2017.02.15更新

 日本を代表する大物コメディアンKさんがまだ見習いだった頃のこと。

 演出家が「才能がないからやめた方がいい」とKさんを突き放したとき、「Kは才能がないけれど誰よりもいい返事をする。それだけで劇団に置いてやってくれ」とかばってくれた先輩がいたそうです。

 後日、Kさんを酷評した演出家が「この世界(芸能界)では、才能がなくてもたったひとり応援してくれる人がいたら必ず成功する」と言いました。

 要するにその演出家は、「こいつをやめさせないでくれ」と応援してくれる先輩がいるのだから頑張れとKさんにエールを送ったのです。

 「演技は努力しなくていい、性格を努力しろ」というのはKさんの言葉です。

 競争の激しい芸能界で生き残っていくには芸よりも先に性格や人格を磨け。

 成果や実力で勝負するのはまっとうなことだが、仕事の出来はそこそこでも、応援してくれる人がいて引き立ててもらえたら成果や実力はあとからついてくる。

 Kさんが自身の経験から得た学びには商売にも通じる大事な要素があるのではないでしょうか。

 才能や実力や実績があっても、人からの引き立てがあるかないかで商売の展開は大きく変わるでしょう。

 日頃から多くの人にかわいがってもらっている人が何か始めたと聞けば、誰もが自然と「あの人ならきっと成功するよ」と思うでしょうし、逆の場合は言うまでもありません。

 Kさんの言葉を借りれば「応援してもらえる性格」かどうかということです。

 よく「運が良い」とか「運が悪い」とかいいますが、実際は自分の性格に見合った出来事と巡り合っているだけではないでしょうか。

 「運」を「性格」に替えて考えてみると分かります。

 性格とはつまり考え方、行動、反応の仕方、態度の示し方、感情の持ち方のこと。今の自分は人から応援してもらえる考え方や行動をしているだろうか。

 人に引き立ててもらえる商売の在り方をしているだろうか。

 性格に良くないところがあるのなら「応援してもらえる性格」になるように努力すればいい。

 それが自分で自分の運を良くする方法なのではないでしょうか。

投稿者: 伯税務会計事務所

2017.01.15更新

 このお正月はぎっくり腰で寝たきりだったという知人に「新年早々、災難だったね」と声をかけたところ、「お正月で助かったよ。かえってゆっくり休めたしね」と笑顔を向けられました。

 気の毒だと思ったのはこちらの勝手な思い込みで、本人はぎっくり腰で動けない状況を前向きにとらえ、逆に楽しんでいたようです。

 考えてみればこの知人は、何か問題が起こったときにいつでも「かえってよかったよ」「逆に楽しいよ」「むしろ大歓迎だよ」と笑って事に当たっています。

 かたわらから垣間見える状況が決して楽そうではないときも、あからさまに大変さをかもし出したり不安がったりすることなく、そのときできることを黙々とやっている、そんな印象です。

 「いつもどんと構えているねぇ」そう感心すると、「失敗した経験の量が半端じゃないからね」と。

 たとえ成功者と同じことをしても、表面を真似しただけでは同じように成功できるとは限りません。

 成功した人のバックボーンには、成功に匹敵するだけの失敗の数々が隠れていることが容易に想像できるからです。

 判断ひとつにしても、わずかな経験でする判断と豊富な失敗に基づいた判断が同じはずはありません。

 シャネルの生みの親であるココ・シャネルの名言に「人生が分かるのは、逆境のときよ」があります。

 ウォルト・ディズニーも「逆境の中で咲く花は、どの花よりも貴重で美しい」と言いました。

 大成功を収めた彼らもやはり「逆境」という環境を前向きにとらえて果敢にチャレンジしていったのでしょう。

 お正月のテレビ番組で、いまどき珍しい凧上げの光景を見ました。

 凧は風に向かっていくからこそ高く上がります。風に流されていては上がっていけません。

 澄み渡った青空に高く高く舞い上がる凧を見ながら、逆境こそ人を強くさせる環境だと改めて思う新年でした。

 事の成るは逆境のとき。逆境を乗り越えた分だけ自分も商売も成長していくのでしょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.12.15更新

 年末年始は「待つ」ことが多くなりますね。

 忘新年会では席に座るまでに待たされ、道路は渋滞し、有名な神社で初詣をすれば寒い中で待つのは覚悟の上です。

 ところで「待つ」感覚は不思議だと思いませんか。

 電車が遅れると5分でも愚痴が出るのに、おいしいと評判のお店では喜んで行列に並びます。

 人間関係や個人的な感情も「待つ」時間を左右します。

 Aさんに待たされると腹が立つのにBさんなら気にならない。

 気分が良い日は長く待てるのに気分が乗らない日は1分の待ち時間さえ我慢できない。

 人それぞれ「待てる時間」と「待てない時間」があり、その境界線は本人にしか分かりません。

 しかし誰にでも共通しているのは「待たされている」と思えばイライラし、「進んで待っている」ときはウキウキと心が弾んで待ち時間も気にならないということです。

 鹿児島県の屋久島では樹齢がおよそ1000年を超える杉を屋久杉と呼ぶそうです。屋久杉は成長が遅いことで知られています。

 屋久島は花こう岩の島なので岩が邪魔をして地下に根を張れず、十分な養分を取れないので成長速度が遅いそうです。

 しかし成長が遅いため年輪が詰まっており、独特の木目や模様を生み出します。

 材質が緻密で長命なのも成長が遅いことの恩恵です。

 過酷な環境下でゆっくりと成長するからこそ個性が際立ち、丈夫で長く生き残れる。

 屋久島の杉が待つことをせずに成長を急いだら屋久杉は存在していないかもしれません。

 商売でも売り上げが伸びない、顧客が増えない、反応が悪いといった「待たされている感じ」はどうも居心地が良くありません。

 たとえ同じ状況でも、力の限りやったからあとは自分を信じて良い結果を思い描いて過ごす。

 ワクワクしながらベストを尽くして天命を待つことができたら何よりだと思いませんか。

 私たちはこれからもいろいろな局面で「待つ」ことに遭遇します。

 同じ「待つ」なら自分が磨かれるような待ち時間にしたいものですね。

 今年もお世話になりました。良いお年をお迎えください。

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.11.15更新

 「分かりました」と言いながら、ちっとも分かっていない人。

 歌の文句のようですが、このような人はたくさんいます。

 商売をしていればよくお分かりでしょう。本人に悪気はありません。なぜならその場では分かったつもりでいるからです。

 ところが実際にはほとんど忘れてしまうので、結局また同じことを伝える羽目になります。

 本人に問題がある場合もありますが、「分かったつもり」は誰にでも起こることなのです。

 もちろん自分自身が「ちっとも分かっていない人」になっていることもあるでしょう。

 さて、次の問いは行動変化を起こすための研修で使う手法です。

 ●聞いたことは(  ) ●見たことは(  ) ●やったことは(  )

 (  )には「分かる/身に付く・覚えている・忘れる」のどれかが入ります。

 正解は、「聞いたことは忘れる」「見たことは覚えている」「やったことは分かる/身に付く」です。

 では、「(  )ことは使う」の(  )にはどんな言葉が入るでしょうか。「ふ(腑)に落ちる」の「腑」とは「心の底」のこと。

 口でいくら「分かりました」と言っても、心の底で納得しないとふに落ちないようです。

 それでは、心の底で納得するためにはどうしたらいいのか。その答えが「(  )ことは使う」につながります。

 「気付いたことは使う」もしくは「発見したことは使う」。

 要するに、自分で見付けたことは自ら行動に移すということです。

 自分で見付けたから忘れにくく、忘れないから使うという単純な原理ですが、そこには「自分で気付いた」という喜びがあることを見逃してはいけません。

 自分で答えを見付けた喜びが行動の第一歩になるのです。

 自分で考えなくてもすぐに答えが手に入る便利な時代ですが、それが行動に結びついていなければ、その答えにあなたは納得していないのかもしれません。

 まずは自分自身や目の前の商売を振り返ってみてください。あなたはその答えに心の底で納得していますか?

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.10.15更新

 「アホウドリ」という名前の鳥がいます。

 一説には、ほとんど人間と接触しないので警戒心が少なく、簡単に捕まえられるアホな鳥だからという不名誉な理由でその名が付いたそうです。

 ところが、アホウドリはとても賢い人生設計で生きています。

 野生のアホウドリの寿命は15年から20年。野鳥では異例の長生きです。

 1年に1回だけ産卵し、1回の産卵では1個の卵しか産みません。

 産卵後はほぼ1年かけてひなをかえし、育てて教育します。

 ひなの育成には多くの時間がかかるので卵を産まない年もあります。

 子育てする場所は絶海の孤島。

 場所は限られている反面、哺乳類などの外敵が来ないので安全に子育てできます。

 外敵の少ない孤島で長生きして子どもを大切に育てる。これがアホウドリの人生設計です。

 己をよく知った上での見事なやり方ですね。

 アメリカのミッドウェー環礁国立自然保護区には、特に賢いアホウドリが住んでいます。推定年齢65歳以上。

 確認されている限りでは世界最高齢の野鳥というだけでも大したものなのに、つい数年前にも産卵し、これまでに30羽以上のひなを育てあげたそうです。

 環境汚染などで生存環境が悪化する中、通常の3倍以上も生き続ける大ベテランのこのアホウドリを研究者たちは「ウィズダム(知恵)」と呼んでいるとか。

 肩書きが社長でも経営者にはなれません。

 経営者と呼ばれることはあっても、実際に経営ができなければニックネームと同じになってしまいます。

 「経営者の仕事はシミュレーションに尽きる」と言った人がいますが、確かに経営には知恵が必要です。

 ひょうひょうとしながらも商売がうまくいっているなら、その人は陰で何十回もシミュレーションをしてお金と人を動かしているのかもしれません。

 自分をよく知り、優先順位を的確に判断してシミュレーションを繰り返し、最善の策を取っていくのが経営だとすれば、アホウドリは立派な経営者です。

 経営者というニックネームに甘んじてはいけません。

 アホウドリに負けない商売設計で先へ先へと進んでいきたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.09.15更新

 人の成功を素直に喜べないことは誰にでもあるでしょう。

 そんなとき「あいつは運が良かっただけさ」とか、「今回は俺に運が向いてこなかった」などと自分を慰めてみても後味は悪いものです。

 マーフィーの法則によれば、運は均等にあるそうです。

「この世に運のいい人も、悪い人も存在しません。ただひとついえることは、運を引き寄せられる人と引き寄せられない人がいるだけで、運は均等にあります」。

 たとえ自分に都合の悪いことがあっても「運」のせいにするのではなく、良い結果が後からついてくるような行動にシフトしてみませんか。

 今から100年以上前に、イギリスの作家ジェームズ・アレンが『「原因」と「結果」の法則』という本を書きました。

 成功哲学の祖デール・カーネギーにも大きな影響を与えた人です。

 その本にはこう書かれています。

 「私たちがこれまで考えてきたこと(原因)が、私たちを、いまの環境(結果)に運んできたのです」。

 つまり毎日の仕事は「原因という種まき」ともいえます。

 商売で成果が出たとしたら成果が出るような種をまいたということで、運が良かったわけではない。

 失敗も運のせいではなく、まいた種に問題があったから。

 商売の浮き沈みを原因と結果の法則に当てはめるとこうなるのではないでしょうか。

 原因があって結果がある。

 至って当たり前のことですが、100年も前からいわれていることがちゃんと実践できていないから、つい運のせいにしてしまうのでしょう。

 原因は目の前にあるとは限りません。

 いつまいたか忘れてしまったような種が思わぬときに芽を出すこともあります。

 思うような結果にならないときは謙虚に結果を受け入れて、次は「良い結果」に結びつくような種をまく。

 この繰り返しを「仕事」と呼ぶのかもしれません。

 同書にはこうも書かれています。

 「自分の環境を直接はコントロールできないかもしれません。でも、自分の思いは完璧にコントロールできます」。

 やはりすべては自分次第というわけですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.08.30更新

今年も国立市の決算審査を終え。報告書を佐藤市長に提出いたしました。

H28審査

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.08.15更新

 ソフトウェア販売会社アシストの創設者であるビル・トッテン氏は週休3日だそうです。

 本社は東京ですが、土日月の3日間は京都で暮らして本格的に農業をされているとか。

 経営者だから自由にしているのではありません。

 トッテン氏いわく「低成長が続く日本経済は縮小していくだろうから、雇用を維持しながら会社を存続させるには、賃金カットやワークシェアリングを進めたりして社員に負担を強いることになる。

 そうなったら休日を使った家庭菜園は食費の節約になるはずだ」と。

 つまりトッテン氏は会社と社員の将来を見据え、自分が1つのモデルケースになろうとしているのです。

 同社は数年前から「週休3日」や「週1回在宅勤務」を導入したものの、なかなか社員に浸透しませんでした。

 そこでまずは自分が家庭菜園を始め、自給自足に近い生活にチャレンジして、それを見た社員がどう行動するかを待ったそうです。

 日本経済が今の6割になっても800人以上の社員をリストラしないと宣言しているこの会社は、経営者が自ら縮小時代への備えを率先して行動で示しているのでしょう。

 経営者の仕事とは何でしょうか。

 試しにインターネットで「社長の仕事とは」で検索してみると、「理念を語る」「戦略の立案」「人材育成」などさまざまな意見がありました。どれも確かに社長の仕事です。

 しかし、大事な仕事が抜けているように思います。

 それは「経営者にしかできないこと」です。

 トッテン氏の行動が社員に大きな影響を及ぼすのはトッテン氏が経営者だからであり、経営者の掲げる企業哲学に社員が共感を覚えるからです。

 朝一番にトイレ掃除をする。

 現場に出向いて社員を激励する。

 情熱をもって仕事に取り組む。

 どれも経営者が自らやるからこそ社員の心に響きます。

 逆に「経費削減だ」と言って極端に冷房などを節約し過ぎると、経営者がやるからこそ社員のモチベーションが下がります。

 「経営者にしかできない仕事」を今一度、自分に問うてみましょう。

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.07.15更新

 何かをしようとするとき、またはしているとき、私たちの意識は外を向きがちです。

 「外」とは「他人」や「世間」のこと。人の言葉や考えに学ぼうと、他人ばかりを気にしていませんか。

 世間にスポットライトを当て、世間に自分を合わせようとしていませんか。

 人の評価を気にしたり、誰かのせいにしてみたり、世の中が良くないとかやり方が悪いとか、外ばかりに目や心が向いていないでしょうか。

 ここ数年は名言集がよく売れているようです。

 先人の英知にあふれた言葉にはありがたい教えがあり、名言に触れることで成長する自分がいるのも確かです。

 けれど「あなたにとっての成功とは何ですか?」と聞かれたら、果たして自分の言葉で答えられるでしょうか。

 外にばかり向かって追い求めようとする心を自分の内側に向け返し、本来の自分を照らすことを「回光返照」(かいこうへんしょう/えこうへんしょう)といいます。

 外に向けていたライトを内なる自分に向け、心の中を照らし出し、自分自身を省みるのです。

 外に向かって求める心が悪いのではありません。

 回光返照とは「外にばかり心を向けて他人の考えをなぞっていると、本来の自分を見失ってしまいますよ」という禅の教えです。

 時には内なる自分に光を当てて純粋な自分と向き合い、その自分が曇ったり汚れたりしていないか確かめてみてください。

 己の心を明るく照らせば真実の自分が現れます。その自分でもう一度考え、取り組んでみましょう。

 流行や人まねではなく、自分が大事にしたいこと、自分がやりたいこと、自分が求めること、自分だからできること。

 それが「真実」です。

 チルチルとミチルが探し求めていた幸せの青い鳥は、結局のところ二人に最も身近なところ、家の鳥かごの中にいました。

 今、抱えている商売の問題や悩みも、最終的には自分で決断するとなれば、やはり答えは自分の中にあるのかもしれません。

投稿者: 伯税務会計事務所

2016.06.15更新

 「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」と言ったのは山本五十六元帥でした。

 「真のリーダーとは?」を論じるときによく引用される有名なこの言葉は、「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」と続きます。

 また孔子が論語で述べた「能(よ)く五つの者を天下に行なうを仁と為す。

 恭(きょう)寛(かん)信(しん)敏(びん)惠(けい)なり」も、リーダーの心得として時代を越えた教えとなっています。

 「恭」とは部下(相手)に対して敬意を持って接すること。丁寧で慎み深く振る舞えば、あなどられることはありません。

 「寛」とは部下(相手)に対して心広く寛大に応対すること。懐(ふところ)の広い人は慕われます。

 「信」とは発言と行動を一致させて信頼を得ること。言行一致は信頼関係のベースです。

 「敏」とは仕事が的確で迅速であること。すなわち実力が身に付いていることです。 

 「惠」とは思いやりを持って人に接すること。部下や同僚、取引先といった周囲の人々に対して深い思いやりを示すと、そこに協調と自覚が生まれます。

 各自が自分のやるべきことを自覚したとき、マンパワーは最高の形となって結果を導くでしょう。

 「リーダー」の定義に正解はありません。際だったカリスマ性で人々を魅了し、自分が輝くことでヒーロー的存在となって組織を統率するタイプのリーダーもいれば、陰の立て役者として人を輝かせることで求心力を発揮するタイプのリーダーもいます。

 どんなタイプのリーダーであれ、まずは自分が行動し、先に与えて、尊重し、信頼して見守る姿勢が不可欠ではないでしょうか。

 最後に、「伝説の経営者」と呼ばれたジャック・ウェルチの言葉を添えておきます。

 「リーダーになる前は、成功とはすべて自分自身の成長を指している。

 だがリーダーになれば、成功とは他の人の成長を意味する」

投稿者: 伯税務会計事務所

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