2013.03.15更新

人間もある程度成熟してくると「量より質」という考え方にシフトしていくようです。

焼き肉食べ放題よりA5ランクのお肉を少量。

人生を逆算する世代になれば人間関係も質重視で、本当に信頼できる仲間こそが財産と思うようになってきたりもします。しかし商売においては、「量」の追求がものを言う場面もあります。

例えばお客様と良い関係を築いていくには「質」の前に「量」、つまり接触の回数が重要ということです。といっても「数打ちゃ当たる」の「回数」ではありません。

人間の心理には「見ることは好きになること」という側面があり、好みや判断は「どれだけそれに接してきたか」で決まっていくそうです。接触回数が増えると人は無意識のうちに「差」を見るようになります。差を見ると選好度が上がっていくのが普通です。

だから、繰り返し見せられたCMの商品を手に取りがちになったり、テレビでよく見かけるタレントの好感度が高かったり、結婚相手がどことなく自分の両親に似ていたりといったことが起こるのです。こうした現象は、1人のお客様に対する接触回数を増やしていくことが信頼関係につながる可能性を示唆しています。

反りが合わないお客様を「苦手なタイプ」と大ざっぱにくくるのではなく、あえて会う回数を増やして細かく観察してみましょう。

その人のどこが苦手なのか。最初から苦手だったのか。途中から苦手になったなら、それ以前と何が変わったのか。どうすればその人に対する苦手意識が減るのか。

こうして「苦手意識」に差をつけていくと、だんだん嫌悪感が減っていくのが人間本来の特徴だそうです。

反対にお客様からのウケが良くない場合も、懲りずにちょくちょく顔を見せることで関係性が好転するかもしれません。お客様との関係をまずは「量」で稼いで、それなりに機が熟したところで今度は「質」で勝負する。

何もしない土地にいきなり種を蒔くよりも、地道に耕した畑に種を蒔いたほうが芽が出やすいことは言うまでもありませんね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2013.02.15更新

物事の理由のなかで最大にして最高の理由は「好き」と「嫌い」でしょう。

どんな理由をいくつ並べても、「だって好きだから」あるいは「だって嫌いだから」以上の理由はなかなか見つかりません。

「好き」「嫌い」を決めるのは人間の本能的な部分なので、相手にそう告げられたら「そうですか・・・わかりました」と引き下がるしかほかになく、そこに反論の余地はまったくありません。

「好き」と「嫌い」はそのくらい強烈に個人的な理由であり、一種の最終勧告であり、だからこそ最大にして最高の「言い訳」にもなってしまいます。

例えば、釣りが趣味なら「釣り」を楽しめばいいでしょう。魚が釣れても釣れなくても、好きな釣りを思う存分楽しめば大満足です。

しかし、「魚を釣る」という仕事を与えられた場合には事情が一変します。魚を釣らなければならない以上、何がなんでも魚を釣る。このとき釣りが好きかどうかは一切関係ありません。

釣りが嫌いでも魚を釣る。道具がなければ自分で道具を用意して、釣れる場所を探してそこまで出向き、一生懸命に努力をして実際に魚を釣り上げなければなりません。

ところが、いざ商売で大きな問題に直面すると「好きなことだから」とか「嫌いなことまでして」などと自分自身に言い聞かせるようにしてその場から逃げてしまう。

このようなことは誰もが経験したのではないでしょうか。現実的に商売は、どんなことがあっても利益を確保しなくては長く続きませんし、苦手でも頭を下げる営業が必要な場合もあるでしょう。

自分にとっての「好き」「嫌い」は最大にして最高の「理由」だからといっても、商売を営む上では最大にして最高の「言い訳」になり
かねません。

目の前に大きな壁が立ちはだかったとき、「できない理由」は簡単に探せます。そうであるならば、きっと「できる理由」も見つけ出すことができるはずです。

自分に「言い訳」をしていないか?時にはそのような視点から商売を省みることも大切でしょう。そこには大きなヒントが隠れているかもしれません。

投稿者: 伯税務会計事務所

2013.01.15更新

新年は大きな区切りで、気持ちを改める良いタイミングです。しかし、「芸術は爆発だ」でおなじみだった岡本太郎さんは、「計画を実行したければ、元旦にスタートを置くなんていう手ぬるいものじゃなく、毎朝にスタートラインを引くべきだな」と言っていたようです。

毎朝をスタートラインにするくらいじゃないと、人間はすぐに慣れてしまうということでしょう。ちょっとでも気を緩めたら清々しい新年の気分は2~3週間もするとだらけてしまい、「今年こそ!」の意気込みも数ヶ月ほどで尻つぼみになってしまいます。仕事も人生も「慣れ」との戦いです。

熟成する「熟れ」は成長を意味しますが、「慣れ」てしまうとそこから先の伸びがありません。サービス業を営むある方が、仕事を始めて3年目に先輩経営者からこう言われたそうです。

「商売を始めて2、3年すると仕事に慣れてきて余裕ができる。すると誰でもお客様の文句や愚痴を言うようになるけれど、実はそこが分かれ目だよ」。

そのまま文句を言い続ける人は、「あの人が悪い」「景気が悪い」といつまでも何かのせいにします。だから商売もそこ止まり。

一方、一時は文句を言っても、そこで自分を省みて「自分もいけなかった」と気付く人は、それからお客様の文句や愚痴を言わなくなります。そんな人が商売で成功していく例をたくさん見てきた先輩経営者は、ちょうど仕事に慣れて文句が出始めたその方に「どっちの道を選ぶのか」と暗に促したようです。

同じことを長く続けていれば自然と慣れてしまいますが、そこはあえて自分にカツを入れたいものです。

文句や愚痴が多くなり、人のせいにするようになったら「慣れ」のサイン。何事も人のせいにしないで自分の問題として解決していく過程には、「熟れ」はあっても「慣れ」はありません。そのためにも毎朝をスタートラインにする意気込みで、今年も懸命にチャレンジしていきたいものですね。

投稿者: 伯税務会計事務所

2012.12.15更新

商売がうまくいっている人にその秘訣を聞くと、「秘訣は特にありません」といった答えが返ってくることがあります。

しかし、そのあと必ずと言っていいほど次のように続きます。「ただお客様を大事にしているだけです」。

目先の顧客を次々と狙い撃ち、仕事が済んだら「はい、さようなら」。そんな、「どうせ一度限り」と「心無い狩猟型の商売」をする会社が勢いを増した時代もありましたが、それはいつの時代も許されないやり方です。

やはり商売は心を込めた「農耕型」のスタイルでありたいものです。農業の場合、田畑を耕して種を蒔き、芽が出たら手をかけて育て、収穫のあとは次の収穫に備えて準備をします。

この手順は、商売にも当てはまるのではないでしょうか。営業して新規顧客を獲得し、お客様との信頼関係を築き、顧客フォローでリピーターを作っていく。

目先の収穫より収穫前後により手間をかける農耕型の商売は、顧客を大事にすることで次の仕事へと可能性が広がり、お客様が新たなお客様を呼ぶ好循環が生まれます。以前、あるところで印刷会社を経営するA社長のこんな話を聞いたことがあります。

A社長は時折、お茶菓子を持ってあるお年寄りのお宅を訪ねるそうです。90歳を超えたその家のおばあさんはA社長の訪問を心待ちにしており、しばらく一緒にお茶を飲んだあとでA社長が帰ると、すぐに息子に電話で報告するそうです。

県外に住んでいる息子は、そのA社長の会社の顧客です。彼の実家がたまたまA社長の会社の近くだったことから始まった、ひょんなご縁でした。

「Aさんがお菓子を持って訪ねてきてくれた。ありがたいことだ」と母親から報告を受けるとき、一人暮らしの親を心配しながらもなかなか実家に顔を出せない息子は、どれほどA社長に感謝することでしょう。

ひとつのご縁を大事に育てるA社長の顧客網は県外へと広がり、このご時世でも商売は順調とのことです。

以前、地元紙から商売の秘訣を取材されたA社長は、「お客様に喜んでもらえることを考えながら、お客様を大事にしてきただけです」と答えていたそうです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2012.11.15更新

ある親子の会話を聞いて笑ってしまいました。

「もっと勉強しなさい」という母親の小言に小学生くらいの息子が「なんで勉強しなきゃいけないの?」とふて腐れると、一瞬言葉に詰まった母親が歯切れ悪く答えました。「なんでって・・・、それが知りたかったら勉強しなさい」。まるで禅問答です。

人の意欲を奪う最大の要因は「目的がわからないこと」ではないでしょうか。

ある国には、ひたすら穴を掘らせておいて、その穴をもう一度埋めさせるという刑罰があったそうです。何の目的もなく穴を「掘り」、そしてまた「埋める」を繰り返す。

そこには「刑罰」という目的はあっても、行為そのものが生み出す目的は何もありません。「何のために?」がわからないままひたすら同じことを続けるのが、どれほど苦痛でどれほど虚しいか。

この刑罰を考えた人はよほど人間心理に精通していたのだろうと想像します。「目的」とは、言い換えれば「問い」を立てることではないでしょうか。

あるラーメン店の店主に「毎日毎日ラーメンを作って飽きませんか?」とたずねると、彼はさらっと言いました。「ラーメンを作るのが仕事じ ゃなくて、接客が仕事ですから」。

つまり、ラーメンを作ることが日々の作業になってしまい、それを目的に仕事をしていたら飽きるだろうということです。

「お客様に喜んでもらいたい」。彼が商売をする目的はここにあり、「そのために何をするのか」という「問い」に向かって彼は日夜、仕事をしているのでしょう。

商売では、「何をしたらいいのか」「どうしたらうまくいくのか」と途方に暮れることがしばしばあります。

しかし、そんなときこそ「何をするか」の前に、まずは「何のために?」と自分に問い直してみたいですね。

大事な商売がいつの間にか苦痛な「刑罰」になってしまわないためにも、改めて「何のために?」と今一度「商売の目的」を考えてみたいものです。

投稿者: 伯税務会計事務所

2012.10.15更新

最近は料理を楽しむ男性が増えました。料理と仕事は通じているところがあり、「要領の良さ・悪さ」がはっきり表れます。

野菜を茹でながら肉を焼いて、料理が仕上がると同時に洗い物まで終わっている要領の良い人もいれば、一品作るだけで台所が地獄絵図のような有様になる人もいます。

これを仕事に置き換えれば「なるほど」と納得するでしょう。

要領が良い・悪いは性格や考え方にもよりますが、焦るあまりに緊張して要領が悪くなってしまうような場合には、誰にでもできる対処法があります。

それは、「とりあえず席を立つこと」です。

人間の脳には「ワーキングメモリ」という機能があります。一時的な記憶を覚えておく場所で、いくつかの知的作業を併行して行うときに活躍します。

ワーキングメモリの使い方が上手な人は一度に3つくらいの作業を併行できますが、野菜を茹でながら肉を焼ける要領の良い人でも、横で奥さんが「実はね・・・」と深刻な話を始めたらたまりません。

急激なストレスは一気にワーキングメモリの容量を低下させ、物事を併行して考えるのが面倒臭くなるため作業効率が落ち、最悪のケースでは考えること自体が嫌になり頭が真っ白になってしまうことも。

メモリの容量オーバーでパソコンがフリーズした状態と同じようなことが脳で起こるわけです。

適度な緊張感は身が引き締まりますが、「失敗したらどうしよう」という不安や心配が大きいとワーキングメモリが上手に働かなくなり、ここぞというときに実力を発揮できません。

焦って要領が悪くなったら、「ちょっと失礼します」と席を立って仕切り直し。

つまり、リセットです。

フリーズしたパソコンが再起動で復活するように、席を立ってその場から離れるとワーキングメモリは一旦復活して、再び冷静になれます。

大事な場面で席を立つのは勇気がいることですが、思考回路がフリーズしてしまったら商談が失敗してしまうかもしれません。

そうなる前に「ちょっと失礼します」で風向きを変え、自分のペースに軌道修正というのもひとつの方法です。

投稿者: 伯税務会計事務所

2012.09.15更新

「辛」(つらい)に「一」(いち)を足すと「幸」という字になります。

辛くても、あと一歩、もう一歩と前に進もうという気持ちが幸せを呼び込みます。

漢字にはもともとの成り立ちや由来がありますが、このように「因数分解」して解釈するとまた違ったメッセージが見えてきます。

コピーライターのひすいこうたろうさんにとって「漢字は感字」だそうで、著書『漢字幸せ読本』ではユニークな視点から独自に解析した漢字の意味を紹介しています。

たとえば、「大丈夫」の3文字にはすべて「人」という字が入っています。

あなたに何かあったとき、周りの人はあなたを支えてくれます。

どんなときにもあなたには3人の味方がいるのです。

または、「幸」を縦に読むと「+-=-+」(プラス・マイナス・イコール・マイナス・プラス)。

物事はすべてプラス・マイナスの中立で、あとはその人がどう見るかだけ。

それが「幸せ」の本質です。なかなかうまいことを言うと思いませんか。

さて、「働く」ということを漢字の因数分解で考えてみましょう。

「人」が「動く」と書いて「働」。しかし、やみくもに動けばいいわけではありません。

「働く」=「はたらく」=「端」(はた)が「楽」(らく)。

つまり、端が楽になるような動きをしたときに「働いた」と言えるようです。

さらには「端」が「楽」しくなるように動いたら、自分も同じように楽しくなります。

今の自分の行動は周囲の手助けになっているだろうか。

今やっていることで周りが楽しくなるだろうか。

このように、常に「端」が「楽」の発想を持って動いていたら、きっと商売は上向いていくことでしょう。

「人間というものは、気分が大事です。気分がくさっていると、立派な知恵才覚を持っている人でも、それを十分に生かせません。

しかし気分が非常にいいと、今まで気づかなかったことも考えつき、だんだん活動が増してきます」。

これは松下幸之助さんの言葉です。

「周りを楽しませ自分も楽しむ」、いついかなるときでもそんな好循環の商売をしていきたいですね。

国分寺で相続税申告のご相談なら伯税務会計事務所へ

投稿者: 伯税務会計事務所

2012.08.15更新

「便利屋」という職業が登場したのは十数年前でしょうか。

そのネーミングのせいか、「便利屋=急場しのぎ」と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、様々な雑事の代行業務を行う便利屋は「サービス業」という立派な専門職でしょう。

雨樋の修理と除草と犬の散歩と買い物代行を、ひとつの会社に頼めるのは利用者にとっての大きなメリットで、だからこそニーズがあるのでしょう。

便利屋のニーズがあるのは「とりあえず何でも引き受ける」からではなく、困ったときに何でも頼める「"便利"の専門職」だからなのです。

商売をしていると、広くお客様を取り込みたいがために「何でもやります」とうたってしまうことがあります。

確かに、「これしかできません」より「何でもお任せください!」のほうがお客様に喜ばれるような気がします。

しかし、とりあえず間口を広くしておけば有利だろうという発想では、なかなか上手くはいかないものです。

たとえば、原因が分かっている腰痛の治療に、わざわざ総合病院を訪れる人がいるでしょうか。

原因が分かっているなら、その腰痛の治療に長けた病院を探すはずです。

そこで「得意分野は腰痛です」とうたっている治療院があれば、もちろんそこに足を運ぶでしょう。

せっかくなら専門のところで診てもらいたい。

患者として、ごく当たり前の選択です。総合病院を訪れる患者は、自分の症状に合った専門病院が見つかればそちらに流れて行きます。

つまり、腰痛も肩こりもむち打ちもリハビリも「何でもござれ」だとしても、あえて「これが得意です」と専門性をアピールすることで、患者に選ばれる確率が一気に上がることはすでにご存知だと思います。

ただ単に「総合病院発想」の商売をしていたなら、一時は盛り上がっても次第にお客様は離れていくことでしょう。

しかし仮に今、「総合病院」の看板を掲げて商売をしていても、「あなたの症状に合った専門病院を見つけます」と提案すれば、それは立派な「専門病院」と同じ立場になるのではないでしょうか。

遺産相続に対する説明会も行っております|国立市の伯税務会計事務所


投稿者: 伯税務会計事務所

2012.07.15更新

今のようなご時世では、いかに無駄なく効率的な商売をするかが重要なポイントのひとつと言えるでしょう。

しかし、「どこを削るかと「どこにお金をかけるか」の見極めは経営センスが問われる大事なところです。

ここはひとつ、節約上手な主婦の発想を参考にたいものです。家庭の主婦であれば、「どんな状況でもまず守るべきは家族」だとしっかり認識しています。

家族を守る基本は健管理です。

どんなに食費を切り詰めても、その範囲内で可能な栄養バランスを考え、たとえ「もやし料理」でもバリエーションに知恵を絞ります。

今はディズニーランドに行けなくても、健康であればいずれ家族全員でミッキーマウスと記念写真を撮れるでしょう。

その日のために家族の健康を守るべく、主婦たちは今日もチラシをくまなくチェックして、底値を求めて自転車を走らせるのです。

「お母さんは家族のために頑張ってくれている」。そう感じるからこそ、もやし料理が3日続いても家族は文句を言いません。

けれど、節約したお金で自分だけこっそり3000円のランチを食べているとなれば、家族の絆は一気に崩壊するでしょう。

主婦で実業家のある女性は、いわゆる「主婦のアイデア商品」がヒットしたことで会社を立ち上げたそうです。

今では年商も億を超えるようなので、さぞかしオフィスは立派だろうと思いきや、雑居ビルの一角に内装も質素な事務所を構えているだけだとか。

その理由は、「お客様に提供するサービスと関係ないものにはお金を使いません。

会社の内装にお金をかけるとサービスの値段を高くしなくてはならないですし、値段を高くすると今度は宣伝広告をしたりと余分な仕事が増えるんです」とのこと。

つまりこの女性実業家にとっての効率化とは、お客様のためにならない出費は一切しないことなのです。

このポリシーが効率化の最大の柱だそうです。何のための効率化なのか、その目的がブレてしまうとお客様は敏感に反応します。

だからこそ、「会社の帳簿」ではなく「お客様の喜ぶ顔」が思い浮かぶような商売の効率化を進める会社は、どんな時代でもお客様から支持されるのでしょうね。

国分寺で相続税申告のご相談なら伯税務会計事務所へ

投稿者: 伯税務会計事務所

2012.06.15更新

そのお鮨屋さんの繊細な仕事ぶりは、海外の食通さえもうならせると評判でした。

うわさを聞きつけたKさんは友人と足を運び、至福の2時間を過ごしたそうです。

味の良さはもちろん、にぎりの一つひとつに施さ れた丁寧な仕事はまるで芸術品のようで、普通なら目玉が飛び出るほどのお会計も「これだけ払う価値は十分にあるとお客に思わせるのは大したものだ」と、大満足で店を出たそうです。

ところがその半年後、再びその店を訪ねたKさんは非常にがっかりしたそうです。

「人が代わったな」。そう思ったKさんはさりげなく板前に訊いてみると、案の定、前の大将は辞めてしまったのだとか。

ただ闇雲にコスト削減を進めるオーナーに大将が嫌気をさしたのだろうというのがKさんの推測です。


その日が初めてのお客様なら「立派な店だ」と感心するレベルでも、以前を知っているお客様は騙せません。

海外からのお客様を「和」の心で感動させたいというコンセプトでしつらえた店内も、ネタや味の手抜きを感じた途端に薄っぺらく感じてしまったそうです。

「この店にはもう来ないだろう」とKさんが思ったのは間違いないでしょう。

この一件でKさんは、「100引く1はゼロ」という商売の基本を改めて実感したそうです。

商売というのは「100引く1が99」にはなりません。

100人の社員が頑張っても、たった1人が気を抜けば、それまで築いた信用が泡のように消えてしまいます。

昨日まで100点でも、ひとつの手抜きで全体の点数が一気に下がってしまうのです。

商売は常に「100%」しかありません。ひとつでも欠けたらゼロになってしまいます。

お客様は手抜きに敏感で、口に出さなくてもしっかり見抜いているもの。だから「100引く1はゼロ」なのです。

裏を返せば、お客様のためにできることを全力で考え、100%の誠意と努力で商売に勤しめば、お客様はちゃんと感じ取ってくれます。

そして、きっとそのお客様が新しいお客様を連れてきてくれることでしょう。

国立市で相続税申告、遺産の手続きなら伯税務会計事務所へ


投稿者: 伯税務会計事務所

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