2016.05.15更新

 子どもの頃は親に学生時代は先生に、「分かったか?」と聞かれ、「分かりました」と答えながら本当は何も分かっていなかったことはありませんか。

 会社では上司と部下の間で同じことが起こっているかもしれません。

 この場合、上司の指示が部下にちゃんと伝わっているかどうか、まずはそこから考えてみる必要がありそうです。

 例えば「定期的に顧客をフォローするように」という指示は「うまい指示」とは言えません。

 なぜなら「定期的」や「顧客フォロー」の内容があいまいだからです。

 「定期的」とは週に一度なのか1カ月に一度なのか。

 何をすれば「顧客フォロー」なのか。

 そこを部下に言わなければ指示の意図が伝わらず、上司としても「やった」「やらない」を評価できません。

 評価できない指示は「まずい指示」の典型かもしれません。

 「先月に注文をしてくれた客先には週に一度、顔を出して、使い方で分からないことはないかを直接確認しておくように」。

 こうした具体的な指示なら部下は自分のやるべきことをイメージできます。

 上司と部下との間で「定期的」や「顧客フォロー」の認識がずれることもありません。

 指示に対する行動を評価することもできるでしょう。

 「うま指示」の条件は、第一に相手が指示の内容を具体的にイメージできること。

 具体的にイメージできないと実際の行動が伴わず、口先だけの「分かりました」になりがちです。

 次に、評価できる指示であること。

 「売り上げアップ」は一見評価できそうですが、どの程度が「売り上げアップ」なのかが不明瞭です。

 その点、いわゆる数値目標なら結果は一目瞭然で評価も可能になります。

 具体的で評価可能な「うまい指示」には、最低でも「いつまでに、何を、どうするか」が必要でしょう。

 「顧客と信頼関係を築いてこい」のひと言で信頼関係を築いてくる部下は優秀ですが、ごく少数だと思ったほうがいいかもしれません。

 言葉だけ投げかけても部下に行動を促すことは困難です。

 具体的なイメージができるからこそ、人は行動に移すことができるのではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.04.15更新

 極めて短い時間を「刹那(せつな)」といいます。

 仏教の時間の概念において最小単位である「刹那」は、約75分の1秒だといわれています。つまり「一瞬」です。

 絶え間なく続いているように思える時間は「刹那」の連続で、あっという一瞬の間にすべての物事が変化していることになります。

 刹那の連続で過去が現在になり、さらに未来へと連なっていくのでしょう。

 この世に存在するあらゆるものは移り変わっていきます。

 すべてが一刻一刻、一瞬一瞬と変化して、変わらないものは何ひとつありません。

 それが「諸行無常」で、お釈迦様の悟りを表す言葉のひとつです。

 「諸行無常」の意味を頭では理解していても、実感するのは難しいものです。

 久しぶりに会った人の変化には敏感でも毎日、顔を合わせている人の変化には気付きにくく、何も変わっていないように見えることさえあります。

 自分のことも同じでしょう。

 10年前の写真を見れば変化は一目瞭然ですが、1年前くらいの写真では変化が読み取れないかもしれません。

 けれどそれは錯覚です。

 私たちは1年ごと確実に変化しています。

 1年経てばひとつ年を重ね、その分だけ老いてもいます。

 1年で変化しているということは、1日ごとにも変わっているわけです。

 1日で変化しているのなら1時間、1分、1秒、刹那ごとにあらゆるものが変化しているのでしょう。

 言い換えれば、刹那の連続で1年、10年、そして一生となっていくのです。

 こうしている間にもどんどん時間は過ぎていき、すべては変化しながら少しずつ老いて人生の終わりに近づいていきます。

 時間は命と同じです。

 生まれたばかりの赤ちゃんも80歳の人も、残された時間が減っていくことに変わりはありません。

 実感するのが難しいだけで、誰でも刹那、刹那に命が失われています。

 時間の無駄遣いは命の無駄遣いだと思えば、少しは「今」を大事に生きられるでしょうか。

 お釈迦様の悟りには達せずとも、せめて「今日一日を大事にしよう」という気持ちで毎日を積み重ね、商売に精進していきたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.03.15更新

 最近、時間を忘れてまで何かに没頭したことがあるでしょうか。

 そこで今回は仕事に集中するためのヒントです。

 時間の感覚がなくなるほどある行為に没頭した状態を「フロー状態(flow=流れる)」と呼ぶそうです。

 つまり流れに乗っている状態のことです。

 スポーツ選手がよく「無心で集中できました」と言ったりしますが、フロー状態では常に高い集中力を発揮できるので、パフォーマンスが向上して良い結果が出せるのでしょう。

 さらに没頭しているフロー状態から一時的に起こる極限の集中状態を「ゾーン」と呼ぶそうです。

 動いている相手やボールが止まって見えたり、視覚や聴覚が非常に鋭くなったりするのは、「ゾーンに入った」ということです。

 一流のスポーツ選手は自分でその状態を作り出せるので、ある程度意識的にゾーンに入ることができるといわれています。

 ゾーンを作り出す方法は人によりますが、ラグビーの五郎丸選手の「ルーティン」は、まさにゾーンに入るための集中の儀式でしょう。

 以前は「フロー状態」も「ゾーン」も才能のひとつだと考えられていました。

 しかし、さまざまな分野で集中力とパフォーマンス向上の検証がなされ、現在ではトレーニングや工夫次第である程度、集中力をコントロールできるとされています。

 一流アスリートのようにはいかなくても、集中力を高めるちょっとしたコツを覚えておいて、仕事がはかどらないときに試してみてはいかがでしょう。

 おすすめは「集中ワード」。

 集中ワードとは自分のやる気を高める言葉です。

 あらかじめ紙に集中ワードを書いておき、集中力が落ちてきたらそれを見ます。

 「達成したらおいしいものを食べに行く」などの自分へのごほうびや、「がんばれ!」「絶対達成!」「俺ならできる!」といった自分への励ましは想像以上にやる気を刺激するそうです。

 ちなみに印刷された文字より、自分の手書き文字を見たほうが脳は反応しやすいとか。商売の流れに乗るために今すぐ始められる方法ですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.02.15更新

 先日、こんな話を耳にしました。

 主人公はあるタクシーの運転手。

 バドミントンと掃除とバイクが好きだという五十代の男性のAさんです。

 Aさんの休日は掃除から始まります。

 午前中いっぱいかけて家の中を徹底的に磨き上げるそうですが、特にトイレ掃除は気合いが入るとか。

 設備会社で働いていた経験をいかし、便座は外して風呂場で水洗い。

 極めつけは便器の縁に小さな鏡を当て、見えないところの小さな汚れまでひとつ残らずきれいにするそうです。

 「トイレをピカピカにすると運が良くなると言いますけど、どうですか?」と尋ねられると、「トイレ掃除をした次の日はたしかにお客様が多いですね」とのこと。

 他の運転手が2時間以上も粘ったのに撃沈したタクシー乗り場にAさんが入れ替わりで行くと、5分もしないうちにお客様が乗り込んできて、しかもかなりの遠距離へ。

 そんなことが珍しくないそうです。

 掃除が終わったら午後はバドミントンの時間。

 Aさんは30年のキャリアと実力の持ち主で、仲間と一緒に夜遅くまで汗を流します。

 「休みの日に朝から丁寧に掃除して、みんなでバドミントンして、たまにバイクにも乗って、これが私の最高の楽しみなんですよ。人生は一度だけだから一日一日を大切に過ごさないとね」。

 Aさんは、小さい頃に祖母から言われた「一日一善」を今でも心掛けているそうです。

 「良いことをすると良いことがあるんだよ。神様は見ているんだねぇ。不誠実なことはできないよ」。

 考え方が人生をつくっていくと言ったのは京セラ創業者の稲盛和夫氏です。

 人生や仕事の結果は「考え方×熱意×能力」だから、どんなに熱意や能力が高くても考え方がマイナスだと結果はマイナスになってしまうというわけです。

 経営者として自分の熱意や能力を存分にいかせる考え方をしているだろうか。

 お客様に喜んでいただけるよう誠実に良い仕事を追いかけているだろか。

 Aさんのことを思い出しながら、ふと自問自答する今日この頃です。

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.01.15更新

 お正月の風景もずいぶん様変わりしました。

 例えば福袋。

 かつては「お楽しみ」だった中身があらかじめ公開され、今は「お得感」や「実用性」に重きが置かれているものも多いです。

 「福」の意味や価値も時代や世相を反映して変わってきたのでしょう。

 しかし、「今年こそ!」と新年に誓いを立てたり、新しいことを始めたりするのは人の習いとして今も昔も変わりません。

 時間の区切り方は色々でも、希望や期待を思わせる「新年」は事始めにもっともふさわしい区切りではないでしょうか。

 大正から昭和にかけて活躍した作家の吉屋信子さんは、新年の思いを暦に託して「初暦 知らぬ月日の 美しく」と詠みました。

 まっさらなノート、まっさらなシャツ、色々な「まっさら」がありますが、まだめくられていない初暦ほど「まっさら」という言葉が似合うものはないでしょう。

 まっさらな暦には、まっさらな日々が眠っています。

 まっさらな日々には、まっさらな時間が詰まっています。

 今日から先は未知の世界であり、そこには個々の未来が静かに横たわっているのです。

 商売をしていればままならないことの連続ですが、暦を一枚めくればその日は「過去」になり、その下には希望や期待で輝きながら目覚めのときを待つ「まっさらな未来」がほほ笑んでいるのです。

 商売は長丁場。

 行き当たりばったりで続けていけるものではありません。

 経営には長期的な展望や戦略が必要だとされますし、実際にその通りでしょう。

 しかしながらこれだけ時代のサイクルが速くなると、どれだけ長期的な目標を明確にしても10年後の社会情勢や環境がどうなっているかは誰も知る由はありません。

 今のような時代には、少し先を見ながら「今年こそ!」を「今日こそ!」に替えて、暦を一枚ずつめくっていく感覚が似合っているように思えてなりません。

 初暦は未知の宝庫のようなものです。

 商売の成功や人生の充実というものは、「今日こそ!」の積み重ねの先にあるのかもしれませんね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2015.12.15更新

 「除」には「古いものを捨てて新しいものに移る」という意味があります。

 ですから、古い年から新しい年に移る大晦日の「夜」を「除夜」というようです。

 除夜には、暮れゆく年を惜しみつつ一年を締めくくる様々な行事が行われます。

 108回突かれる除夜の鐘もそのひとつです。

 ところで「108」という数は一般的に「煩悩の数」とされています。

 そもそも煩悩とは自分を悩ませるものや心を乱すもののこと。

 仏教の根本的な考え方でいうと人の煩悩は大きく3つあり、まとめて「三毒」と呼ばれるそうです。

 1つ目は「貪(とん)」、必要以上に欲しがること。2つ目は「瞋(じん)」、自分の心に執着して思い通りにならないと怒ること。3つ目は「痴(ち)」、無知で愚かな考え方にとらわれること。

 要するに「欲」と「怒り」と「愚かさ」が私たち人間を悩ませ、心を乱すのでしょう。欲の対象はモノに限りません。

 「もっと○○だったら」と人をらやむことも欲の一種です。

 もとより思い通りにならないのが世の中なのに、自分の考え方に執着していると、いつもイライラしなら暮らすことになりかねません。

 そうやって自分で煩悩を生み出してしまうのが人間の愚かさなのでしょうか。

 ある資産家がしみじみ話していたそうです。

 それは「人間、どうしたって不安は消えない」ということです。

 お金がないのは不安だけれど、あればあったで今度は「このお金が減ったらどうしよう」と不安になるし、経済的に満たされても健康や人間関係の不安はつきまとう。

 商売で成功し、お金持ちになってはじめて「いくらお金があっても不安は消えないことが実感できた」というその人は、改めて「幸せって何だろう」と考えてみたそうです。

 その答えはあっけないほどシンプルでした。

 いわく、「今この瞬間を幸せだと思えることが幸せである」と。

 煩悩は十人十色でも、人生は「今」の積み重ねであることに変わりはありません。

 つまり商売の成功も「今」の積み重ねだということでしょう。今年も残りわずかです。

 「今」を悔のないように、商売に励みたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2015.11.15更新

 「朝は常に早く起きるように心掛けねばならない。遅く起きるならば、下の者までが気持ちを緩めてしまって、公務の大切な用事にも事欠くようになる。その結果は必ず主君からも見離されてしまうものと思って、深く慎まなくてはならない」。(『早雲寺殿二十一箇条』より)

 これは、室町時代の武将・北条早雲の家訓の一節です。

 近年は朝の時間を有効活用する「朝活」が注目され、早起きをして仕事の前にひと仕事する人たちが増えています。

 時代は変わっても「早起き」という心掛けの重要性は変わらないのでしょう。

 「忙しい」を連発する人に限って時間の使い方がうまくないのは皮肉なものです。

 時間を制する者はビジネスを制する。

 その証拠に世界のCEOの多くが早起きです。

 例えば、スターバックスのハワード・シュルツ氏が毎朝4時半に起きる理由は、「21世紀の歴史は朝に作られる」という発想からで、ディズニーのロバート・アイガー氏も4時半に起きて新聞やメールのチェック、運動、テレビを見るなどして過ごすそうです。

 アップルのティム・クック氏は、4時半にはすでに部下へ指示のメールを送っているとか。

 日本ではCoCo壱番屋で知られる壱番屋の創業者特別顧問・宗次徳二氏が有名です。

 もともとはお客様のアンケートハガキを読むために早起きを迫られたそうですが、いまや「人生の成功は早起きに始まる」が座右の銘になるほどの早起きに。

 毎朝4時前に起き、90分ほどかけて名古屋市の広小路通りを清掃するそうです。

 早起き経営者に共通しているのは、起床後の行動が習慣化されていることです。

 せっかく早く起きてもダラダラ過ごしたのでは意味がありません。

 毎朝やることを決めておき、朝の成果を意識して早起きすることが重要なのでしょう。

 時は金なり。時間は作り出すものです。

「忙しい」を連発する前に起床時間を見直して、早朝という付加価値の高い貴重な時間に投資してみるのはいかがでしょうか。

「商売繁盛の歴史は朝に作られる」、かもしれませんよ。

投稿者: 伯税務会計事務所

2015.11.02更新

 今年も決算審査を終え、意見書を市長に提出いたしました。意見書提出H27

投稿者: 伯税務会計事務所

2015.10.15更新

 ミスをした部下に、あなたならどちらの声がけをするでしょう。

 「なぜミスをしたんだ?」「どうしたらミスをくり返さなくなるだろう?」

 質問する力を「質問力」と呼び、ひとつの能力としてクローズアップされるようになりました。

 「問いを立てる力」と言い換えてもいいでしょう。質問の仕方や問いの立て方で引き出される答えが変わってくるので、「相手が打ちやすい球」を投げましょうというわけです。

 先ほどの例でいえば、「なぜ」で理由を聞いてしまうと相手は言い訳を考え始めますが、「どうしたら?」と問いかけると自分で解決策を探すようになるそうです。

 世の中にはいくつかの有名な問いがあります。

 例えば、マネジメントの父と称されたピーター・ドラッカーの「何のための経営か」、経営学者セオドア・レビットの「わが社は本当はどんな商売をしているのか?」。

 どちらも時代を超えた名言であり、本質を突いた問いでしょう。

 上手な質問によって交渉相手の本音を引き出したり、機転を利かせた問いかけでピンチを切り抜けたりと、商売でも質問力がものをいう場面は少なくありません。

 ところで、肝心なのは「上手な質問」の中身でしょう。興味本位で自分が聞きたいことだけをポンポン投げかけても相手は打ち返してくれません。

 双方にとってのストライクゾーンに入る質問、つまり自分は聞きたいし相手は話したい(答えたい)と思っている質問を投げかけることができたら、商売に限らず人間関係全般がスムーズに運ぶのではないでしょうか。

 質問力は一種の能力なので訓練で上達します。

 では、質問力がアップするひとつのテクニックをご紹介します。

 相手の本音が知りたいときは、何か相談事を持ちかけてアドバイスを求めてみてください。

 人はアドバイスを求められると「もし自分だったら?」と想像して、警戒することなく自分の考えを話してくれるそうです。

 さりげなく聞いてみましょう。「あなたならどうしますか?」

投稿者: 伯税務会計事務所

2015.09.15更新

 いつも元気な人と一緒にいると自分まで元気になる気がします。

 相手が笑顔だと自分も笑顔になっていきます。

 幸せは人から人へ伝染します。これはいくつかの実験や研究でも証明されている事実です。

 米ハーバード大学が12000人以上を対象に、30年以上にわたって大規模な社会的実験を行いました。

 人の幸福度が他人に及ぼす影響力の調査です。

 それによれば日頃、接している家族や友人が幸せを感じていると、自分が幸せを感じる可能性が15%高まるという結果が出たそうです。

 しかも、自分とは直接関係のない人の幸せも自分の幸福度に影響するというのです。

 具体的には、人の幸福度は自分から数えて3人目まで影響するそうです。

 例えば、あなたにAさんという友人がいたとします。

 そのAさんの友人のBさんが幸せを感じていると、Bさんの幸せがAさんに影響してあなた自身の幸福度が10%アップするというわけです。

 また、「日々の生活に幸せを感じている友人が1人増えるごとに、自分が幸せになる可能性は約7%ずつ高まる」とも報告されて

います。

 反対に、日々の生活が不幸だと感じている友人が1人増えるごとに、自分が幸せでいられる可能性は7%ずつ低下したそうです。

 数字はともかく、幸せというものは確実に人から人に伝わる「素晴らしい伝染病」なのでしょう。

 そして誰もが「幸せの病原体」になれるのです。

 商売をしていると、つい売り上げや利益を最重要視しがちですが、そもそもは「人のお役に立ちたい」「人を幸せにしたい」という思いが商売の原点だったのではないでしょうか。

 お得意様、従業員、取引先と人間関係はいろいろでも、商売をするなら「まずは自分から」の精神を忘れないようにしたいものです。「人から与えてもらおう」とするより、「まずは自分が与えよう」という気持ちから幸せのお裾分けははじまるのでしょう。

 あなたの幸せが伝染して周囲も幸せになったら、これほど素敵で素晴らしい商売はありませんね。

投稿者: 伯税務会計事務所

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