2013.04.01更新

昨年の8月、ベルギー在住の日本人音楽家、堀米ゆず子さんが使用するバイオリンの名器『ガルネリ』が、ドイツのフランクフルト国際空港で税関当局に差し押さえられました。

日本からの帰りにフランクフルトで飛行機を乗り換えようとした際、持っていたバイオリンの輸入申告を怠ったとして差し押さえられ、バイオリンの評価額100万ユーロ(当時で約1億円)の19%にあたる19万ユーロの関税の支払いを求められました。

最終的に今回のバイオリンは無償で返還されましたが、サッカーの乾貴士選手が申告しなかったことを理由に腕時計を押収されるなど、トラブルはたびたび発生しているようです。なお、ドイツでは一般に、総額430ユーロ相当以上の物品をEU加盟国以外の第三国から持ち込む場合には、一時輸入の申告をする必要があります。

そもそも「関税」とは、古代都市国家における手数料からはじまり、内国関税、国境関税というような変遷を経て、現在では一般に「輸入品に課される税」となっています。国内の産業を守ることや、税金収入を得ることが主な目的とされています。

いま賛否をめぐる議論が続いている環太平洋パートナーシップ(TPP)協定は、こうした関税と非関税障壁を撤廃し国境を越えて自由貿易圏を作ろうという構想ですが、メリットもあればデメリットもあり大変難しい問題です。

投稿者: 伯税務会計事務所

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