2019.10.01更新

 2019年度の税制改正において個人版事業承継税制が創設されました。

 この制度は、事業で使用している宅地や建物などの資産に対する贈与税・相続税の全額の納税が猶予されるものです。

 また後継者の死亡など一定の事由が生じた場合には、猶予されている贈与税・相続税の納税の全部または一部が免除されます。

 具体的には青色申告に係る事業(不動産貸付業などを除く)を行っていた事業者の後継者が、2019年1月1日から2028年12月31日までに贈与や相続などにより特定事業用資産を取得した場合に適用されます。

 特定事業用資産とは、先代の事業者が事業に使用していた400平方メートルまでの宅地や床面積が800平方メートルまでの建物、自動車などの資産で、贈与や相続などが発生した年の前年分の事業所得に関する青色申告書の貸借対照表に計上されていたものです。

 税金の負担を軽くする事業承継税制はすでにありますが、従来の制度は法人の自社株に対するものであり、個人事業主を優遇する制度ではありませんでした。

 今回の創設により個人の事業承継が円滑に進むことが期待されます。

 ただし、この制度を活用するためには年齢制限などの条件や、事前に「個人事業承継計画の提出」「経営承継円滑化法による認定」などが必要となりますので詳細についてはご相談ください。

投稿者: 伯税務会計事務所

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