2020.09.01更新

 「父から実家を二世帯住宅にして一緒に住もうと提案されました。そのため実家をリフォームしようと検討しています。両親は無職なので資金は息子である私が全て出す予定ですが、土地と建物は父の名義です。この場合、何か問題はあるでしょうか」という相談がありました。

 所有者が別人の2個以上の物が結合して1個の物になることを「付合」といいます。

 今回のように不動産(建物)に動産(増改築部分)が付合した場合は、原則として不動産の所有者がその動産の所有者となります。

 つまり息子から父親へ増改築部分の所有権が移転する(贈与)ため、息子が「その分のお金を私に払ってください」という権利を行使しないと父親に対して贈与税が発生する可能性があります。

 そうしないためには「親子で増改築資金の貸し借り契約書を作成し、利息なども含めて適正に精算する方法」「増改築分の資金と建物の持分の価値が等しくなるように、息子にその持分の移転登記を行う方法」「付合が生じないように、例えば1階と2階を区分所有登記で別々にしてしまう方法」などがあります。

 ただし、これらの対策を講じた場合でも、その方法によっては「父親に譲渡所得の課税」などの問題が生じる可能性もあります。

 意外と見過ごされがちですが、これはとても身近な問題ですので気になる方はご相談ください。

投稿者: 伯税務会計事務所

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