2014.10.01更新
平成20年にはじまった「ふるさと納税」ですが、当初に比べて特産品などの特典が充実してきたこともあり注目度が高まっているようです。そこでもう一度、どのような制度なのかを見てみましょう。
まずはじめに、ふるさと納税には「納税」という言葉がありますが、実際には都道府県や市区町村に対する寄附になります。
また、寄附をする先の「ふるさと」に定義はなく、お世話になったところや応援したいところなど、自由に寄附をする都道府県や市区町村を選ぶことができます。
寄附をした場合、寄附額のうち2000円を超える部分について一定限度額まで原則として全額が、所得税と住民税から控除されます。
なお、一定限度額は個々の条件により異なりますが、住民税の10%程度がひとつの目安となります。
手順は、まず希望する都道府県や市区町村へ寄附を行います。そして、寄附を行った年の翌年に確定申告をすることで、寄附額に応じて所得税と住民税から控除されるという流れになります。
ふるさと納税のメリットは、生まれ故郷など希望する都道府県や市区町村に寄附をして応援できることや、寄附額に応じた特産品や優待券などの特典があることでしょう。
一方のデメリットには、所得税や住民税の軽減を受けるためには確定申告が必要なことや、最低でも2000円は自己負担となることなどが挙げられます。
投稿者: 伯税務会計事務所
2014.09.01更新
これまでは原則として、法人が支出した交際費等については損金不算入でした。ただし、資本金1億円以下の中小法人の場合は、800万円以下の交際費等について全額損金算入が認められていました。
この「交際費等の損金不算入制度」が改正され、平成26年4月1日以後に開始する事業年度から適用されることになりました。
まずはじめに、1人あたり5000円以下の飲食等のために要する費用においては、書類の保存要件を満たしているものについては、これまでどおり全額損金算入が認められています。
次に5000円を超える場合ですが、資本金1億円以下の中小法人以外の大企業など、これまで交際費等の全額が損金不算入だった法人においても、接待飲食費の額の50%相当額が損金算入できることになりました。ただし、従業員や親族などに対するものは除かれるのでご注意ください。
また、資本金1億円以下の中小法人においは、前述の「接待飲食費の額の50%相当額の損金算入」か「定額控除限度額までの損金算入」のいずれかを選択できることになりました。
なお、接待飲食費は、飲食等の「年月日・参加した得意先等の名称とその関係・参加した者の数・その費用の金額並びに飲食店等の名称および所在地」などを帳簿書類に記載しておく必要がありますので、きちんと整理保存しておきましょう。
投稿者: 伯税務会計事務所
2014.08.01更新
飛鳥時代の701年に完成した大宝律令では、「耕地の広さに応じて稲を納める税」や「その土地の特産物を納める税」など、租・庸・調という税の仕組みができました。
室町時代は米などの年貢が税の中心でした。また、街道に設けられた関所では、通行税の関銭などが税として課せられました。
安土桃山時代は豊臣秀吉が太閤検地を行い、農地の面積だけでなく収穫高なども調べて年貢を納めさせるようにしました。
江戸時代には、当時の営業税や営業免許税にあたる運上金・冥加金を、商工業者などに課税するようになりました。
明治時代になると政府は、歳入の安定を図るために地租改正を実施します。地券を発行して土地の所有者を確定し納税義務を課しました。そして、課税の基準を従来の収穫量から地価に改め、地租として貨幣で納めるようにしました。また、所得税や法人税が導入されたのもこの頃です。
現在ある税の仕組みができはじめたのは大正時代から昭和初期にかけてで、1940年(昭和15年)には源泉徴収制度が採用されました。
1989年(平成元年)には消費税が導入されます。当初の税率は3%でしたが1997年には5%に、そして2014年の今年に8%となりました。
このように税の制度は、社会の変化にともない変わってきました。そして、これからもまた変わっていくことでしょう。
投稿者: 伯税務会計事務所
2014.07.01更新
「先日、住宅ローン控除が4月から増えたということを知りました。
そこで、どのように変わったのか教えてください」というご質問がありました。ご質問の住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて新築または増改築をした場合などに、一定の要件を満たせば所得税や住民税の控除の適用を受けることができる制度です。
具体的には、毎年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が、10年間に渡って最大控除額を限度に控除されます。今回はその「最大控除額」が増えました。
一般住宅の場合は、平成26年3月までの最大控除額は200万円(年間20万円×10年)でしたが、平成26年4月から平成29年末までの最大控除額は400万円(年間40万円×10年)に増えました。
また、長期優良住宅と低炭素住宅については、最大控除額300万円(年間30万円×10年)から500万円(年間50万円×10年)に増えました。
さらに、所得税から控除しきれなかった場合には住民税から一部控除ができますが、その控除上限額も年間9.75万円から年間13.65万円に引き上げられました。
なお、経過措置により5%の消費税率が適用される場合や、消費税の課税対象とならない中古住宅の個人間売買などは、平成26年4月以降であっても平成26年3月までの措置が適用されます。
投稿者: 伯税務会計事務所
2014.06.01更新
特定中小企業者が経営改善設備を取得した場合に、その取得価格の30%を特別償却することができる特別償却制度というものがあります。
これは、青色申告書を提出する中小企業者等が、認定経営革新等支援機関による経営改善に関する指導および助言を受けて、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に設備を実際に取得し、営む商業、サービス業等の事業のために使用する場合に適用される制度です。
「商業、サービス業」には、卸売業、小売業、情報通信業、損害保険代理業、不動産取引業、自動車整備業、農業など、その他にも多くの事業が該当します。
また「中小企業者等」とは、常時使用する従業員が1000人以下の個人事業者、資本金の額が1億円以下の法人(資本金1億円超の大規模法人の子会社を除く)、中小企業等協同組合などになります。
そして認定経営革新等支援機関には、認定を受けた税理士や金融機関、商工会議所などがあります。
なお、個人事業者または資本金3000万円以下の法人においては、「取得価格の30%の特別償却」か「取得価格の7%の税額控除」のいずれかを選択することができます。
ただし税額控除の場合は、「取得価格の7%」または「事業所得に係る所得税額または法人税額の20%」のいずれか低い額になり、税額控除限度の超過額は1年間繰越すことができます。
投稿者: 伯税務会計事務所
2014.05.01更新
相続税の目的には「富の再分配」や「格差の固定化防止」があります。
しかし、バブル崩壊後、地価は下落しましたが相続税の基礎控除は逆に拡充されました。そのようなことも要因のひとつとなり、相続税の課税件数の割合は昭和62年の7.9%から平成23年には4.1%にまで低下しました。
今回は「相続税」を強化する一方で、補完役である「贈与税」は緩和となります。
生前贈与を一層促進させることが贈与税改正の目的のようです。
高齢者の保有資産を若い世代へ早期に移転させて経済の活性化にもつなげたい考えでしょう。
今回の相続税改正の注目ポイントは、定額控除が5000万円から3000万円に、法定相続人数比例控除が法定相続人1人につき1000万円から600万円になることです。
このため一般的なケースで、さらに法定相続人を仮に配偶者と子2人の計3人とした場合、従来なら相続財産が8000万円を超える場合であったものが、改正後は4800万円を超える場合から相続税がかかることになります。
これまでは相続財産が8000万円であればゼロであった相続税が、改正後は350万円必要ということになります。このようなことから今後は、緩和された贈与税をより上手く活用して相続対策を考えていきたいところです。
相続税は早い時期から計画的に対策することが大切です。
まずは一度ご相談ください。
投稿者: 伯税務会計事務所
2014.04.01更新
地震で住宅が倒壊すれば居住者に危険がおよびます。
さらに、倒壊した建物は近隣住民の避難の妨げにもなり、被害を拡大させる危険性があります。
そこで、「災害に強いまちづくり」を推進するために、一定の条件を満たした耐震改修には「所得税」と「固定資産税」の減額措置が設けられています。
まず所得税の減税措置についてですが、標準的な工事費用相当額の10%(最高25万円)を所得税額から控除することができます。
ただし、補助金などの交付を受ける場合には、その額を差し引いた金額となります。
主な要件は、昭和56年5月31日以前に着工されたもので、現在の耐震基準に適合しない住宅であること。また、居住する住宅を個人が平成29年12月31日までに耐震改修した場合などになります。
次に固定資産税の減額措置についてですが、改修工事が完了した年の翌年度から1年間に限り、120平米相当部分までの固定資産税が2分の1に減額されます。なお、120平米を超える部分は減額されません。
主な要件は、昭和57年1月1日以前から所在していた住宅を、平成27年12月31日までに現行の耐震基準に適合するよう耐震改修すること。また、耐震改修の費用が50万円を超えていることなどになります。
なお、これらの税制優遇を受けるためには、必要書類をそろえて申告する必要があります。
投稿者: 伯税務会計事務所
2014.03.01更新
NISA(ニーサ)とは、2014年1月から導入された「少額投資非課税制度」のことで、上場株式や公募株式投資信託などの配当や譲渡益の一定額を非課税にするという制度です。
具体的には、毎年100万円までの新規購入分を対象に、その配当や譲渡益が最長5年間非課税になります。
この制度が利用できるのは20歳以上の日本国内居住者で、1人につき1口座しか開設することができません。例えばA銀行に口座を開設した場合は、異なる金融機関であってもB証券には開設できません。
口座開設可能期間は2014年から2023年までの10年間になります。なお、現在のところ一度、口座を開設すると最長4年間は別の金融機関への変更や開設をすることはできません。
金融機関によって扱う金融商品や手数料が違うため、口座を開設する金融機関を決める際には十分に検討したいですね。
また、上場株式などを売却して発生した譲渡損失については、他の特定口座や一般口座での譲渡益と損益通算することや繰越控除することはできません。
なお、今回の内容は2014年1月現在のものとなります。NISAは「専用口座を開設する金融機関を毎年変更」「口座を開く手続きの簡素化」など、使いやすくするための検討が現在も関係省庁で進められているので、今後も詳細が変更されていく可能性があります。
投稿者: 伯税務会計事務所
2014.02.01更新
我が国に所得税が導入されたのは明治20年で、課税対象は個人所得だけでした。
書籍『日本財政論』によると、高額納税者の多くは旧大名や公家などの華族で、上位には旧山口藩主の毛利元徳や旧金沢藩主の前田利嗣、旧熊本藩主の細川護久などの名前がみられます。
そのような中、申告額で第1位となったのは、三菱財閥の基礎を築いた岩崎弥太郎の長男、岩崎久弥で申告額は約70万円でした。第2位は岩崎弥之助(岩崎弥太郎の弟)で約25万円、第3位が毛利元徳の17万円台。
日本資本主義の父といわれた渋沢栄一が10万円弱の申告額ですから、第1位の申告額がいかに多いかが分かります。そうなると当時の70万円がどれくらい価値があったのかを知りたいところですが、世の中の仕組みや人々の暮らしが異なるため正確に換算することはなかなか難しいものがあります。
また、物価や賃金水準も年々変化しているので同じ明治時代でも前半と後半では違いがあります。
そのためあくまでも参考としてのお話です。明治30年頃の小学校の教員や警察官の初任給は月8~9円くらい、一人前の大工などベテラン技術者で月20円くらいだったようです。
このようなことから考えると当時の庶民にとっての1円は、現在の2万円くらいの重みがあったのかもしれません。仮にこれで計算すると当時の70万円は現在の140億円になります。
投稿者: 伯税務会計事務所
2014.01.01更新
住宅会社の経営者から、「支店を出そうと考えているのですが、その場合、均等割はどこに納付するのでしょうか?」というご質問をいただきました。
今回は本店がA県B市にあり、支店を同じA県のC市に出すケースになります。
まず、法人は法人住民税を納める必要があります。法人住民税とは今回の場合、県民税や市民税となります。
この法人住民税には、利益に関係なく会社の資本金や従業員数に応じて税額が決まる「均等割」と、法人税の額に税率を掛けて計算する「法人税割」というものがあります。
今回の均等割は、本店と支店は同じ県内ですから、A県にのみ県民税の均等割を納めることになります。また、資本金や従業員数に変わりがなければ、納付額が増えることはありません。
しかし、市税の均等割は市町村がB市とC市で異なるため、本店のあるB市と新たに出店するC市のそれぞれに納める必要があります。
仮に県も異なるところに支店を出した場合には、新たに出店する県と市の両方に均等割が発生します。
次に法人税額に応じて負担する「法人税割」についてですが、こちらは本店と支店に分割して納めることになります。
分割の基準は、主に事務所数や従業員数となります。
なお、東京都23区内については、都の特例として都民税と区民税の2つをあわせて都民税とし納めることになります。
投稿者: 伯税務会計事務所