2015.02.01更新

 日本の法人税の実効税率は、欧州やアジア各国に比べて高い水準にあります。この税率を引き下げるためには、別の財源確保が必要だとされています。

 そして、その代わりの財源確保のひとつとして挙げられるのが、法人事業税の「外形標準課税の対象拡大」です。企業はその活動をするにあたり、地方自治体より道路や防災、警察など各種の行政サービスを受けています。

 法人事業税は、「この経費を企業が分担するべきである」という考えにもとづく地方税です。行政サービスは黒字企業も赤字企業も受けています。

 そのため、ほとんどを黒字企業で負担している「事業所得だけを基準とする従来の方式」ではなく、赤字企業も負担する「事業規模などに応じて課税する外形標準課税」は、より公平に税を負担する制度とも考えられています。

 外形標準課税制度は平成15年度の税制改正で創設され、平成16年4月1日以後開始の事業年度から適用されています。

 現在この制度の対象になるのは、資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人です。ただし、これまでの所得課税法人に限るものとし、公共法人等、人格のない社団等、特別法人などは除かれます。

 新たな財源確保のためにこの対象を中小企業にまで拡大することは、「中小企業の新たな負担となり地域経済に悪影響が及ぶ」と心配する声も出ています。

投稿者: 伯税務会計事務所

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