのです。

 近年「レジリエンス」という言葉を見聞きすることが増えました。

 世界的に注目されている言葉で、日本語では「折れない心」「精神回復力」などと訳されていますが、要するに「しなやかさ」のことでしょう。

 心も体もすべてにおいて「強さ」を追求した時代が長く続いたあと、これからは「しなやかさ」が時代を生きていく心得となるのかもしれません。

 柔らかく、しなやかなものは、堅くて強いものより丈夫だったり長持ちだったりします。この新年をフシにして、今年も強く、そしてしなやかに、長い人生に耐える力を養っていきましょう。

 ちなみに、地上から出ている竹の1本1本は、すべて地下茎でつながっています。この「つながっている」というイメージは心強いものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2021.12.15更新

 後悔しないように生きよう!多くの人がそう考えます。

 そして、人は死ぬとき「やらなかったこと」を後悔するそうです。

 ナディーン・ステアというひとりの女性が数十年前に書いた詩が、時代や国をこえて今でも読み継がれています。

 タイトルは『もしも人生をやりなおせるなら』。少し長い詩ですがお付き合いください。

 「もしも人生をやりなおせるなら、こんどはもっとたくさん失敗したい。よけいなチカラをぬいて、いつもリラックスして暮らす。

 そして、おかしなことをたくさんする。もうなんでも深刻にうけとめることはやめる。チャンスがあればなんどでも挑戦する。

 もっとどんどん旅に出て、もっとたくさん山に登り、もっといろんな川で泳ぎたい。すきなだけアイスクリームを食べ、むりして豆ばかり食べるのはよそう。きっといまよりも問題は増えるかもしれない。

 でも、頭の中だけの心配事は減るだろう。ごらんのとおりわたしは、ごくふつうの人間です。いつだって、どんなときでも、コツコツまじめに生きてきました。

 ああ、そんなわたしの人生にも、生きるよろこびを感じた瞬間がいくどかありました。もしも人生をやりなおせるなら、あんなひとときがたくさんほしい。

 本当にそれだけで、あとはなにもいらない。ただ長生きするために今日を過ごすのではなく、一瞬一瞬を大切に生きる。体温計や湯たんぽ、レインコートやパラシュートがなければどこにも出かけられない。

 わたしはそんな、用心深いタイプのひとりでした。もう一度人生があるとしたら、こんどはもっと身軽に旅に出よう。

 もしも人生をやりなおせるなら、春から秋の終わりまで、ずっと素足のままで暮らす。もっとたくさんダンスを踊る。もっとたくさんメリーゴーランドに乗る。そして、もっとたくさんヒナギクをつむ」。

 日々、変化を求めながらも現状維持したいのが人間です。けれど「人生は自分で作っていくもの」だと、85歳のおばあちゃんはこの詩で教えてくれます。

 「今まで」をやり直すことはできません。しかし「今これから」をイキイキと生きることはできます。お互い悔いのない人生を歩みましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2021.11.15更新

「安全第一」は、1900年初頭にアメリカの製鉄会社USスチールが提唱した経営方針です。 当時のアメリカは1800年代後半から始まった第二次産業革命の中心地で、国内産業を大幅に成長させていました。

 安全性より生産性を重視していたため、日常的に労働災害(労災)が起きていたそうです。

 USスチールも「生産第一・品質第二・安全第三」を合言葉に事業を押し進めていましたが、度重なる労災から従業員を守るために周囲の反対を押し切って新しい経営方針を掲げました。

 それが「安全第一・品質第二・生産第三」です。

 その結果、労災が減っただけでなく製品の品質も向上し、生産性も上がったそうです。

 優先順位を入れ替えただけで「安全」「品質」「生産性」の好循環が生まれたのはなぜか。

 一言で言えば、現場の意識が変わったのだと思います。

 ものづくりの現場では誰もが安全の重要性を認識しているでしょう。

 しかしもっとも大切で、もっとも重要なことは、シンプルなゆえにインパクトがありません。

 安全というスローガンも、当たり前すぎて本来の意図や意味が風化してしまいがちです。

 そこで従業員の身を守る安全を最優先に掲げ、安全な現場だから良い品質の製品を作ることができ、製品の品質が良いから生産性が上がるというストーリーを全員で共有する。

 要するに、安全第一を守る理由を明確にしたことで「安全」が一人一人の自分事になり、現場の意識が変わっていったのではないかと思うのです。

 コロナ以降、経営分野のキーワードとして「パーパス経営」という言葉をよく聞くようになりました。

 単純に訳せば「企業の存在意義」。

 これを「志」と解釈して、これからは資本主義ならぬ「志本主義」の時代だと提唱する本も売れています。

 いわゆるビジョンやミッションの上位概念という位置づけです。

 キーワードは目新しくても「志」という概念は日本人にとってなじみ深いものです。

 あなたの商売の志、つまり「第一」は何でしょう。

 「第一」を自分事にするための「第二」「第三」は何でしょう。

 くれぐれも順番を間違えないようにして、志高くいきたいものです。

投稿者: 伯税務会計事務所

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